24 新機能実装
え? アップデートって……なんだ?
戸惑う俺たちのことなんか気にせず、要請は笑顔話を続けた。
「それではアップデート内容をお伝えします。
今回のアップデートではみなさんの意見をたくさんの取り入れました。
まずは、カードの絵柄を大幅改善
神々や魔物をほとんど美形にいたしました
後ほどカード図鑑でご確認ください。
そして、プレイヤー追跡機能を導入しました
追跡したいプレイヤーの名前を入力すると、その現在どの辺りにいるかを把握することができます
しかし、この機能については、悪用されることが十二分に考えられますので
INTが500以上あるプレイヤーにだけ解放されるスキルといたします。予めご了承ください。
次にこのゲームのログアウトに関してです。
ログアウト機能を持つカードを手に入れるためのクエストを解放しました。
こちらのログアウト機能を持つカード「邂逅と流転の契り」はアップデート後、自動的に情報だけ辞典に記録されます。
カード時点から「邂逅と流転の契り」のカードを選択すると、このカードを手に入れるためのクエスト発生条件などの記載がございますので、ご確認くださいませ。
そして、最後に、案内妖精である私、リンカーンベルに人工知能を導入しました。プレヤー様とスムーズな会話が実現したと思います。
それでは、アップデートで、追加される機能は以上でございます。
なお、アップデートは、この後速やかに行われ、10秒後には完了いたします。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。」
そう言って
妖精は消えた。
「な、なんだったんだ……」
俺、正直、妖精の言ってることがほとんどよくわからなかった。長すぎる。
タコ足の悪い奴も「ゲ、ゲームマスター様、アップデートって……」と言って固まってる。
とりあえず、よくわかんないし、なかったことにして、さっきの続きするか。タコ怪人を倒そう。今はなんかぼーっとしてるし、チャンスな気がする。
と思って、タコ怪人に改めて向き合うと、タコ怪人が光り輝き始めた。
「な、な、な、な、何が、何が起こるというのですか! ゲームマスター様―!」
って光りながら絶叫してる。
なんか、あのタコ足のやつも、可哀想な奴だな。
しばらく光り輝くタコ足を見守ってあげていると、そのうち光が収まった。
光が収まったけれど、タコ足の怪人はいなくなってた。
そして、代わりに違うやつがいた。
赤黒い肌で、布を腰に巻いて、上半身は裸。髪の毛は金髪で……俺の父ちゃんほどじゃないけど、かなりのイカしてる! イケメンってやつだ。
タコ足、どこいったんだろ。
「おまえ、誰だ? タコ足はどうなったんだ?」
「いや、私がその、タコ足です。いや……タコ足でした。アップデートで美形に。でも、私変態キャラなのに……。触手を使ってあれこれすることを連想させるためのタコ足がなくなるなんて……」
美形の赤黒いやつはものすごく落ち込んでいた。筋肉マッチョなイケメンが、うなだれている。
あと、なんかゲヒゲヒ言わなくなったな。
何か、かわいそう。
「だ、だいじょうぶか?」
「大丈夫なんかじゃありませんよ! 私の触手がなくなったんですよ! ずっと連れ添ってきた、触手が……!」
泣いていた、大の男が泣いている!
「な、なくなよ! 男だろ!」
「ふん、貴様にはわかるまい。この悲しさが。触手がなくなる悲しさなど……!」
「わかんねーけど、タコ足ない方がかっこいいぞ!」
「うるさーい! 貴様なんぞ私の触手でヌチョヌチョに! ああ、もう私、触手、なかったんだった……」
自分でそう言って、より一層落ち込んだイケメンは、両手、両膝をついて落ち込んだ。
「まあまあ、そう気を落とすなよ。そのうちまた生えてくるさ」
その背中に、手を当ててさすってやる。
「そう? また生える? 私の触手、生える?」
適当に相槌を打ってやると、イケメンはどうにか気持ちを持ち直したようで、立ち上がった。
「ゲ、ゲヒヒヒ! ゲヒヒヒ! 運のいいやつめ。私が一番弱っている時に、やってこようとは! とりあえずは戦闘だ! 村の娘を返して欲しくば、勝負だー! ゲヒヒヒゲヒヒ」
思ったよりもいきなり、回復した。
そういえば俺たちこいつを倒しに来たんだった。そうだそうだ。
「よし、やろうか……!」




