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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

殿下の愛人シリーズ

殿下の愛人は男性新人騎士

作者: Mykey

前作「殿下の愛人は男性宰相候補」もよろしくお願いします。



「マルクス今日もアレの準備をしておけ」

「人数はいかがなさいますか?」

「5人だ?いけるか?」

「おまかせください」





 私はウェルトン公爵令嬢ユリアーナと申します。

 最近、帝国と国境で小競り合いが起きているらしく王城には暗い雰囲気が漂っています。

 私の婚約者であるレオ様の初陣もあるようで気の休まらない日々を送っております。


 そんな慌ただしくも冷たい空気の廊下を歩いていると、先程のレオ様とマルクス様の会話を聞いてしまったのです。


 5人?複数?まさか!


 初陣が近い事もあって気持ちが昂っているのでしょうか?私とはここ数日会えていないというのに!これは確かめなければなりません!!






「え?マルクス様に頼みごとをされなかったですか?」


「それなら私受けたわよ?新人騎士への伝言を届けに行くやつよね?」


「最近毎日よね!まぁ、訓練終わり次第地下倉庫に来いって命令を伝えるだけなんだけどね」





 地下倉庫!!!あそこは戦争開始前に改修された場所!盲点でしたわ!きっと倉庫に秘密の部屋なんか作ったのですわ!ずるい!




 おっと話がそれてしまいましたが、今私は地下倉庫内の隅に隠れてレオ様達を待ち伏せしています。


 あっ!来ましたね!レオ様とマルクス様です。その後ろには若い騎士が5人ほど、彼らが新人騎士なのでしょう。



 マルクス様は大きな樽を退けました。そこにはさらに下に続く階段が!?

 彼らは並んで降りて行きました。


 しばらく様子を伺っていると、パシンと鞭を打つ音と若い男の呻き声が聞こえてきました!

 まさか!まさかレオ様!


 私は地下へ転がり込みました。


「レオ様!!」

「ユ…ユリアーナ!?何故ここに?」

「そんな事はどうでもいいのですわ!いくら初陣が近くて気持ちが昂っているとはいえ、新人騎士になんてことを!当たり散らしてもなんの解決になりませんわ!いつもいつも!なぜ相談していただけないのですか!私はそんなに力ぶそく………?」



「ククククッ」

 マルクス様が肩を揺らしながら笑いを堪えています。いや耐えれてませんが。


 新人騎士の数人も肩を揺らしています。



 あれ?まさかまた?



「殿下、発言の許可を!」

「許可する。ユリアーナに説明してやれ」

「ハッ!」



 後ろに手を縛られた上半身裸の若い騎士はそのままの体勢で説明を始めた。



「帝国と国境で戦いが起きているのはご存知ですよね?その時、騎士として終わる事が出来れば良いのですが、捕虜になる可能性もあるわけです。これは殿下の昂った物の発散ではなく、捕虜になり自害できない場合、拷問の痛みに耐える訓練なのです!」



 後ろに手を縛られた上半身裸の若い騎士はそのままの体勢で真面目な顔で答えた。



「また…また私の勘違いでしたのね……レオ様は冷静でしたのに、私には何も出来ないのが悔しい……」

「ユリアーナ、何も出来ない事はないよ?

「……え?」

「これを」


 レオ様は私に鞭を手渡しました。意味がわからず首を傾げていると。


「これで僕を守る新人達を訓練する手伝いをしてくれないか?前線に出るだけが貢献とは違うよユリアーナ」



 新人の為、新人の為、そしてそれがレオ様の命を守る。


 すっと1番奥に居た騎士の方へ歩みより。


 パシンッ!と鞭を振り下ろした。

 騎士が呻き声を上げていますがこれは訓練です。




 なんども繰り返していると楽しくなってきました。

 後にマルクス様に笑いながら鞭を打っていて怖かったと言われました。



 そしてとうとう、新人騎士が叫び声を上げました。


「わかった!わかったから!帝国の情報を吐くからやめてくれ!国境の待ち伏せしてる場所も全部知ってるから!なんで俺が帝国の諜報員だとわかったんだよ!完璧に紛れ込んだはずなのに!くそおお」



 私は周りを見回しましたが、レオ様もマルクス様も間抜けな顔をしています。

 他の新人騎士は驚きの表情で帝国の諜報員を凝視しています。



「マルクス!他4人が諜報員の可能性は?」

「家自体が裏切っていればわかりませんが、個人を見る限りでは可能性はほぼありません。」

「なら4人の拘束を取ってやれ!では諸君!本日の訓練は捕虜から情報を吐かせる訓練に内容を変更する。君たちは幸運だ、本物の敵国の兵だ!手を抜かずにやりたまえ」

「ハッ!」


 マルクス様と新人騎士4人は帝国諜報員を奥に引きずって行きました。



 レオ様が私の方に笑顔で近寄ってきて、抱きしめられました。


「ユリアーナお手柄だ!奴から情報を聞き出せれば国境の小競り合いも、もしかしたら裏切っている貴族連中も炙り出せるかもしれない!最高だ!愛しているぞユリアーナ!」

「あ……あい……して………」


 いきなりの発言とあまりの熱気に私は耐えられず意識を飛ばしてしまいました。

 起きた時には自分の部屋のベッドでした。もしかして夢を見ていたのかもと思ってしまいましたが、そんな都合の良い事なんてありませよね。






 その後レオ様の初陣は、帝国の策略を全て見透かしたかのように圧勝し無事、城に帰還しました。












「まだまだ情報持っているんだろ!?全てだ!知っている事全てを吐け!ギルバート!記録をとれ!一字一句もらすな!」

「全部話します!話しますからやめないでください!お願いします!話しますから!」


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