唐突にテキトー
「おい、おい早瀬起きろ!」
白藤に叩かれかれて早瀬は起き
目を擦りながら呟く
「ん、なんだ」
「ハハッ、お前寝起きの顔化けもんだな」
「うるせえよ」
「おー怖いわー、授業もう終わってるよ」
白藤が茶化すように言った
「おう、おはよう。いつもありがとな」
「えっいきなりどうしたんだよキモチ悪い」
もう柄にもないことを言うのは止めようそう思った
黒尾が元気良く近づいてきて
「今日一緒に帰れるか!?」
「無理!」
しょげて帰っていった。
相変わらず単純だなあ
それがあいつの良いところなんだけどな
よし!早く掃除終わらせるか!
気合いを入れて廊下に出て改めて自分が掃除をする廊下を見る。
長くね?うちの学校はi組まである。
そりゃ長いか、ちょっと舐めていた。
そう思いやる気を無くしだらだらと掃除を始めた
外がオレンジ色になりかけてきた。
だいたい半分くらいまで掃除を進め階段のところまで来たときだった。
「あれ?早瀬くん何で掃除してるの??」
「おう、新井さん。数学のプリントちゃんとやってなくて罰でやってるんだよ」
「普段からちゃんとやらないからだねー」
明るく笑いながら新井さんは言う
「私も手伝おっか?大変でしょ?」
「いや、いいよ罰でやってるし。自分でやらなきゃね
ホントはやってほしいけど」
つい本音が漏れた
「どっちなの?ほんと面白いね早瀬くん!」
新井さんが微笑みながら聞いてくる
「何を手伝えばいい?」
早瀬はうーんと少し考えながら言う
「じゃあそこで立って、俺が掃除をサボらないで見てて。」
早瀬はあくまで真剣な顔で言った
新井さんはツッコム事なく、うん!と頷いて見守り始めた
うーんやりづらいな
特に話すこともないし、ホントに新井さんは見守ってるだけだ、むしろ見張っていると言ってもいい
唐突に新井さんが聞いてきた
「早瀬くんはさ、私の事どう思う?」
本当に唐突な質問で言葉に詰まった
「私さ、小中といじめられてたんだよね、その時は皆が幼くて私が我慢してなんとか乗り越えてきたんだ。それで高校に入って自分なりにいじめられないように皆に悪い感情を抱かれないように精一杯いい人を演じてきたの。
ごめんね、いきなりこんな話して。
でもさっきね机のなかに手紙が入っててね
それがこれ。」
新井から渡されたのはルーズリーフを四つ折りにしたものだった
その紙には
『あなたの秘密を知ってしまいました。
あまり皆にばらさない方がいいと思うので今度二人で遊びに行きませんか?そこでたくさん話したいです』
と書いてあった。
「これ、脅されてるよね。一緒に遊びに行ったらあれやこれやされるんじゃないかな...」
なんとなくの考えだけど多分これ書いたの黒尾だ
あいつは単純のくせに不器用だ
名前は書き忘れたのだろう
とりあえず本人に聞いてみるか
携帯をとりだしたとき
「どーしたらいいのかな?早瀬くん!」
「まあ落ち着いて、多分俺が解決するから。自信はないけど」
「うん...わかった」
「あ、そういえば今聞くことじゃ無いんだけど彼氏とかっているの?」
「え、いないよ」(もしかして早瀬くん...)
「じゃあ好きなタイプとかは?」
「優しくて明るい人かな」(まさかほんとに)
「わかったありがとう」
「じゃあ、俺頑張るよ!」
早瀬は犯人探し、もとい犯人の確認に気合いを入れた。
掃除は途中までにしてもう帰ることにした。
「新井さんも、もう帰ろう」
二人はすでに日が沈んだなか一緒に歩いた
駅には帰宅する人で賑わっている
「じゃあまた明日な」
「うん、今日はありがとね!」
「気にしないで、またなんかあったら言って。まあ頼りにならないと思うけど」
新井さんは安心した様子で笑いながら
「うん!思いっきり頼るね!」
めんどくさいこと言っちゃったなー...
明日からは言葉をもっと選ぶか
とりあえず黒尾に報告だなー
足取り重く早瀬は帰路についた。
その後ろ姿を新井さんは見守っていた
ああ、早瀬くんが私の事...いや、まだそうと決まった訳じゃないわ!
きっと...