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11 挨拶まわり



 その日の夜。

 フェリクスをベッドに入れて、私は物置部屋で就寝した。


 大事な道具を沢山置いている関係上、そこだけは昔から立ち入りを禁止していたので、今後、私のプライベートルームとするにはちょうどいいだろう。

 それに、三年前の出来事から学習し、チマチマと布団一式を手作りしておいたため、ベッドを譲ったからと睡眠の質が落ちるわけでもない。

 敢えて小動物の毛皮ばかりを集めて加工した敷布団と、配下である鳥モンスターの羽毛を集めて加工した掛け布団という、中々贅沢かつ快適な一品である。

 まぁ、夏は暑くて、とてもじゃないが寝てられない欠陥品でもあるんだが。


 これを見せれば、最初はベッドの使用を渋っていた美青年も納得し、大人しく寝室に入っていった。


 数分後、醜女イヤーに届いてしまった、残り香がどうこうとハァハァしている少々忍びない声については、鳥肌を立てつつも聞こえないフリでやり過ごす。

 ちょっと早めだなとか三回戦はやりすぎではとか、私はなーんにも考えてません、知りません。

 全然なんのことだか分からないけど、終わった後に、すまないすまないって謝るの止めてくれないかな。

 別に、それで汚されただの気持ち悪いだの騒ぐような潔癖さは持ち合わてないから。

 むしろ、好いた女と同居始めた十七の健康な男子が、一切無反応でいる方が心配するわ。


 ところで、唐突に脈絡のない話するけど、部屋とベッドは無事だよね?

 深い意味はない。

 なぜだか急にふと気になっちゃっただけで、この質問に深い意味などない。

 うん。私はキミの良識を信じるぞ、フェリクス。




 早朝。

 太陽が顔を出すと同時に起き出して、本日予定している行動の準備のために、斧と籠を取り森へと駆け出す。

 美青年が目を覚ます前には戻ってくるつもりだが、仮に私がいないことに気付いたメンヘラガイが、万が一にも変な勘違いなどしないよう、サクっと作った木のプレートに外出と必ず戻る旨を刻んでテーブルに置いておいた。


 まぁ、結局、溜まった疲れがあったのか、用事が済んで帰宅しても彼はまだ眠っており、そうした用心も杞憂に終わったわけだが。

 とはいえ、後々まで繰り返し使えそうな伝言内容だし、プレートを作成したこと自体は無駄にならないだろう。


 ちなみに、こんな早くから一人で何をしていたのかというと……モンスターたちにエサを配っていた。

 さすがに単独で済ますには数が多いので、一部の配下に報酬付きで手伝って貰ったりもしたが。

 今日は、縄張りを巡って彼らにフェリクスを紹介していく予定なので、狩りに出ず住処に残っていてもらうために必要だったのだ。

 せめて長だけでも居てくれれば、情報は仲間内で共有してくれるだろう。

 完全に本能のみの動物と違って、モンスターたちの知能は十歳児レベルには高い。

 一応、遠吠え一つで全員集合なんてことも可能だが、それは森の守護に関する案件だけと決めている。

 彼らにも日々の生活というものがあるのだ。

 いくらボスだからと、軽々しく乱していいわけがない。


 朝から動き回って腹が減ったので、畑の水やりよりも先に、ご飯の支度を始めた。

 すると、匂いを嗅ぎつけたのか、のろのろと精彩を欠いた様子のフェリクスが起床してくる。

 直後、私がとっくに行動を開始している姿を見て、彼はどこか焦ったような顔をした。

 寝坊をした気にでもなっているのだろう。

 前世でいえば、おそらくまだ六時台といったところだし、十分に早起きなのだけれどもね。


「リレイジア、すまな……」

「おはよう、フェリクス。

 そんなところで立ち止まってないで、起きたのなら、まずは外の水場で身だしなみを整えてくるといい。

 終わったら、席について待っていなさい。

 もうすぐ朝食が出来上がるところだ」


 開口一番、謝罪を述べようとした美青年に被せて大きめの声で指示を出す。

 朝っぱらから、意味のない不毛なやり取りなんかに時間を取られたくはないのでな。


 すると、それを聞いた彼は僅かに逡巡しながらも、間もなく、素直に小屋から出て行った。

 意外と時間をかけているらしく、先に料理が完成してしまったので、さくっと並べて椅子に待機する。

 直後に響いた扉の開閉音を追って視線を向ければ、さざめく青髪を朝陽に輝かせた、まばゆく凛々しい美男子が颯爽と室内に戻ってきた。


 うーん、無駄に神々しい。

 こうしてると、とてもヤンデレ予備軍には見えないな。


「すまない、待たせたようだ」

「いや、ちょうどのタイミングだったよ」


 定位置に腰を下ろしながら、フェリクスがこちらへ話しかけてくる。


「それと、今朝は何も手伝えずに悪かった」

「アンタの手が必要なら、ちゃんと頼むし、いちいち謝るのは止めなさい。

 ついでに、昔も教えたと思うけど、人に何かしてもらった時に伝えるべき言葉は……」

「ありがとう、だったな」

「そう、そっち。

 ていうか、ご飯前に無粋な会話は止めようや。

 ほら、温かい内に召し上がれ?」

「あぁ、そうだな。いただこう。

 ありがとう、リレイジア」


 そう微笑んだ後、神へ食前の祈りを捧げ始めたフェリクスを尻目に、私はさっさとカトラリーを手に取った。

 そして、空腹を満たすべく、見苦しくない程度に次々と料理を口に運ぶ。

 彼の祈りが終わるまで待ってやるような、良い子ちゃんな気の使い方はしない。

 これはあくまで同居であり、同棲ではないので、基本的に私は私のペースで動こうと決めている。

 半分程こちらの飲み食いが進んだところで、ようやくフェリクスが最初の一口を頬張った。

 貴族らしい優雅さを保ちつつも、彼は結構な早食いだ。

 のんびり摂取しようものなら、家の者に邪魔されたり、片付けられたり、なんて意地悪をされていたのかもしれない。


 浮かんだ同情を脳の隅においやっていると、ふと手を止めたフェリクスが、小さな呟きをテーブルに落とす。


「……こうしていると、本当に夫婦になったようで面映ゆいな」


 また、お前。

 独り言のつもりかもしれないけど、聞こえてんだよ。

 妄想は黙ってしなさい。

 狙ってやってるんなら、とんだ変態趣味だぞ。

 いや、真面目な彼に限って、そんなことは有りえないというか、むしろ、指摘しようものなら真っ赤になって布団の中に逆戻りしかねないから、大人としてスルーしてやりますけどもね?


 一足先に食後の一服と洒落込んでいると、ようやく美貌の青年も食器を空にしたようだったので、自家製ハーブティーをカップに注ぎ渡してやりつつ、今日一日の予定を告げた。


「この後は、まず畑に水やりをして、残りは終日、森の先住民たちへの挨拶回りに向かうつもりでいる。

 動きやすさは勿論だが、一応、戦闘も視野にいれた装備を心がけること」


 私の言葉に、フェリクスは大仰に瞼を瞬かせる。


「……森の、先住民?

 帰らずの森に、リレイジア以外の人間が?」


 誤解させるような話し方をした以上、当然湧く疑問だろう。

 私も大概、往生際が悪いな。

 気は進まないが、長期共同生活を送るならば、真実を隠し続けるわけにもいかない。

 フェリクスも無力な少年ではなくなった以上、罪なき配下が害される可能性もあるのだ。

 バレないようにと気を揉んだ結果、ボス家業に支障が出ても困る。


 これで、人類の裏切り者だとか嫌悪されちゃったら悲しいけど、不幸な事故が起こってからでは遅いしね。

 ああー、でも、マジで冷たいセリフとか視線とか浴びせられたら、しばらく落ち込んでしまうだろうなぁ、私。

 最初から避けられてる相手ならまだしも、ここまで懐いてくれた子に手のひら返しされるのはなぁー。

 はぁ、つら。


「人間じゃあない。

 先住民ってのは、いわゆるモンスターのことだよ。

 実は私、この辺りに住むモンスターたちを掌握していてね」

「……あのアサシンモンキーたちか」


 知っていたのか、雷で……フェリクスっ!?


「えっ、そっ、アンタ、いつソレを……?」

「以前から疑問には思っていたが、確信を持ったのは、昨日、リレイジアが現れた瞬間だ。

 貴女が突飛な理由で一人外出しようとする時、僕が森の深部に足を踏み入れた時、いつも妙な規則性のある猿の鳴き声が聞こえていた。

 昨日、その音を追って発見したアサシンモンキーたちは、とかく人とみれば襲い掛かる習性のあるモンスターにしてはおかしなことに、一定の距離を保ちつつ、僕を観察しているようだった。

 しばらくして、急に彼らの大半が引いたと思えば、間もなく現れたのがリレイジアだ。

 関係性を疑うには十分だろう?

 それに、先ほどの挨拶回りに終日かかるという事実から推測する限り、貴女は彼ら以外にも多種多様なモンスターを従えているはずだ」


 ほほっ……さてはオメェ、天才だな?

 ていうか、やっぱり肉食いたいから狩ってくるってのは突飛な理由と思われてたんだ。

 指摘しろよ、恥ずかしいな。


「あぁ、そうだよ。参ったね。

 全部、アンタの言う通りだ。

 この広い森の全域とまではいかないが、私はそれなりに大きな縄張りを持った、モンスター共の親分さ。

 そして、私は私の群れを守るため、人間をことごとく殺しつくして、ここを誰もが恐れる帰らずの森にしたんだ。

 ……秘密を知った以上、もう五体満足で人里に帰る選択肢はないよ。

 怖いだろう? 素直になってみな、フェリクス」


 ふんぞり返って腕を組み、私は不敵に笑う。

 はい。完全に強がりです、ありがとうございました。

 開き直りとかじゃなくて、ヤケクソだよ、これは。

 太い腕の内側に隠した指の先とかプルプルしてるからね。


「いや、さすがはリレイジアだ」


 は?


「モンスターを従えることに成功した人間の話など、僕は一度たりと耳にした経験がない。

 だが、貴女は、けして少なくない数の彼らを完璧に支配下に置いているのだろう?

 心から尊敬するよ」


 なんじゃそりゃ。

 醜女全肯定Botか、キミは。


「それと、恐怖など感じるはずがない……僕は貴女から与えられるものなら、何だって喜んで受け入れるだろう。

 悪意でも、死でも、何でも。

 もちろん、帰るなんてとんでもないことだ。

 秘密の暴露、大いに結構。

 リレイジアから共に在れる理由を与えられて、僕は今、とても嬉しく思っているよ」


 曲解すんなっ!

 あとそのハイライト消えた目で微笑むのを止めろぉぉい!

 マジ、コイツとしゃべると、毎度ろくなことにならないなっ!?


「ええい。冗談だ、冗談っ。

 別に私ゃあ、アンタがペラペラ人の秘密を吹聴するような軽薄な男だとは思っちゃいない。

 帰りたくなったら、好きに出て行きゃあいい、咎めはしないよ」

「大丈夫だ、そんな日は未来永劫訪れない」


 何も大丈夫じゃないから言ってんのっ!


「あぁ、もう。らちが明かない。

 とにかく、今日はそういう予定だから、準備を整えておきなさい」

「分かった」


 頼むよ、ホント。




 それから約一時間。

 縄張り各所を巡るにあたって、森歩き練度が中級者ぐらいのフェリクスではキツかろうと、足となる配下を呼びつけてみた。

 新しく私のテリトリーとなった隣接地区でボスをしていた、例の巨大な黒狼だ。

 コイツは体の大きさの割に、器用に木々の隙間を駆け抜けるし、川も泳げりゃあ、崖なんかも山羊のように跳ね越える。

 体力もあるし、今日一日乗り回すには、ちょうどいい存在だろう。


 現れて直後、黒狼は見慣れぬ男に不審そうな視線を向けていたが、私が黙って隣に立っていたことで、すぐに興味をなくしたようだった。

 そして、真っ直ぐ私の目前まで歩いて、利口にも自らお座り状態になったと思ったら、飼い慣らされた犬畜生のようにクンクン鳴きながらデカい頭をすり寄せてくる。


 少し見ない間に、どこに野生を捨てて来たんだ、コイツは?


 まぁ、懐いているとなれば可愛いもので、自然と腕が伸びて、眉間や耳元や首筋なんかを撫でていたのだが……それは、すぐに中断される。

 分かりやすく、横やりが入ったわけではない。

 ただただ、巨狼に嫉妬の感情を覚えたらしいフェリクスが、ドス黒く粘ついた殺気を能面のような無表情で垂れ流していただけだ。

 彼本人は何も言わず、必死に耐えている……つもりでいる。


 やがて、己に向けられる尋常でなく濃い殺意に気付いた黒狼が、三歩ほど後退して、地面にペッタリと四肢を伏せた。

 上目遣いで美青年を窺う獣の、その表情には明白な怯えの色が見える。


 オーラひとつでボス級モンスターを怖がらせるなんて、大したヤンデレ予備軍だな、おい。


 まぁ、こうして上下関係が出来たなら、騎乗拒否的な面倒事は起きないだろう。

 ちなみに、私は彼らの先導役をするつもりだ。

 若い男女で密着ドキドキ狼ライドとか、お互いの精神的にもよろしくないでしょ。

 ていうか、私が乗ると、絵面がとてつもなく汚いもの○け姫みたいになるから、断固として拒否。


「じゃあ、出発するぞ。

 最初は、ここから一番近い、マーダーラビットのところからだ」


 不満そうな一人と一匹の視線を背に浴びながら、私は木の枝を掴み、常のように雲梯の要領で高速移動を開始した。

 これで、美少年時代のフェリクスにしていた隠し事が、また一つ解禁された形となる。

 野生すぎる醜女の姿を目の当たりにすれば、少しはドン引きしてくれるんじゃないかなぁ、なんて希望的観測はもちろん容易に砕かれた。

 問えば、もはや彼の定型文となった「さすリレ」から始まる褒め無双に辟易させられてしまう。



 さて、フェリクスを連れた際のモンスターたちの反応として、一番多かったのは無関心だった。

 ふーん、とか、はぁそうですか、で流される感じというか。

 彼がすでにボスの伴侶にでもなっていれば、もう少し興味を持ったのだろうが、単純に新参者が一人増える程度では、いちいち驚きもしないようだ。

 他所から流れてきた動物やモンスターが住み着くなんて、別段、珍しくもないからね。

 それが人間だったからと、改めて騒ぐほどの理由にはならないのだろう。


 中には、いっちょ新人を揉んでやるかとか、ボスと暮らすなんてズルいとか、アホみたいな理由でケンカを吹っ掛けているモンスターもいた。

 私自身、青年になったフェリクスの実力を確かめてみたかったし、森で暮らすにあたり彼らに強さを示すのも必要なことだと思ったので、特に止めはしなかった。

 ま、本人も、これでリレイジアと関係が進んだ時に認められやすくなるかもとか、私に雄としての自分をアピールしたいとか言って、やる気満々だったしね。

 ちなみに、この時の私は、ただ遠い目をして流れに身を任せていたよ。


 樹上から物理的な高みの見物を決めた限り、美青年は基本、十手にも似た大小二股の刃のついたマンゴーシュで攻撃を受け流しつつ、カウンターぎみに長剣で攻撃していくスタイルらしい。

 意外と足癖が悪かったり、泥臭い戦法も厭わず使っていたり、貴族らしい坊ちゃん剣術でも出るかと予想していたものが、良い方向に裏切られてしまった。

 いったい、誰にどんな風に師事してたんだか。

 相手は、バインドゴリラだの腐り蛇だの妃喰鳥(ヒクイドリ)だのと、かなり上位かつ曲者モンスターばかりだったけれど、なんだかんだフェリクスの勝率は高かった。

 たった三年前、たかが人間のオッサンから殺されそうになっていた美少年と同一人物だとは、想像もつかない成長ぶりだ。


 ただまぁ、驚きつつ感心する私に、彼が愛の力だなどと真顔で宣言してきた時には、よほど張り倒してやろうかと思ったね。


 そういえば、普段、最も重用している猿共だが……アイツら、フェリクスが私に求愛していることを察したらしく、今のうちにボスのツガイ候補に媚びておこうと、他の配下にはない露骨な歓迎ぶりを見せていた。

 下げ渡した人間の道具を巧みに利用している、妙な小賢しさを持った種族なだけはある。

 少なくとも、私が美青年を見捨てない内は、下にも置かないゴマすり態度が崩されることはないだろう。



 ガッツリ夜行性のモンスターもいる関係上、小屋に帰還できたのは完全に月が出てからになった。


 そこそこ広大な縄張りに暮らす配下全種族を、たった一日で訪ねてまわるという無茶振りをしてしまったが、彼の天才的頭脳なら、きっと誰のことも忘れずに覚えていてくれると信じている。

 なんつって。

 ま、基本的にモンスターには手を出さず、狩りは動物に限定して貰えば、不幸な間違いも起こらないはずだ。


 体力的には問題ないが、精神的にすごく疲れた一日だった。

 私と違い心身ともに疲労困憊のフェリクスは、リレイジアの前だからと意地で身体を拭き清め着替えを済ませた後、気絶するようにベッドに倒れ込み爆睡している。

 彼がそういった状態なので、こちらは逆に心のリフレッシュを求めて風呂を沸かし、じっくりと時間をかけて湯を堪能した。

 異性がウロついてる環境じゃ、おちおち全裸さらしてられないからね。

 いや、気分的に落ち着かないってだけで、あの真面目な美男子が覗き行為をするなんて疑ってるワケじゃあないよ。

 それでもホラ、うっかりラッキースケベ的なアレコレが起こらないとも限らないから、うん。

 彼以外の人間が相手なら、スケベというよりホラーになりかねない奇形女子だけどさ。


 これで一番の大仕事は終わったから、以降は比較的平和に過ごせるかな。

 少年時代に教えたことを、本当に色々習得してるなら、今後は暇な時間も増えるかもしれない。

 ボーっとするのも嫌いじゃないけど、この機に新しい趣味とか探してみるのもいいかなぁ。

 ただし、それが習慣付いちゃうと、改めてフェリクスがいなくなった時に困りそうで……少し悩ましい。

 人間、一度でも楽することを覚えちゃうと、元の水準に戻すのって案外大変なんだよね。


 あー、他人と暮らすってマジ面倒臭い。

 考えること一気に増えすぎ。


 はぁ。

 もう、いいや。

 難しい話は全部、未来の私に任せよう。

 明日は明日の風が吹くー、ってな。



 そんじゃあ、お休みなさい。




おまけ


バインドゴリラ

丈夫な木のツルを所持し、鞭のように攻撃や拘束、時に移動手段として使ってくる。

対人間であれば、左手に持つツルの鞭で絶え間ない攻撃を繰り出しつつ、隙を見て右手の鞭で武器や盾を奪ったり腕ごと縛り付けて無効化してから、最後は攻撃に使っていた左の鞭で身体を拘束し、動けなくなったトコロで一気に接近、拳でボコボコに殴り殺す、というのが常套手段。

また、自身が拘束されることも好きで、縛りの上手い雄ほど雌にモテモテ。


腐り蛇

擬態の得意な双頭の蛇。全長の平均は1.5Mほど。

左の頭に噛まれれば、神経を麻痺させる猛毒を注入され、あっという間に動けなくなる。

右の頭に噛まれれば、肉を溶かす猛毒を注入され、血管を伝って身体の内側から破壊される。

主に湿気の多い場所や沼地に好んで生息しており、体表には独特のぬめりがある。

寒くなると土に潜り、暖かくなるまで冬眠する。


妃喰鳥(ヒクイドリ)

過去には人喰鳥と呼ばれていたが、友好国へ表敬訪問に向かっていた大国のお妃様が、休憩に馬車から降りた際、人喰鳥に一瞬で丸飲みにされてしまったことから、以後、妃喰鳥と呼ばれるようになる。

伝承からも分かる通り、非常に巨大な鳥。

群れを作らず、繁殖期には雄が雌を求めて各地を飛び回るので、人間含む中型サイズ以下の生物はこの時期あまり外を出歩けず、非常に迷惑している。



(そして、そんなヤバいモンスターたちがゴロゴロいる森で、ボスとして君臨する醜女)



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