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想い残り。  作者: 吉木紀行
7/12

テキトーと謝罪

「ご、ごめん!」



朝の教室にはまだ生徒は少なく、早い時間に来てるやつはイヤホンをつけて真面目に勉強している。



「え?どうしたの?」

新井さんはまさか?といった表情で驚きを隠せていない




「昨日の手紙書いたの俺なんだ!慌ててて名前書くのを忘れちゃって...」

「不快な思いさせちゃってホントごめん!」




「いや、いいよ」



うん、確実に引いてる。

多分黒尾は気づいてないけど新井さんは引いてる。




「ありがと!」

「このタイミングて言うのもなんなんだけど連絡先交換してくれませんか!?」

黒尾は深々と頭を下げて頼んでいる。



「えっ?え?」

新井さんは普通に混乱しているようだ。

どうすれば良い?といった表情でこちらを見てくる




そりゃそうだろ

なんで黒尾はこのタイミングで言ったんだ...

どうフォローすれば...

あ!




「バッタが踏ん張った!!」






何いってんだ俺は




とりあえず交換しといて


と、目で訴えた。


通じるかはわからないが



「うん、いいよ!」



通じた...

そしていつものペースを取り戻しつつある新井さん



「やった!あ、じゃあこれ俺のIDね!」



黒尾はとても喜んでいるようだ

引かれているのにも気づいていない





ようやく問題が解決した。

新井さんの意外な過去も知れたし、他の皆には内緒にしておこう。



「あ、早瀬くんも交換しない?」

新井さんは緊張してるのか、声が少し震えている。


「うん、いいよ」



俺はその意図を察し快く承諾する。

おおよそ、また黒尾が変なことをしたときにすぐ助けを呼べるようにだろう


まあ今後は俺に相談してからだから大丈夫だと思うが。







ガララッ


「あ、おはよー!何してんの?」

朝から元気な白藤が登校してきた。


「いや、別になん「いま連絡先交換してたんだよ!」



おい黒尾、なにいってんだお前は

また面倒なことになったぞこれ



「え、いいなー私も交換してよ!」



「うん、良いよー」



と黒尾は答えるが新井さんは無言のままだ。



「え、新井さんは?」


と黒尾は聞く



もしかして二人は仲が悪いのかと思ったが口には出さなかった。



「あ、もしかして仲悪いの?」

黒尾はKYだった




「いや、仲良いよ!もう持ってるから連絡先!だから黙ってたのよ!」


新井さんは笑いながら言った。



「あ、そーなんだ!意外だね!はい、俺の連絡先ね」



「ありがとー!ほら早瀬も!」



「え、俺もかよ」



「当たり前でしょ!」



何が当たり前なのかわからなかったが反論するのも面倒になってきてそのまま渡した。



「よし、じゃあこの際だし四人でグループ作るね!」

と白藤は提案してきた。


「お、いいねえ」

「うん、そーしよっ」




もうなんでもいっか、





とりあえず黒尾はKYだなあと思った今日の朝だった。

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