転生の理由
カケルとカレンはついていきなりメイドに部屋に連れていかれ、身なりを整えられた。前の世界も含めて今までこんな豪華な服を着たことがないカケルはオロオロと戸惑いを隠せなかった。そして馬子にも衣装と言うべきだろう。
ドレスを着たカレンは、モンスター娘好きのカケルから見てもとても美しいものだった。
そしてそのままフレイとともに王のまつ場所まで向かう
「フレイのお父さんってどんなひと?」
カレンがフレイに尋ねる。
実は馬車の中で
「フレイ様、先ほどまで失礼な態度を取ってしまい申し訳ございませんでした。」
とカケルは誤ったのだが「タメ口でいい」といわれ、いまではこんな感じで話している。
(カレン、こいつなんて自然に・・・・肝が座っているな)
カレンのフレイにたいする態度にカケルは素直に感心する。
「私のことになると少々うるさいのだが、いい王だと思う。私が最も尊敬しているひとだからな」
誇らしげに話すフレイ
(どうやら国王としてしっかりしているようだ)
「ついたぞ、私に見習え」
フレイが国王の前に跪き、それに習い二人も跪いた。
「表を上げよ、よく戻って着たな、フレイ」
「はい」
カケルは国王を見て少し気持ちが高まる。
(ザ国王って感じだな。ファンタジーの世界に来たみたいだ・・・・いや実際ファンタジーか)
「フレイ、我が愛しい娘よ、お父さんと呼びなさい、・・・・ほんとはパパがいいのだが・・・」
(・・・・)
「いえ、私も国王の騎士の一人、お父さんなんて呼べません」
フレイの言葉に心底ガッカリする国王、なんとも威厳がない。だがすぐその印象は変えられることになる。
「カケルくんだったね、今から君と二人で話したい、いいかね?」
キリッとした顔で言う国王、普通なら護衛をつけるだろうがだれも止めようとしない。どうやら国王のことを心から信頼しているらしい。
「はい、わかりました」
カケルもそれに応じる。
「ではこちらの部屋に参ろう。」
こうしてカケルと国王は隣の部屋で2人、話すことになった。
(まさかいきなり国王と二人きりになるとは、緊張するな)
「まあ、まずは座ってくれたまえ」
にこやかな笑顔で言う国王、カケルは失礼がないよう恐る恐る座った。
(貫禄があるな・・・)
カケルは無意識か背筋がとてもピンッとしている。
「フレイに話を聞いてわかったのだが、君は・・・・転生者では・・ないかね?」
カケルはその言葉に目を見開く。表情で察したのか国王はつづけてこう質問した。
「この世界には魔王がいるのは知っているね?」
カケルはコクリと頷く。
「我々人類と魔王の力は均衡に保っているのだが、魔王側の力が強くなると別の世界から勇者が転生し、人類を救うと言われている」
「でもどうして私だと?」
カケルは考えていた。これだけでは私が転生者だとわからないではないかと。
「いつも何か予兆があるんだ・・・・今回の場合は空が光ったのがそうだ。いつもなら道端で変な服の男が倒れていてずっと眠ったままだったり、起きたとしても様子が変だったりと情報が手に入ってすぐ見つかるのらしいのだが君はどうやってこの半年すごしてきたんだい?」
「それは・・・」
カケルは国王にこれまでの経緯を余すことなく話したのだった。
ーーーーー
「はっはっはっは、なるほど、この世界に元からいたひとになっていたとはな、探しても見つからないわけだ」
どうやら苦労していたらしい。カケルは申し訳なさそうな顔を国王に向ける。
「このことを両親とさっきの女の子は知っているのか?」
「いえ、まだ言っていません」
「言っておくがカケル、君は勇者だ。これから魔王を倒す旅にでなくてはならないのだよ?そして我々は君を元の世界に戻す方法を知らない」
(そうか!・・・別に戻りたいと思わないんだが・・・・・でも・・・あれ?勇者ってことは俺モンスター娘も倒さなきゃいけないってこと?)
普通ならカレンや両親にどう言うか悩むところだがカケルは違った。どうやら半年間モンスター娘禁していたため、頭がそこそこ正常に戻っていたようだ。カケルは今ようやく本来の目的を思い出す。
「カレンには後で自分のことを話します。そして親にも伝えてもらいます。で魔王についてなのですが・・・」
「ず、ずいぶん家族についてあっさりしているね君は・・・・えっーとなんだい?」
本来の調子を取り戻しつつあるカケルに国王は少し驚いているようだ。
「魔王を倒せばいいのですね?」
「え?ああ、そうだな」
当たり前だろうとキョトンとした顔で国王が答える。
「では罪のないモンスターは倒さなくていいということになりますよね?」
「罪のないモンスターなんていないと思うのだが・・・・魔王が倒れればモンスターも落ち着くだろうし・・・・まあ、そういうことになるな」
少し質問に疑問を持ちながらも国王は答える。
「わかりました!すぐ行きます!」
「え?決断が早いのはいいのだが大丈b「いけます」
「じゃあ今日一日はやすn「結構です」
わざわざ気を使ってくれる国王に即答するカケル。この時のカケルの頭の中はあのことでいっぱいだったのはいうまでもない。そしてこれからカケルが、どんどん変わっていくことを周りのものはまだ知らないのだった。
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