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異世界カードコレクターズ! アホだけど運チートで突き進む  作者: 唐澤和希/鳥好きのピスタチオ


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10/29

10 レアカードだとしても絵柄が受け付けない

 朝ごはんを食べ終わると、弟と相談して、今日の午後にはこの村から出ることに決めた。だって、早く家族探さないといけないからな。特にユカリは、俺がいないと寂しがるし。

 だから今は出発前の準備中。まあ、準備と言っても持ち物なんてほとんどないけど。

 でも、村長の奥さんが、俺達のためにサンドウィッチみたいなもの作ってくれて、それを入れるためのカバンをくれた。

 なんか、最初は、変なテンションでびっくりしちまったけど、この村のやつらっていい人多いな!


「そういえば、昨日カードショップで買った武器を装備した方がいいんじゃない? 多分、森に入ればモンスターとエンカウントする可能性あるし」

 俺か村長の奥さんが持たせてくれた弁当、黒パンにチーズと野菜みたいなのを挟んだやつを見て、涎をたらしていると、弟がそんなことを言ってきた。


「ああ、そういえば昨日買ったな。お前も装備するのか?」

「残念だけど、僕は魔族で、手がないタイプに分類されるみたいだから装備できない。だから変わりにショウにいちゃんが持ってる孫娘の花冠のカード装備させて欲しいな。僕でも装備できるみたいだし、守備力上がるみたいだから」

 おう、分かったと答えて、カード辞典からカードを取り出して弟にカードを差し出すと、ピコーンと音が鳴って、なんか注意画面みたいなものが出てきた。


『カードの交換ではなくカードの譲渡をしようとしておりますが、お間違いありませんでしょうか?』

 そしてその下に『はい・いいえ』と書かれている。俺が、『はい』に指を当てると、「譲渡が成立しました」とまた女の人の声で頭の中に響いてきて、手元のカードが消えた。


「へー、譲渡が成立すると自動的にカード辞典に入るようになってるんだね」

 そう手もとを操作しながら弟が言っている。どうやら消えたカードは、無事に弟の辞典にあるらしい。


「あと、お前薬草とかも持ってないだろ? 持ってけよ」


「あ、そうだね。なんかショウにいちゃんもゲームの世界だって分かってきたら、色々分かってきた感じでいいね!」

「まあな!」

 おれ自身はあんまりこういう文章読む系のゲームはしたことないけど、チュウにいがよくやってるの見てたからな! 

 俺は手馴れた感じ風で、薬草、毒消し草、チーズ、火妖精のいたずら棒のカードを半分弟に渡した。


「そういえば、ショウにいちゃんは、最初のカードガチャは引かせてもらえた?」

 早速花冠を装備したらしい、ワニ顔に花を乗っけた弟がそう聞いてきた。なんかちょっとまぬけだ。


「カードガチャ? ああ、妖精みたいな奴が言ってたやつか。3回引いたぞ」

「なんだ、ちゃんと妖精出てきてたんだ。ショウにいちゃん何も知らない感じだったから、妖精が出てこなかったのかと思ったよ。妖精からもちゃんとゲームのことの説明あったでしょ? それに妖精なんか出た時点でゲームだって気づかなかったの?」

「ジャングルだから妖精ぐらいいるだろうし、俺のところに出てきた妖精、なんか失礼な奴だったからあんまり真剣に話し聞いてなかった」

「そっか。妖精が出てきても平常運転の様子のショウにいちゃんが簡単に脳裏に浮かぶよ。それより、カードガチャでどんなカードでた? 僕の方は、一枚は使えそうだったけれど、他は微妙だった」

「ああ、俺のほうも、ダサいカードしか出なかった。爺さんのカードとおばさんのカードと、あとなんか、なんだっけあれ、ヤカンみたいなカードだった」

「爺さんとおばさんにヤカン? よくわかんないけど、カードの内容を把握したいから、辞典から出して」


 という弟の要望なので、俺は、辞典から、カード3枚を取り出す。

 何度見てもダサい。


「な? かっこ悪いだろ?」

 そう言って、弟にカードを見せると、弟の顔が固まった。驚いた時によくする弟の行動だ。ダサすぎて固まったのだろうか。

「ハア!? これ3枚ともすっごいレアカードじゃん! 内容見なきゃ、えっと、カード辞典オ、オープン!」


 そう言って、弟は慌てたようなそぶりで、手元を動かし始めた。多分カード辞典かなんか開いて、読んでるんだと思う。


「す、すごいよ。このカード効果。ヤバイ。ショウにいちゃんは見た?」

「いや、あんま見てねぇけど」

「見ようよ!」


 そう言って、弟は、なんかプリプリしながら、カード辞典に書かれてる内容を見て興奮している。


「すごい、このカードの情報を辞典に入れただけで、複数のカード情報の一部が開示されたよ! えーっと……美女アネモザ? それに癒しの女神ポルネリス? うわ。これって特別カードだ! 何枚か手に入れる方法が判明したカードが増えたよ! それにそれに」


 なんか弟が興奮の様子で色々しゃべってくるが、よくわからん。あのダサいカード結構いい感じのカードだったのか? 


 俺は改めてカード辞典を開いてみる。


------------------

 <癒しの女神の微笑み>

種類:魔法カード

クラス:金

効果:怪我や病気などの身体的状態異常を完全に回復させる。ただし、病気の場合は、数年後に再発する可能性あり

使用回数は5回。必要MP:30

 癒しと命と繁栄を司る女神ポルネリスの微笑みは、精神異常と瀕死状態以外のほぼすべての傷を癒すことができる。彼女の微笑みによる癒しの力については次のような逸話が残されている。

 炎の神スメアリクが、一人の美女アネモザを巡って兄である海神ジャブドと争いになるが、その激情が暴走し、美女アネモザを傷つけてしまう。肌は焼き爛れ、目も当てられない姿になった彼女に、ジャブトは興味を失い、アネモザを巡る争いにスメアリクは勝利するが、美しさを失ったアネモザは恨み言を叫んで引きこもってしまう。

 その際にスメアリクが頼ったのが、自らの姉でもあり、癒しと命と繁栄を司る女神でもあるポルネリスである。

 彼女は、アネモザを助けたいという弟の願いを受け、傷ついたアネモザに問いかける。

「私があなたの傷を治しましょう。しかし、その前に、消えゆくその傷を慰める言葉が欲しい。その傷であなたが得たものはありますか?」

「はい、この傷は……この傷は、私が本当に愛していたものを教えてくれました」

 アネモザの言葉にポルネリスは、姿が醜くなろうとも愛し続けたスメアリクのことを思って、優しい微笑をこぼすと、たちまちアネモザの傷は癒えていく。美しさを取り戻したアネモザは、歓喜の声をあげた。

「ああ! 私の美しさが帰ってきた! 最も愛しい私の美しさが!」

 彼女は、醜い傷のお陰で、自分が愛しているものは自分の美しさであると気づいたのだった。そのままスメアリクのもとから去ろうとするアネモザを、ポルネリスは止めなかった。



<癒しの女神ポルネリス>

カード効果詳細不明(カード入手で開示されます)


 セメダリアの大神界を総べる8神柱の一柱。彼女が司るは癒しと命と繁栄。

 彼女の吐息は心を安定させ、彼女の微笑みはすべての傷を治し、彼女の接吻は死したものをも甦らせる。

 最高神セメダリアンから生まれた3番目の子でもある彼女は、8神柱の中でも、古株であり、その司る力も有益だが、穏やかな性格なためあまり他の兄弟姉妹と争うことがなく、そのため彼女に関する逸話等は少ない。

 彼女を模した像を枕元に置くと子宝に恵まれると言われており、人族の国コンゴウの女性達に多く信仰されている。

★『癒しの女神の微笑み』『癒しの女神の接吻』『癒しの女神の吐息』のカードを揃えると、特別カード「癒しの女神ポルネリス」が手に入るイベントが起こせる。



<放られた海神の小指>

カード名:放られた海神の小指

種類:魔法カード

クラス:金

効果:指定した範囲に、海水がなだれこみ、対象物を激流で押し流し、大ダメージを与える。HPに関わらずVITが200以下のモンスターは戦闘不能となる。

使用回数は4、必要MP:30


 海神ジャブトが放る自身の小指は、海から遠く離れた陸地においても、大いなる波を呼び寄せることができる。ジャブドが司るは、海と怒りと鎮圧。気分屋のジャブドは、穏やかな時はどんなことも笑って許すが、機嫌が悪いと何をしても人が変わったように怒り狂う。怒ったとき彼の力は凄まじく、こんな逸話が残されている。

 彼には11人の妻がいるがそのうちの一人モネが、砂狩り族の男に攫われてしまう。海上、もしくは海に面した町は、全てジャブドの管理下であるため、砂狩り族の男は、海から遠く離れた砂漠の都レグノールに逃げ―――。


----------


 や、もうだめだ、疲れた。俺、今日何文字読んだんだろ、100万文字は固いな。これ以上文字を読み続けたら、脳みそがカクカクする!

 俺は、脳みそがカクカクする前にカード辞典を閉じた。



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