3 大好きな人たち
気に入ってたからどんどん容姿の描写を入れていく。
ワインドとは出会って4年になるが、ぼくにとってずっと憧れの存在だ。
こうして隣に並んで歩くと、今でも少し浮かれてしまう。この護衛隊長かっこいいだろ? と、心の中で周りに自慢しているのだ。
「さっきの、チョークさんだよな」
歩きながらワインドが思い出すような仕草を見せて話しかけてきた。
どうやらチョークのことを覚えていたみたいで「懐かしい」と嬉しそうに表情を緩めた。
「あの体型は普段から力仕事もやっているんだろうな……大きくなったなぁ」
恐らく体型だけの意味ではないのだろう。感慨深いといった様子のワインドにぼくも同意する。
「そういやお前さんもとうとう20歳になったんだったな! おめでとう」
わはははと珍しく浮かれたようにぼくの頭をかき混ぜるように撫でてくる。
昨日から皆に祝われて、嬉しくて嬉しくて嬉しくて泣きそうになる。
でも今から仕事なんだから、泣いている暇はない。
長い廊下を歩いた先にようやく目的の部屋へ辿り着いた。
2人で部屋の前にいる兵士に挨拶をする。
「お祝いに今度ごちそうさせてくれよな」
兵士により開かれた扉をくぐる際に、ワインドがぼくの耳元で囁いてきた。
嬉しくてワインドの方を向きぶんぶんと首を縦に振っているぼくに、次の瞬間衝撃が走った。
「お主ぃ~!!! 会いたかったぞぉおおお」
かろうじて両足でふんばれたぼくは、こけずに済んだ。相手がとても軽かったというのもあるけど。
そう、ぼくにタックルをかましてきたのは、輝くエメラルドグリーンの髪を2つに結い、白い肌にくりくりとした大きな目が愛らしい美少女、ウィンちゃんだった。
ちなみに彼女は風という自然の集合体なので、かわいいを作ったタイプの美少女なのだ!
距離感がバグっているので、いつもぼくに抱きついてくる。今も首に両腕を巻きつけ、正面から抱きしめられている状態だ。
「久しぶりの休暇はどうだったかの? お主がいないとわしは退屈じゃったぞ!」
独特な喋り方で聞いてくるウィンちゃんの表情は変わらない。退屈といいつつそこまで本気で思っていないことが伺える。
きっとラップやワインドにもわがままを言いかまってもらっていたのだろう。隣でワインドが苦笑いを浮かべた。
ウィンちゃんは不思議な存在だ。こうやってはしゃいでいる姿は妹みたいにも感じる。しかしぼくが弱っているときは優しく、落ち着くまで静かに抱きしめてくれる。そういう時は母や姉みたいだ。
ウィンちゃんと一緒にいる時間がぼくは大好きだ。
「ところでお主、誕生日ケーキを食べたんじゃろ? 美味しかったか? わしも食べたいのぉ」
やはり少しは寂しかったのか、ウィンちゃんからの質問はとまらない。
しかし次の瞬間、ウィンちゃんは強制的にぼくから引き剥がされた。
風という神と同等のような存在にそのような振る舞いができるのはこの国ではただ1人だけだ。
「仕事の邪魔だ」
落ち着いた声で言い放つ。
その髪は、揺れるたびオーロラのように色が変わり、瞳はエメラルドのごとく輝いている。
そんな神秘的で超絶美形な男がウィンちゃんの首根っこを掴み静かに立っていた。
風の国の王、シルリヤ=ヴァ=ウィンド。ぼくの雇い主であり友人だ。
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