彼女は私にとって
趣味として書きました。
誤字脱字がもしかしたらあるかも知れません。その時は申し訳ないです。3時間程で書きました。ご参考に。
ー私ー
まるで雲の上にいるよう。心が高ぶって口から全てが出てきそうなほど気持ちが良かった。服が汚れていても、粘っこい汗が身体を纏っていても、そんなのどうでも良い。今の、この、気持ちを、空気を、永遠に感じていたかった。
中学生活2年目。徐々に新学期、新クラスに慣れてき、休み時間は活気に溢れていた。私はどちらかと言えば、明るく目立っていた人物だと思う。毎日勉強なんかほったかしに授業をサボり、毎晩遊びほうけていた。目的なんてそんなものはなかった。ただ一つ言うとすれば、現実から逃げたかった。勉強なんて元々全然できなくて、周りの人達はもう私に呆れたように、褒めもせず怒りもしなかった。だから、もう、頑張ることもなくなった。家に帰っても、暗闇が出迎えるだけ。鉄臭く、薄い香水が漂うただの空間なだけ。それに苦痛、頭痛をおぼえながら毎晩私は赤子のように丸まり、眠っていた。
だけどそんな毎日にやっと終わりが来た。
ー彼女ー
私たちの土地、日本は梅雨に入り心做しか憂鬱な日だった。今日はどんな言い訳をして学校をサボろうかと考えていた時だった。彼女は、アホみたいでまさに社会の底辺を歩いてそうな先生と共にこの、教室に、足を踏み入れてきた。まるで梅雨を終わらすような太陽のようだった。私は動けなかった。瞬きさえも勿体なく思えた。そして私はこう確信した。これでつまらない人生がやっと終わると。
「はじめまして」
私たちの関係はそんなつまらない一言で始まった。
「どこの中学からきたの?」
その質問に彼女は慣れた手つきで髪をたばねながら答えた。
「過去なんてどうでもいいじゃない。私はもうここの学校の、1人の生徒よ。」
あぁ、やっぱりこうじゃないと。私は思わず笑みがこぼれ、それを抑えるように、
「そうね、分かったわ。じゃあこの学校の1生徒同士友達になりましょうよ。」そういいながら手を引いて小さい社会から飛び出した。それからのことは何も考えてなかった。ただ2人で歩いた。たんたんと沈黙で歩くこともあったし、今時の学生の服を着ているかのように、和気あいあいと歩くこともあった。彼女はにっこりと目を細くしてわらい、まるで花のようだった。それを見る度に心がだんだんともっともっと最初より強く惹かれていった。途中、地元の銭湯でお湯に浸かった。彼女の身体には、深く、ところどころ抉れている傷が付いていた。それに私の目が奪われているのに気づくと、ほそぼそと話し始めた。
「私、昔からこんな外見だからいじめられることが多くて…。この傷もそのいじめられていた時に出来た傷なの。」
そう言いながらその傷の上に私の手を当てていった。その時は言えなかったが、血が少しでており、とても本当に美しい身体だなと思った。銭湯で話したのはそれだけだった。
日付が変わろうとしている頃、彼女が口を開いた。
「LINE、交換しようよ。」
それから、私たちはそれぞれの居るべき場所に還っていった。
朝、不自然な音が部屋に響き渡る。
気怠い気持ちをなんとかするよう、私はその音の出場所に触れた。
▶おはよう。よく眠れた?
彼女からだ。
▷おはよう。いいや、全然。
そんな返信を送り、眩しい太陽を眺めた。
▶私も。だーーるーーいーー。
ふふっ、思わず声が漏れ、
可愛いな、と思った。
▷私は今日、もう学校サボるよ。
いつまで経っても返信はこなかった。
私は瞼をまた下ろした。
ふと、目をあけるとそこは赤かった。花のようで透き通った赤とどす黒い赤とが交わっている。つい手を伸ばしてしまった。それは手に吸い付き、生暖かい感触が脳へと届いていったのを感じた。その途端、罪悪感という今の気分を損なう感情をおぼえた。頬を液体が流れているのを感じながら、私の目の前はまた暗くなった。
耳に響く音が聞こえ、目をあける。いつもの光景が広がってあった。だけどただ一つ違うことがあり、インターホンが唯一光を放っていた。その小さな窓を除いて見ると、彼女が右往左往している所が見えた。こんな姿を見せるのもあれなので、女子という服を着て私は彼女の元へと向かった。
「LINEで話せるから、家なんてわざわざ来なくていいよ。」
面倒くさそうに私は言った。
「いや、会いたかったから」
彼女はそのようなことを言った。一瞬何を言っているんだと思った。そして私は、彼女の様子が最初と違うことにようやく気づいた。馴れ馴れしくなくっている。友達、という関係になったのだからそのような態度は当たり前なのだが私はその態度に嫌悪感を抱いた。
「ん、そう。会えたしもういい?
時間も遅いし、早く帰った方がいいよ。」
そんな適当でそこら辺にあるような言葉を放った。彼女は少し物足りなそうな雰囲気だったが、無言で暗闇へと戻っていった。私はその後ろ姿にため息をつきながら、ある決心をした。
ー私と彼女ー
次の日、LINEで学校をサボろうと誘い2人で人気のない公園でくだらない話ばかりをしていた。彼女はよく地面を見る。そのことを不思議に思い、きくと、「私、空よりも地面が好きだから」と言う。その事に上手く納得がいかないまま私はその場を流したが、そのことを忘れている訳では無い。
「地面ってさ、綺麗だよね。ほらみてそこ。」
そんな適当なことを言って私は、彼女に下を向かした。その後、本当に地面は綺麗になった。
ひとつひとつ、丁寧に作業をしていく、好きな歌を歌いながら。その声はいつもより明るく、夢が、願いが叶ったような声だった。
どうでしたか?素直な感想等を書いてくれると嬉しいです。わざわざ読んで下さりありがとうございました。