23 アップデート
かまくらで一晩泊まって、ちょっとした腹ごしらえをして早速出発した。
モンスターと戦ったり、やっぱり遠くのほうで戦ってるエステルを眺めたりして山頂までやってきた。
すると目の前には大きな洞窟。どうやらここにボスがいるらしい。
若い女をさらう悪い奴の住処だ。
特に見張りとかもいないのでそのまま洞窟に入ろうとしたら、ゲヒヒゲヒヒという気持ちの悪い声が洞窟の奥から聞こえてきた。
思わず立ち止まって洞窟の奥を見ると、ものすっごく気持ちの悪いやつがニュルニュルと歩きながら、やってきた。
下半身がタコの足みたいに、吸盤付きのニュルニュルした黒いのがたくさん生えており、上半身は人間ぽいけど、顔のところは牛になってる。
そんな気持ちの悪いやつが、ゲッヒッヒと笑いながらニュルニュルとやってきたのだ。
「ゲッヒヒゲヒヒ。やっと、新しい生贄を連れてきたか! ゲッヒッヒ。ほう! 今回は二人か! なかなかの美しい娘じゃないかギョギョフギョギョフ」
なんか気持ちの悪い笑い声をだしながら、タコ足の変態は、フィーとエスメラルダを舐め回すように見ている。
きもちわりぃ。
間違いないな
こいつが人さらいしている悪いやつに間違いない。
人相が明らかに変態のそれだ。顔は牛だけど。
「残念だが、私たちは生贄になるために来たわけじゃない。お前を倒しに来たんだよ」
エスメラルダも気持ち悪ものを見るような目でそう言うと、盾をかまえた。
「ゲッヒヒゲヒヒ、小娘が粋がりおって!お前のようなやつは、ワシのこの触手でピーーをピーーーしてピーのピーーーでピピピのピーーしてやるぞー!ゲッヒッヒー!」
え? なんかすげーテンションは高いけど、さっきからピーピー何言ってんだこいつ。
「やだ、あの魔物、ただの変態じゃない。下衆ね」
そう言って、フィーが忌々しいものを見るような目でニュルニュルの魔物を見た。
ていうか、フィーは、あいつが言ってることわかったのか? ほとんど『ピー』しか言ってないんだが。
俺は弟の方をみると弟も首をかしげていた。
「うーん、よくわかんないけど、多分僕たちが子供だから、いかがわしい単語にはピーが入るようになってるんだと思う。一応ここはゲームの世界らしいから……なんかこのゲーム、変なところでこういう意味不明な親切設定あるし」
いかがわしい単語に『ピー』ってことは、あいつ、さっきからピーピー言ってんのは全部エッチな単語なのかよ。
すげえな。ある意味、すげえよ。
でも、俺はもう大人だからピーする必要なないんだけど、まあいいか。
懲りもせずにピーピー言ってる魔物の話を聞き流して、とうとうそいつはピーピーいうのはやめて戦う流れになった。
よし、さっさと倒して村に戻るぞ!
そう思った時だった。
チャラーラララーデッデレー♪
なんか軽快なリズムの音楽が聞こえてきた。
は? と思って顔をキョロキョロさせると、俺と弟のちょうど目の前に、あいつ、失礼妖精が現れた。
俺もフィーもエスメラルダもあのタコの魔物でさえ、ポカーンとした顔で妖精を見つめる。
「ショウジ様にコウジ様、先日は目安箱にご意見いただきまして、誠にありがとうございました。頂きましたご意見を参考に、いまからアップデートを行います! アップデートの内容を確認しますか?」




