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序章

「俺が自衛隊?ないない」

そう言って愛しのデスクトップPCが置いてある自室に戻ろうとする。

「まあまあそういうんじゃないの」

おかんに襟首をつかまれて引き戻らせる。母ちゃん…。

「で、隆君だっけ。よろしく、地本の前田です」

そう言ってほほ笑むのは自衛隊の制服を着たいかついおじさんだった。なんか強そうだ。

自衛隊入りたいの?と何度かあった時から聞いてきたが如何せん自分から連絡したつもりなんて一回もない。気づいたら大学受験失敗して気づいたらニート街道まっしぐらだった時だった。きっと母ちゃんが変な話を聞いて無理やり呼びつけたんだろう。さっさと帰ろう、と思っていたけど今回は母ちゃんの意志は強い。父ちゃんはおそらく丸投げしている、しばらく話してないしな。

「隆君は今年で20歳かー。運動は?」

「まったく」

「この一年何かしてた」

「してるわけないじゃないっすか」

「ところで僕が陸海空どこの自衛隊に所属しているか、わかるかな?」

そう言ってずいっと自分の着ている制服を誇張するように見せる。なんだこの緑色のだっせえ制服は。これが自衛隊か。

「あの、そろそろゲームのイベント始まるんでもういいっすか」

いきなりリビングに呼び出されてこんな不毛な時間を過ごすなんて、俺は勘弁だ。早く帰らせてほしい。

「なるほどな。うん、君は向いているぞ、いやこれしかない。君には陸上自衛隊しか、ない!」

その言葉が、酷く耳に残った。

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