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襲撃

町に入った途端カケルは目を見開いた。


「これはすごいな」


カケルの住む村「カロス」の隣にある村、「サガ」は近くに王都があり、大森林である「エリシュア」に面している。そのおかげで種類豊富な果物や王都から流れてくる商品などを求めて年中人で溢れていた。なぜこんなに自分の村と違いがあるのかと驚くほどに。


この町の利点として一番はやはり魔王の城から遠く離れているというところにある。魔王城は王都の真逆に位置し、間にある海や山を越えなければならない。魔王城が遠いこともあってかここは比較的弱いモンスターが多く、もし強いモンスターが来ても王都からくる剣士や冒険者によって退治されるのだ。この世界で最も必要なことは「安全」である。それを考えると王都の次に安全なここは最適な町であると言えた。


「じゃあな、お2人さん」「気をつけろよ」


「ありがとうね、おじさんたち」「ありがとうございました」

おじさん冒険者2人と軽く別れの挨拶を済ませ、カケルとカレンはまず、市場の方を回ることにした。



ーーーーーーーーーー


市場はとても賑わい、そこらかしこに見たことのない野菜や果実が並んでいる。そして屋台からは肉の焼ける匂いや、甘い香りがする。カケルはゴクリと唾を飲み込むが、カレンは今にも口からよだれが落ちそうだった。仕方ないとカケルは


「かるくなんかく「食べる!」


カレンは言い切る前に屋台に買いに行った。どうやら相当お腹が空いていたようだ。カレンは店全てを制覇しそうな勢いで買っていく。


「程々にしろよ」


カケルはそうつぶやき、近くのベンチに座った。カレンを待つ間、いい匂いが空腹を刺激する。我慢できずカケルもなにか買ってみることにした。

あたりを見渡して一番興味のあるものを買ってみることにした。

「これうまそうだな、おばさん1つ」


銅貨を1枚出すと「はいよ」と言って渡された。

それは飴で作られた蝶の形をした食べ物だった。早速食べようと口を開けると食べてようと口を開けるとなんと蝶の形をした飴がひらひらを羽根を動かし、口の中に勝手に入ってきた。カケルは驚きながら口を手で押さえる。甘い。

口の中のものを飲み込んだあとおばさんを見た。

すると何かやら作る途中になにやら呪文を唱えている。

周りをよく見て見ると物が浮いていたり、軽々と重い荷物を運んでいたりと魔法が多く使われていた。


「意外と魔法を使う人がいるんですね」


カケルは屋台のおばさんの話しかけた。


「モンスターを倒すほどの強力な魔法は使えないけどね」


おばさんは笑いながら答えてくれた。カケルは礼を言うとまたベンチに座り、カレンを待った。カケルはゆっくりと空を見上げる。

実は今までカケルは魔法を使うのをためらっていた。というの元々は自分の体ではないため、何か起こるのかもしれないと拒んでいたからだ。だがカケルはこの言葉を聞いて体が少し軽くなったように感じる。


(今度使ってみるか・・・・・)


「おい!行くぞカレン」


このままでは屋台全てを制覇してしまいそうなカレンに一言言うと歩き出した。カレンは残りの串を頬張るとまだ食べたそうな顔をしてカケルの後を追いかけ、市場を出るのだった。



次にカケルとカレンの向かった先は大きな図書館であった。


「ここがサガの大図書館か」「おっきいわねー」


目の前に大きくそびえ立つ建物、例えるなら国会議事堂のような感じである。目の前には賢者と思わしき像が立っていた。


中に入るとさすがと言うべきかズラァーーーーーと本が本棚に並べられていた。カケルは図書館の大きさとその本の量に苦労しながらもその中からお目当ての本を探す。半年も待ったのだ。カケルにとって探すことは楽しくすらあった。


「魔法...............転生..............あった!」


カケルはようやく目当ての本を見つけ、取ろうと手を伸ばした。しかしスッと横から手が伸び、そのまま本を取られてしまった。


「ごめんなさい、お先に」


さっと横から目当ての本をかっさらっていったその子はそう言うとそのまま去っていた。顔は帽子とマスクでわからなかったがどうやら女の子らしい。

カケルは引き止める間も無く去って行った女の子を見て、ハァーとため息をついた。


「今度にするか。」


そして別の興味のある魔法書を見つけ、椅子に座りゆっくりと読む。カレンは最初はテンションが上がって色々んところをぐるぐる回っていたが、今は飽きたのかカケルの横で少しぼーっとした後そのまま眠ってしまった。

そうして二人はそのまま夜まで図書館で過ごすのだった。


まさか次の日あんなことになるとは思いもせずに..............



カケルとカレンは図書館近くの宿に一泊した。そしてまだ寝ている時間、突然それは起こった。カンカンと鳴り響く音、緊急事態の鐘がなったのだ。

カケルはさっと布団から飛び降り窓を開けた。緊急事態の鐘は名前の通り、町に危機がせまっている時になる。例えば大きな津波やモンスターが攻めてきたなどだ。この町の場合津波などない心配ない。ということは


「モンスターが来たぞーーーー皆王都の方に逃げろーーーー!」


(やはりか・・・・・)


カケルは冷静に状況を理解する。


「カレン起きろ!お前は王都の方に避難しとけ」


そしてカケルはまだ眠たそうなカレンを起こし、逃げるよう言った。


「カケルはどうするの?」


とカレンに言われたが


「安心しろ、ちょっと様子を見てくるだけだ。

いざとなったら自分くらい守れるさ」


とカケルはアニメの主人公のようなセリフをいい、騒ぎの方へ向かうのだった。




ーーーーーーーーーー



騒ぎの方に向かうともうすでに腕に自信のありそうな大勢の冒険者たちがいた。その中にはおじさん冒険者2人の姿もあった。


「スルドさん!バンクさん!なにがあったんですか?」


カケルは2人に近寄って質問した。


「坊主か!あのなぁーえーっと」「エリシュアからゴブリンが大量にこちらに来てる。中にはキングもいるらしい」


バンクがカケルに的確にに状況を説明してくれた。


「まぁそーゆーこった。坊主は王都の方に逃げな!おそらく援軍が王都から来て保護してくれるだろうよ」


スルドもこう言った。


だかしかしカケルに逃げる気は無かった。


「俺も戦います!魔法が使えるんです」


この町に来てからカケルの魔法に対する気持ちは変わっていた。正直まだこの体に何が起こるかわからないが、使ってみたいという気持ちが強かった。しかしこの一言がスルドの優しそうな雰囲気が一気に変える。


「戦うと言う意味が本当にわかってるのか?

死ぬことだってある。いざとなった時坊主、お前はゴブリンを殺せるのか?あいつらも生きてる。殺すときは覚悟がいるぞ」


それはカケルにとって重い重い言葉だった。一気に体に緊張が駆け巡る。しかしカケルにはもう一つの理由があった。


「カレンを逃がしたい..............少しでも遠くに、あいつには感謝しても仕切れないから..............」


カケルはカレンのことを考えた。カケルがくじけそうになったとき支えてくれた女の子、あいつが殺されるなんて考えただけで心が張り裂けそうになる。

スルドとバンクも目を見て諦めたのかカケルにこう言った。


「魔法は詠唱中狙われやすい、俺らから離れるんじゃねーぞ」「守ってやる」


「はい!」


お金

銅貨100枚で銀貨一枚銀貨10枚で金貨一枚という価値です。



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