テキトーに集合
午前10時、集合場所の駅には3人の姿があった。
1人は30分前から集合場所にいた黒尾、あとの2人は女性たち、白藤と新井だった。
2人ともいつもの制服とは違い私服だ。
白藤はイメージ通りスポーティーな格好で、新井は可愛らしいワンピースを着ている。
黒尾は新井に目線が釘付けになってしまって離れない。
「新井さん!私服姿かわいいですね!」
黒尾が本心をはっきりと新井さんに伝えると
「ありがと、黒尾くんもスーツばっちり似合ってるよ!」
と新井も本心をありのまま伝える。
「いや、おまえ何でスーツだよ!どこに何しに行くと思ってんだよ!!」
白藤のツッコミが今日も決まる。
「え、今日は遊園地に行くんだろ?昨日そう話したじゃん」
「いやなら何でスーツだよ!てか新井さんもそのまま流さないで何か言ってあげないと可哀想でしょ!」
「えー私は遊園地にスーツもありだと思うよ」
ニコニコ笑顔でそう言う新井さんを見て、あ、この子天然だ、と確信した白藤であった。
「そんなことよりもう集合時間過ぎてるけどあいつまだ来ねえな」
そうあいつとはテキトーマイペース男こと早瀬のことだ
「早瀬くん遅いね、大丈夫かな?何かあったのかな?」
「新井さん心配しないで大丈夫だよ、あいつはただただ遅いだけだから」
「そうだな、早瀬が時間通りに来たことなんてほとんどないわ」
新井の心配をよそに2人は口を揃えてそう言う。
そんな事を喋ってる間に15分ほど経過した
「今日はどこに行くの?」
3人の後ろから突如声が発せられた
「「「うわぁ!」」」
突然の声に3人とも驚きの声をあげた。
その声の主は遅れてやって来た早瀬だ
「今日どこ行くんだっけ?動物園?あと遅れてごめん」
「いや謝るの一番最後かい!遊園地だよ昨日のメッセージ見てないの?!」
「あ、ごめん見てないわ。とりあえず行こうぜ」
全く悪びれた様子のない早瀬がスタスタと駅の方へ歩いて行く。
「てめえ、あとでなんか奢りだかんな!」
黒尾がそう言うと3人が少し遅れて早瀬についていった。
この次の話から遊園地編です。