ま じ か わ い い ん で す が
「お姉様、これでまたみんなで暮らせますね」
とても嬉しそうにエラが微笑む。
はああぁぁめっちゃ可愛い。
思わず抱きしめる。
「お、お姉様?」
「ねーさま、ネルも!」
「アンも、アンも」
抱きついてくるネルもアンもやっとふっくらしてきた。無理野宿、駄目野宿。
二人を抱きしめるときゃらきゃらと笑う。やっとここまできた。
「ソフねーさまもー!」
「フーねえもー」
私とエラに満足したのか、ネルとアンは今度はソフィアにくっつく。
「うふふ、いらっしゃ〜い」
ソフィアに抱きしめられると、その柔らかさにネルもアンもとても喜ぶ。わかるよ気持ちいいよね〜。
エラの言うように、ずっとこうしてみんなで暮らせたら。
「お姉様?」
不思議そうにこちらを見てくるエラに微笑み返す。
お義父様の判断には従う。
「うん。借金を踏み倒すつもりはないけれど、少しまけてもらえないかしらね」
本音をおどけてみせると、エラは一拍おいて笑った。
「その時は私からもお父様にお願いします」
「ありがとう。散々辛く当たったエラにそれを頼むのもどうかと思うけれども……」
「いいえ。だって私のお姉様ですもの!」
エラに後光が見えた。
天使だと思ってたけどいずれは神になるのかもしれない。愛が無尽蔵か。畏れ多いわぁ。
そりゃあ、そんな子をいじめたら罰がえげつないのもしかたない。
だがしかし、今後の生活のためにも五体満足でいたい。私の髪がアンのように珍しい色で綺麗だったらちょっとは交渉材料になっただろうになあ。
まあ、できる事しかできないので、一獲千金のあてがないならできる事を増やしていくしかない。前世知識で使えそうなものってなんだろうなあ。専門職じゃないのが悔やまれるけれど、それが私の精一杯だったし。
……エラとユーイン王子を結びつけるきっかけになった編みぐるみで一儲け……いやいや、二人が結婚まで行ったら話題になるだろうけど、そういえば二人の関係って今どうなんだろうか。
……仲のいい友だちにしか見えないんだよなあ……
じっとエラを見つめるとキョトンとする。
「なんでしょう?」
「うん、エラとユーイン様との仲はどんな感じなのかと思って」
すると、瞬間湯沸かし器もびっくりのスピードでエラが真っ赤になった。
「え……もしやお付き合い「いいいいいえ! か、完全な……かたおもいです……」」
『完全な片想い』がギリギリ聞き取れる程度の小声に。
両手の指を落ち着きなく組み直し、目線は床に固定、ほっぺも耳も真っ赤にしながらもじもじするエラ。
ま じ か わ い い ん で す が。
女優か!
それとも私の目が節穴なのか!?
「ソフィアちょっといい?」
「はい。どうしました?」
一人もだもだしているエラからどうにか視線を外し、こっそりソフィアを呼ぶ。そして不思議そうに寄って来たソフィアに耳うち。
「ね、エラとユーイン様ってどうなってるの?」
ソフィアの目がキラリと光り、こそりと教えてくれた。
「護衛さん方に確認済みですが、帰りの馬車の中では隣り合って座っているそうです。前回の時はとうとう手を繋いだとか」
やだ!青春!きゃあ!
「ということは、両想い……?」
「という事からお姉様の質問には応と言わせていただきますわ」
「素敵だわソフィア」
ああ、いつの時代も恋バナは鼻息が荒くなっても小声が保たれるのね。
「ただし。これでもしエラが遊ばれているならば社会的抹殺を考えています」
「思考の急展開におねーちゃんついて行けない待って。でもその時は一緒にヤる」
エラの想いをきっちり見届けたい、近くで応援したい。
よし!頑張るぞ!




