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隣の町まで

転生して半年が過ぎた。

カケルの体は以前のカケルの体より少しガタイが良くなっていた。半年間朝は畑仕事、昼から本を読み、勉強もするという生活が続いけているのだが、最初の方はもう散々だった。草むしりを少ししただけでいきがきれ、両親に休めと言われる始末、幸いだったことといえば、この世界の文字が読めたことぐらいだ。この体が覚えていたのだろうか、本を読むのには支障がなかった。

今日もいつものように畑仕事を終え、自室で本を読んでいると家の外からカレンの声が聞こえた。


「カケルーーーーーおいていくわよーー」


カケルは窓を開けすぐに「いくから少し待ってくれ」といった。

カケルはワクワクしながら身支度をする。


(ようやくこの時がきたか・・・・・)


今日は初めて村の外、隣町にいくのだ。


最初転生したての頃はハプニングの一つや二つ起こるだろうと思っていたがこの小さな村では驚くほど何もなかった。だからカケルは隣町は色々なものがあるという話を聞き、とても魅力的に見えていた。そして何よりこの世界のことを知ることができる考えていたのだ。

だが半年間隣町に行くことは叶わなかった。とゆうのも隣町までにゴブリンが出る可能性があるのだ。基本的に村の周りには高い壁があるため安全である。だが村から出るとなると冒険者を雇って護衛してもらう、またはこの村にいる冒険者に同行の許可を得て連れて行ってもらうしかないようなのだ。

そんなこともあり、カケルは行きたい気持ちを我慢し渋々断念していた。しかし今日念願叶い隣町にいく予定のあるこの村に来ていた冒険者と交渉して一緒に行けることになっていたのだ。


「じゃあおじさんよろしくお願いします。」

「します。」


カケルとカレンは冒険者2人に挨拶する。


「おう、任せとけ!」「はいよ」


先に返事をした方が坊主で優しそうな雰囲気のスルド、もう一人が前髪で顔があまり見えず、話すのがあまり得意ではなさそうなバンクだ。

一緒に歩いてわかるがどちらの冒険者もカケルとは比べ物にならないガタイの良さと雰囲気が漂っている。だがおじさんたちの話によるとそんな彼らでも帝国を守るの1番下っ端の魔法騎士にも手も足も出ないらしい。

道の途中カケルとカレンはおじさん冒険者2人にいろいろなことを質問した。


「おじさんたちはどうして冒険者になったの?」


カレンが尋ねる。するとスルドが頭をぽりぽりとかきながらこたえた。


「あっはっはっはっは、そりゃあ、金のためだな..............あいにく俺たちには魔法の才能がなかったが、こっちの方は自信があったからな。」


そう言って丸太のような太腕を叩く。バンクも続けて


「それに今俺たちには愛する家族だっているからな..............がんばらねぇと」


と言った。


(いいお父さんだな)


カケルとカレンは憧れのような眼差しを2人に向けると照れ臭かったのかスルドが


「ところで君ら、付き合ってるの?だとしたらおアツイこったねーー」


急に冷やかしとすぐわかるような冗談を入れてきた。これはヤバイ。カケルは


「そんなことは言っちゃ..............」


と止めようとした。だがもう遅かったようだ。隣から『ゴゴゴゴゴ』という音が聞こえる。


「そんなわけないじゃないですか!」


という言葉と共にスルドの腹にパンチが入る。『ボコッ』という音がした。

だが流石冒険者だ。平気な顔をして悪いと謝るようなジェスチャーを取っていた。さすが冒険者女の子のパンチぐらいじゃうんともすんとも言わない。これにカケルは感心していた。しかししばらく歩いた後


「さっきの本当に女のパンチか?拳闘士のパンチより効いたぞ」


「別に俺たちと行かなくてもゴブリンより強いんじゃ..............」


とコソコソ話していたのは気のせいだろう。


隣町の門の前についた頃、カケルは少し残念な顔をした。実は心の中でモンスターが出て欲しいと思っていたのだ。実際この世界にモンスターがいることを知らなければ、カケルはまだベットの中だっただろうと考えている。

そして半年間慣れない環境で生活ができたのはカレンや戸惑いながらもちゃんと自分に向き合ってくれた両親に支えられていたのが大きかった。

カケルはふとそう思いカレンをみた。その視線に気づいたのかカレンが「どうしたの?」とカケルの顔を覗き込んだ。

カケルは「なんでもないよ」と笑い、カレンの頭をポンっとしてこういった。


「じゃあ行こうか」


こうしてカケルとカレンは隣町『サガ』に入っていった。

誤字脱字あればすみません。感想評価、こうした方がいいという意見待ってます。

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