第2話 私の生きる世界②
「オルヴィニス、お父様がお呼びよ?」
「姉様……僕、ほんとに行かなきゃダメですか?」
「……大事なことなのよ。だから、ね?」
それでも納得のいかないような表情を浮かべるオルヴィニス。こんなに行きたがらないなんて、いったい何かって?それは……
「オルヴィニス様、お相手の方が到着されました。」
「えっ、もう!?」
「ほら、オルヴィニス、行ってらっしゃい。」
「そんな……姉様……!!」
そう、お見合いです。まだ10歳にもいかない子どものうちからお見合いをさせられるなんて……ほんとなんて世界なんだ。
「リノア様も。今は旦那様が断ってるからいいものの、もうすぐリノア様もお見合いをするようになるのですよ?」
「うっ……」
そう、私ももうすぐお見合いをしなきゃいけなくなる。やだな……こんな世界で叶うわけはないけど、やっぱり恋愛をして、そして結婚とかしたいな……
「でもクルシュ、私は別にお見合いしなくても……」
「何をおっしゃっているんですか!?お見合いをして、よい方と巡りあえれば、リノア様の人生はきっと不自由なく、素晴らしいモノになるはずです。」
人生って……
「それに……私は、リノア様には幸せになってほしいのです。まだ、リノア様が幼い頃からお仕えさせていただいてきて……このクルシュは誰よりもリノア様の幸せを願っている自信がございます。」
「ええ、分かってるわ。クルシュが私のこと思ってくれてることは。」
私のお世話係としてずっと側にいてくれたクルシュ。メイド長となってからも、私のことを1番に考えてくれていることは私も身をもって感じてるし、そんな彼女の願いは叶えたいとも思ってる。でもなあ……