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魔法のカバン

作者: かわせみ

私のお気に入りのカバンは、魔法のカバンです。これ、誰にも言っていない内緒の話なんですけど。

え?どんな魔法かって?それはそれは、素敵な魔法ですよ。


私がそのカバンを買ったのは、近所でやっていたフリーマーケットなんですけど、白いトートバッグで、

特に飾りもないのに一目で気に入って、次の日から使い始めたんです。   

そしたら、ある日家に財布を忘れたんですけど、取りに帰る時間もなくて、ああどうしよう、このカバンの中に財布が入っていればよかったのにって思っていたら、何か急にカバンがズシンと重くなって、なんだ?と思ってカバンの中を見たら、私の財布が入っていたんですよ。そりゃあびっくりしましたよ。え?元から入っていたんじゃないかって?そんなはずないです、いつもはポケットに入れていて、カバンには入れていなかったんですから。


他の日も、出かけた時に日差しが強くて、日焼けしたくないなあ、帽子がカバンに入っていればよかったのに、と思っていたらまたカバンがズシンと重くなって、中から帽子が出てきたんです。え?元から入っていたんじゃないかって?そんなはずないです、あんなピンクの可愛い帽子、買ったことありませんから。

またある時は、出かけた先でおなかがすいて、そしたらチョコレートを食べている人を見かけたんです。

チョコレートがカバンに入っていればよかったのにって思ったら、またチョコレートが出てきたんです。

もちろん、万引きなんてしていませんよ。


この前は、私の友達が怪我しちゃって、私はバンソーコーなんて持っていなかったけど、このカバンのおかげでバンソーコーを出せて友達に感謝されました。今までは自分の為にしか使っていなかったので、人の為に使って人の役に立てて嬉しかったんです。

そしたら次の日、学校で先生が、貧しい国の子供たちの為に不用品を持ち寄って送ろうと言ったんです。私は迷いました。カバンを送って子供たちの役に立ちたいけれど、自分の為にも使いたい。私は不用品を送る前の日までずっと悩んで、結局、送ることに決めました。私は、和英辞典で調べながら、英語で手紙を書きました。内容はこんな感じです。

 「もし、何か欲しいものがあるのなら、このカバンを持って、強く願うと欲しいものが出てきます。

本当のことです。あなた達の役に立てるなら、嬉しいです。」

手紙は、使う人が読んでくれますようにと願いを込めて、カバンの中に入れました。


それで、本題はここからなんです。見ました?昨日の新聞を。昨日のテレビニュースでも取り上げられたんです、私のカバンのことが!レポーターの人も、アナウンサーの人達も、カバンの中から食べ物や服や薬が出てくるなんて信じられないって言っていたんですけど、私には本当のことだってわかっていました。

だから自慢したくて、こうやって魔法のカバンのことを話しているんですよ。



本当に、こんなカバンがあったらいいのにと思って書きました。

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