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異世界カードコレクターズ! アホだけど運チートで突き進む  作者: 唐澤和希/鳥好きのピスタチオ


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13 赤い髪の綺麗なお姉さん

 赤い実がなってる木のほうに行くと、既に先客がいた。赤い髪を一本にまとめてポニーテールにしてる女の人が、木の前で大きなハンマーを持って構えている。



「あれ、何してんだ? 村人のやつらか?」

 こそこそと、女の人にばれないように、肩の上の弟に話しかける。


「いや……腰に短剣を装備してるし、革の鎧のようなものも着てるから……冒険者とかなんじゃないかな?」

「んじゃあ、俺達と同じように赤い実を食べにきたのかな」


 そんなことを言っていると、赤い紙の女の人が動いた。大きなハンマーを力いっぱい振りかぶって、木の幹に打ち付けた。


 ドゴーーーーン! と大きな音が鳴って、その後に、木から赤い果物がボトボトといくつか落ちてきて、カードに変化した。

 女の人は、ハンマーを地面に置いて、落ちてきた赤い果物、じゃなくてカードを拾う。


「す、すごいね。一瞬地震が起きたのかってぐらい揺れたよ。何者なんだろう。ていうかあの赤い果物はカードなのか。なら、手に入れたいね」

「うーん。俺たちが流された川はアマゾンなんだから、やっぱりあの女の人は、アマゾネスの一種なんじゃないか?」

「いや、だから、別にここはアマゾンじゃなくて……まあ、いいよもう。とりあえず、話しかけてみようかな? モンスターではなさそうだし」

 アマゾネスってすごいな。あんな細いからだで、あんなおっきなハンマー振り回すなんて。しかも俺達の姉ちゃんぐらいの年に見える。姉ちゃんと比べ物にならないぐらい美人だけど。あんな赤い髪、始めてみたな。


「ほら、にいちゃん早く。女の人いっちゃうよ!」

「お、おう」

 

 俺は唾をゴクリと飲み干すと、赤い髪のアマゾネスの女の人のほうに近づいて声をかけようとする。しかし、その前に女の人が俺達のことに気づいて、すごい形相で振り返って、ものすごい速さで腰に刺してあったナイフを抜いて、俺の喉もとに突きつけてきた。


さすがアマゾネス!

俺が生アマゾネスに、興奮していると、アマゾネスの姉ちゃんが、俺の顔を見るなり、ちょっと驚いたような顔をした。


「え、獣人!? な、何者ですか!?」

「お、俺は、ショウジだけど」

 俺が名乗ると、女の人は、顔を険しくしたまま俺の様子をみて、そして、俺のおでこのあたりを見て、目を見開いて固まる。


「あっ、あの、その、も、もしかして、プレイヤーさん?」


 プレイヤー? なんか聞いたことあるな。確かムルク村の奴らも俺達のことをそんな風に言ってたような……。


「はい、そうなんです。僕達プレイヤーで、えっと、赤い果物を取りにきただけなんです。だからそのナイフは……」

 肩の上の俺の弟が、女の人にそう答えると、女の人は今度は弟の方をみて、同じようにびっくりした顔で固まって、そのまま俺の喉もとに突きつけていたナイフを下ろした。


「プレイヤーが、二人も……」

 そう言って、驚いた顔のままお姉さんは動かない。

「あ、あの? おねえさん、大丈夫?」

 弟が、溜まらずお姉さんに話しかけると、お姉さんはハッとしたような顔をした。

「あ! は、はい、あの、ごめんなさい。まさかプレイヤーにあえる日が来るとは思っていなくて、びっくりしちゃって。いきなりナイフなんか突きつけて、ごめんなさい。てっきりモンスターだと……。あ、えっと、この赤い果物を取りにきたんですよね? えーと、あの、と、とり方分かりますか?」

「とり方、ですか?」

「はい、えっと、コレは、特殊な木なんです。STR100以上の攻撃をあてて、木の枝から果物を落とす以外に採取方法がなくて」

「STR100ですか……僕もショウ兄さんも、そこまでSTRなかったなぁ」

「そう、でしたか。それは困りましたね。私が変わりにこの果物を落とすこともできますけど、そうするとまた明日まで待ってもらわないといけないですし、さっき私が、収穫したものは、もう売却先が決まっていて、譲ることが出来なくて、ごめんなさい!」

「え? 明日まで待たないといけないの?」

「はい、あの、この果物は一日に一人一回しか収穫できないんです。1度採ってしまうと、その人はその日もう収穫することはできなくて。私はさっき収穫してしまったから……」

「一日に一人一回?」

「この木は、ゲームの神様がお作りになったものだから、普通の植物と違って色々制約があるんです」

「ゲームの神様……なるほど……。お姉さん、色々教えてくれてありがとうございます。自分達でやってみます。えーっと、たしか、ショウにいちゃんのSTRって確か60はあったよね?」

 ん? エスティーアール? ってなんだ?

「ねえ! ショウにいちゃん聞いてる? STR60ぐらいだったよね?」

「え? あ、おう! 確かそんな感じだな!」

 俺がどうにかそう答えると、弟は、ウキウキした顔をしながらカード辞典を開けるそぶりをして、カードを一枚取り出した。

 赤い髪のおねえさんも、何をするつもりなのかなって感じで興味深げに弟の方をみている。


「みて、にいちゃん、このカード。僕がガチャガチャで出したカードなんだ。『バーサクの祈り』っていうんだけど、STRとVIT値を一時的に2倍にしてくれるんだって。コレを使えば、兄ちゃんは、STR100以上になるから、果物が収穫できるよ」


 そう言って、弟は、カードを発動させると、なんだか俺のからだの回りが赤く光りだした。おお、すごい。なんだこれ、なんだかとってもスーパーな感じになっている気がする。


「ほら、にいちゃん! ボーっとしてないで、こん棒持って、木を打ちつけて! いつ効果が切れるかわからないんだから、早く!」

 お、おう。なんだか強気な俺の弟に言われるまま、木の幹に近づいて、思いっきり振りかぶってこん棒をたたきつけた。ドゴンっという音がして、ボタボタっと果物が3つ落ちてきて、カード化した。


“美の妖精の痩身おやつ”

種類:生活カード

ランク:銅

効果:食べると痩身効果があるといわれている果物。


そして、カードには、りんごみたいな赤い果物と妖精の絵が載っていた。

 

「ふーん、美の妖精の痩身おやつ、が3枚か。カード辞典みると、このカードはAGIを一時的に1.5倍にするみたいだね。でも、“バーサクの祈り”の使用回数10回のうちの一回を使って、このカード3枚だとあんまり割がよくないかな。生活カードは魔法カードと違って、MPを消費しないで使用できるけど、使ったら一度きりっぽいからね」


 また弟が、カードを見ながらブツブツとつぶやいている。

 それにしてもさっきのお姉さんがハンマーを打ちつけたときは、もっと果物が落ちてきた気がするんだけど。もう木にあんまり果物がなってなかったのかな?


 そう思って、上を見上げてみたけれど、木にはたくさんの赤い果物が零れ落ちそうなくらい大きく実ってた。


 たまたま運が悪かったのか?


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