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ジュパーン高原1

()はカケルの頭で思っていることです。

久々に書きました。



ーーーーーーーーーー


「先程エリシュアからこちらに向かってくるゴブリンの大群を発見、その数1万!中にはキングもいるそうです。おそらく30分後にはこの町にたどり着くと思われます!」


サガの衛兵が冒険者を集めてこう言った。この言葉に冒険者たちがざわざわしている。どうやら驚いているようだ。実際カケルも1まんという膨大なモンスターの数に驚いた。


(今ここにいる冒険者は500人くらいだ。この人数差をどうすれば・・・・・)




だが冒険者の驚きは別のところにあるようだ。

「キングだと?」「あいつは森の奥深くにいるはずだろ?なぜこの町に?」「俺は降りる」


冒険者の間で言葉が飛び交う。

どうやらゴブリンとゴブリンキングでは強さの格が違うらしい。普通のゴブリンなら一人で何体も狩ることは容易い。だがゴブリンキングはゴブリンの上位種で、滅多に姿を現さず、中には強力な魔法を使える奴もいるということだそうだ。これに対し皆急に乗り気ではなくなっていったがこれを見越していたかのように衛兵が続けていった。


「冒険者の皆さんには王都の救援が駆けつけるまでゴブリンたちを町の前にある高原にて迎え撃ち、時間稼ぎをして欲しいのです。報酬はサガと王都からゴブリン1体につき銀貨一枚、キングは金貨3枚を差し上げます。」

消沈していた冒険者の声が上がる。どうやらゴブリンの討伐報酬しては破格の相場のようだ。


「俺はやるぞ」「今夜は飲み明かすぜ!」


冒険者たちはさっきまでの空気が嘘だったかのようにと騒いでいる。


(いやこれは・・・・・)


「これは博打だな」


スルドが呟いた。そしてバンクも続けてこういった。


「間違いなくおかしい・・・多分王都の救援がギリギリなのだろう」


(これは冒険者に向けたエサということか・・・・・他にも気づいているやつがいるな)


よく見るとちらほらと険しい顔をする奴がいた。だが帰ろうとするやつは1人もいなかった。

それほどまでに今回の報酬は魅力的なのだろう。

こうしてカケルは一つの不安を残し、冒険者たちとともに『ジュパーン高原』にてゴブリンを待ち構えるのだった。



ーーーーー


『ジュパーン高原』は『サガ』と『エリシュア大森林』の間に挟まれるように位置している。いつもは何もない高原、それが今ゴソゴソと動くゴブリンたちの群れで埋め尽くされていた。みたところ統率は取れていないようだが、やはり数が多い。


「カケルお前はまず魔力を最大まで高めておけ!手筈通り合図を送るからあいつらと一緒にぶちかませ!」


「期待している」


スルドとバンクはカケルに一言告げると最前列の方へ向かって行った。カケルはそれを見送った後、魔法使いたちが集まっている後方へ向かった。実はジュパーン高原に行く途中で冒険者たちは急だったが一つの作戦を用意していた。まず弓使いが先制攻撃として弓を話を放ち、そこから近接戦闘、その間に10人一組でグループを作っている魔法使いが魔力を高め、ゴブリンキングを一体ずつ攻撃するというものだった。


カケルも魔法が使えるのと比較的安全ということからこのグループの一つに入った。この作戦を聞いた後、さきほど俺のそばを離れるなよ的なことをかっこよく言っていた男は恥ずかしさでなんとも言えない顔をしていたのは内緒である。


「私はアミルよ。よくきたわね、よろしくね少年」


カケルはグループの一人に声をかけられた。いかにも魔女というような格好をしている女の人だ。


「カケルです。お願いします。」


カケルはそういうと握手を交わす。他にも一通りグループのメンバーとは挨拶を交わしたがどうやら何人かはあまりカケルをよく思っていないようだ。


(まあ俺だけしだな、場違い感がすごいのは)


カケルの周りには頑丈そうな鎧や美しい文字が刻まれたローブなどさまざまな装備をしている人しかいなかった。そんな中にいかにも村人の格好をしているカケルはどうしても浮いてしまう。


(しばらく一人でいるか・・・・)


カケルは隅によって一人魔法について考えてみることにした。


(俺が使えるのは基本的な魔法ばかりだし、何を使おうか・・・・動きを止められそうだしフリーズとかいいんじゃないか・・・)


そんなこんなを考えていると意外と時間が経っていたらしい。

向こうから魔法準備しとけよという声が聞こえた。カケルはグループの中に戻る。


「きたか・・・・」


ぞろぞろとゴブリンがこちらに向かってくる。足踏みで地面が揺れ、緊張感が伝わってくる。さっきよりもゴブリンが鮮明に見える。それに特徴があり、ゴブリンたちも生きているということが実感できる。


(今から俺はこいつらを殺す、殺さなきゃならない)


カケルは拳を強く握り、目の前の敵に意識を集中するのだった。


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またどんどん書いていこうと思います。

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