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347.プールにいきました5

遅くなりましたが、やっとプール編決着です。

 水際のステージは緩やかな熱気を持っていた。

 プールの一ステージ。もちろん有名人としてくるのは、一人だけ。

 優勝を言祝ぐ蠢だけだ。他は数日前からの告知で集まったか、当日突然参加することにした一般人。

 とはいえ、水着コンテストというのはそれだけで集客力がある。

 プールというだけで気持ちが高鳴った上に、イベントでも行われれば、そのままほいほいと集まるだろう。


 ちなみに蠢の極秘参加はなんとか回避することが出来た。

 しのを連れて行ったら、うっ、とあからさまに嫌そうな顔をしつつ、彼女は視線をそらして黙った。

 おつかれさまですーと、芸能人っぽく挨拶をしてごく自然に女子力全開にして追い打ちをかけたら、うぐといいながらあのマネージャーはとりあえず密かにステージに立たせるのは無しにすると言い放ったのだ。けれど優勝しないと蠢はさっきの格好のまま優勝の記念品を贈らせるといいきったのだった。


 まあ、ここでごねて、蠢の方が美人よとわめいたらどうしようかとも思ったのだけど、一応は公平に見てくれたらしい。もちろんおまけがくっついてきたことにはため息しかでないけれど。

 あんた、蠢より美少女つれてきたら、それで諦めるみたいなこと言ってませんでしたっけ?


 とはいえ、それでも蠢のビキニ姿の公開を邪魔する機会が与えられたのは僥倖だった。

 これで彼女の主観ではなく、この会場のみなさんの主観によって、蠢がどうこうなるかが決まるわけだ。

 ちらりとステージの方を見ると、登場しているのはさすがに自分から参加を表明しただけあって、スタイルのいい子が集まっていた。

 もちろん、中には友達と一緒にとか、友達にはめられてとか、彼氏が見たいって言うから、とかで、記念参加みたいな人もいたわけだけど。そんな中で特にスタイルと見た目がいい人が立つと、会場ではおぉと歓声が沸いていた。


 なにげにこのイベントは人気が高いらしく、プールに来ているお客さんをかなりひっぱりこんでステージ前は人だかりになっていた。


「あ、あのオレンジのおねーさん、太ももの感じがいいかも。うは、あっちの白のおねーさん大胆だなぁ。是非とも撮らせていただきたいっ」

 わくわく、と他の参加者を見ていると、少し離れたところにいる翅さんからはおまえなぁという呆れた視線と、蠢からは大丈夫なんだろうな? という疑問の視線を向けられた。

 もちろん、他の人の目があるから、親しく話をしたりはできない。


「ここにカメラがない現実……くっ。水辺はほんと相性悪い」

 ああ、もぅ。どうしてこう、邪な感情でカメラを握る人が多いことか。

 そういうのがなければ、海辺の撮影とかだって普通にできたはずなのに。


「あ、あの……大丈夫ですか? さっきからなんかちょっと」

「あ、ああ。すみません。みんな良いプロポーションでいいぁって思って見てただけです」

 ちょいと挙動不審だっただろうか。こそこそ会場の人達を見て、一人ではわはわしていたので、水着のおねーさんに声をかけられてしまった。

 三十路間近くらいだろうか。いづもさんなんかはちょっと大人っぽく見えるのが困ると言ってるけど、大人の魅力満載って感じだ。良い感じなおねーさんだと思う。


「……いや。貴女だってそうとうだと思うけどね。むしろ優勝候補かーって感じ」

「ま、まぁ、優勝は狙わないといろいろ困ったことになりますけど」

 それとこれとは別でして、と言うと、彼女は目を丸くした。

 こちらとしては、被写体を見てはわはわするのは日常のこと。そして優勝しなきゃいけないのはお約束というやつなのだった。


「まさか、まじもんに芸能人だったり、するの?」

「いえ-。事務所がーとかそういうのはないですよ。それよりおねーさんこそ、良い感じにバランスいいですよね。

水のそばで一枚撮りたいなぁ」

 水面の光が反射するのとかもいいんですよねぇ、と指でフレームを作りながらじぃと視線を向ける。


「もう、もっと若い子撮ればいいんじゃないの? アラサー捕まえてそんなこと言ってからかってもう」

「別にからかってないですって。大人の魅力満載ですよ?」

 ふふ、と笑顔を向けると彼女は苦笑混じりに、じゃあ行ってきますとステージに向かっていった。

 正直、他の人に話しかける必要はあまりないのだけど、ちょっとした緊張ほぐしのつもりだ。

 さすがのしのさんでもこれだけの大規模なところでカメラなしで表舞台に立つというのは、ちょっとばかり緊張する。今回はおまけに蠢の動向までかかっているから、ちょっと肩に力が入りすぎてるかなという風に思ったわけなのだ。


「リラックス、リラックスってね」

 ステージわきから、先ほどのおねーさんの自己アピールを聞いておく。

 友達と一緒に来ているらしく、婚活の一環できました! みたいなことを言っていた。うん。ちょっとおどけながらね。苦笑まじりではあるものの、会場のみなさんの受けはそこそこのようだ。

 今までの人を見てきた中では、やはり素人の参加イベントだけあって、会場のみなさまを沸かせる人は数人に一人というような感じだった。

 あからさまに記念参加です! みたいな人もいたし、友達に無理矢理……とか言われつつ結構健康的な体をしていて、会場が沸いたりした人もいる。


 この中で優勝しろ、とあっさり言われたわけだけど。

 さて。しのさんの評判は果たしてどうだろうか。

 

 順番が来たので、ブルーのビキニ姿でとことことステージにたった。最初は翅さんから借りてるパーカーはそのまま着用。

 そしてそれを脱ぎさると、それだけでおぉと開場が沸いた。

 みんなに足りないのは、変化というスパイスであると正直思ったので、それをやったというわけだ。


 会場が沸き立っている中で、トップスの位置を直す。

 詰め物は最小限。それでも鏡に映るのは発育不全の美少女のそれだった。

 確かにしのとしての自分は注目を浴びるくらいに美少女だ。

 ただ、ボディラインはそこまで誇れはしない。圧倒的に胸が足りなさすぎるのだ。腰回りは定評はあるのだけど。


「では……次の方は、これまたおもしろい名前ですね、蠢さんは男の子さん、です」

 では、アピールをどうぞ、と言われてマイクを借りる。

「どうもー、21番の人です。いやぁコンテストなんて初めてで、ちょーびびってますが、アピールをーと言われたので、ちょっとアピールしてみちゃおうかと」

 マイクを向けられて、特別噛むでもなく話し始めたこちらに、司会の方はおお、とちょっとだけテンションが上がった様に見えた。

 ちなみに、この名前はエントリーの時に勝手につけられる仕組みである。

 今回はただ優勝するというよりは、蠢の進退問題なので、それらしい名前をつけておいたわけだ。

 ……他にも中二病っぽい名前の人もいたので、別に浮いてはいないと思います。


「おぉお。初めてとは思えないほどなめらかな滑り出しですねっ」

「なんといってもチャームポイントはこの眼鏡です。眼鏡と水着。水辺だとまずありないこのギャップでしょう。プール内だと駄目ですがステージならオッケーといわれてますので、すちゃりと装着しています」

「眼鏡×水着。確かにこの属性はなかなかないものです! おぉっ、眼鏡を外すのか?!」

「いえ、少しずらすだけです」

 眼鏡を軽くしたにずらして、グラス越しではない瞳の色を周囲に見せる。ルイが少しだけ顔を出す。


 会場が水を打ったように静かになる。

 そして、一気におぉーとテンションが上がった。

 ちらりとのぞく瞳の力。しのの弱点、胸のなさをカバーするための戦略は上手くはまったらしい。

 どうしたって男の人はおっぱいの力に弱いものである。しのの姉が大人気なのを見ていれば嫌になるくらいそれを感じさせられる。

 でも、やりようはいくらでもあるのだ。胸以外で勝負すればいいのである。


 そこで木戸の持ち時間は使い切って、ステージを去った。

 去り際に、ちらっと会場を振り返ってにこりと笑顔を浮かべておく。だめ押しというやつだ。

 男の子さーんと、ラブコールがいくつか来ていたけど、まあやれるだけのことはやった。

 あとは投票結果を待つだけである。




 結果発表は、すべての人のアピールが終わって一時間後に行われた。

 いうまでもなく、しのさんぶっちぎりです。我ながらやるべき事はやったけど、やべぇちょっとやり過ぎたかも、と少しだけ後悔しております。

 一応ステージにいるのは一位から五位までの人。

 さきほど喋っていた婚活中のおねーさんは四位につけていて、こちらと目があうと軽く手を振ってくれた。


「しかし、どうしてこんな名前なんです? 偽名でもなんでもいいと規定してますし、実際、黒き鋼の意思とか、天空のまばゆき光だとか、仰々しい名前の方もいらっしゃるわけですが」

 優勝候補の二人が痛々しい名前なのを受けて、司会者さんは疑問に首をかしげている。演技ではなく本気だろう。


「私の魂の叫びを形にしただけです。先日HAOTOの蠢さんの記者会見を見てからずっと心配だったんです。あれだけ会見で大見得きった彼ですが、今、マネージャーさんの暴虐でどんどんと女性化させられてるんです。それに対するレジスタンスですね。みんなだって、HAOTOの蠢は美少年の方がいいでしょー?」

 マイクを奪って手を上げてみんなに問いかけると、そうだそうだーと会場全体から声が帰ってくる。


 民衆を味方に。ファンを味方に。権力に抗うのは民衆の力であると昔から相場は決まっている。

「今までのHAOTOに戻って欲しいだけなんです。すっぱぬかれがなんですか。あいつは必死に努力して自然に今の状態を維持しているっていうのに」

 ほんと迷惑な話です、と少しだけ熱が入ったコメントをすると、司会のお兄さんは、ふぁ? と少し目を丸くしてから、ああ、と一人納得してこちらに聞いてきた。


「ほほぅ。もしかして貴女が彼が言っていたルイさん、なのですか?」

「いいえ。私はただの一ファンです」

「そうですよー! その人なんかより、ルイさんの方が百倍素敵-!」

 ああ。外野から熱烈な叫び声が聞こえた。

 まったく田辺さんはルイのことになると正気を失うのだから勘弁していただきたい。今回は絶妙のタイミングで助かったけどね。彼女にもルイだと思われてないようだし、大変結構なことだと思います。


「うぅ。百分の一といわれてしまいました。けど、目的は達したので嬉しいです」

 にこりとほほえむその先に、蠢が立っていた。それも先ほどの黒ビキニ姿ではなく、男ものの水着と胸には思い切りさらしを巻いてがちがちに固定している。割と胸はあるほうなのだけど、つぶし方のコツでもあるのだろうか。


 その隣には翅の姿もある。もしコンテストで優勝したときの蠢のコーディネイトを任せたのだ。

「では、優勝者にトロフィーの授与を。HAOTOの蠢さんと……あれ。翅さんがくるなんてきいてなかったけど、まあいいや、どうぞ!」

「コングラッチュレイション。こんなに綺麗なお嬢さんにここまで言ってもらえて、俺は嬉しい。女性化なんざくそ食らえだってことをこの会場の人たちも認めてくれたし」

 安心して、すすめると彼は晴れやかな顔で言い放った。

 そして。


「ひゃうっ……」

 トロフィーの贈呈をしたあとに、ほっぺたに軽く口づけをされる。

 自然にかわいい声が出てしまった。

 それに会場すべてが沸き立った。きゃーと叫び出す人やら、男の子さんかわえーと男子からの声も上がる。


「いやぁサプライズですねぇ。まさか翅さんまで来てくださるとは。実はシナリオにサプライズあり! なんてかいてあって、何のことなのかとこちらも思って居ましたが、こりゃー驚きです」

 司会の声にも反応はできない。

 いくら蠢だからって、ほっぺにちゅーは不意打ちすぎる。もちろん変な気分にはあまりならないのだけど、こんなところでおまえなにやってくれてんの? って感じの驚きで動けなかったのだ。


 ちなみに、司会者さんの台本に書いてあったサプライズは、もともとは、蠢が女子の格好で出て優勝したあげく、自分が蠢ですと曝露することこそがサプライズだったのだろう。

 それが我らの行為で変わってしまった。いいや。変えてやったのだ。

 蠢を守れた。それだけで自分が救われたように思われた。

 そのままで生きていていいのだと。


「ともかく、選んでくださってありがとうございます。それに……大切な人を守れたことにも感謝です」

 会場の声援を受けながらトロフィーをきゅっと抱きしめると、かわいーと男たちの声が降り注いだ。




「な、ななな。なんで翅さんまでこんなところにきて、あんたみたいな美少女がぽんぽん出てくるのよ……なにものなのよ木戸くんって」

 ステージを下りると、あの女マネージャーは不快感と困惑を隠そうともせずに話しかけてきた。

 まあ、気持ちはちょっとはわかるつもりではいる。

 三時間でここまで舞台慣れしている人間を用意するのは、普通なら難しいことに違いない。


「なにって、HAOTOの友達以外の何でもないですよ」

 低くした女声で不愉快そうにマネージャーをにらみつける。

 彼女はさすがに目の前の相手が、さっきの木戸だとは思えないらしい。当たり前だが。

 そして当の木戸さんの姿が見えないこともあまり意識できていないようだった。

 

「それに翅さんは蠢のこととなったらどんなことでもやるナイスガイですから。二人でつきあっちゃえばいいのにっていうくらいだだ甘なんですよ」

「くっ。俺は弟みたいな感じで蠢のこと見てるだけだ。俺が好きなのはルイさんだけだ」

 どうよ二人ともー、というと、ぷぃとそっぽむかれて拗ねられてしまった。

 好きな相手に、別の相手を薦められて拗ねているという感じだろうか。かわいい。


「そのルイってのもやっかいよね。一度あってとど……釘を刺しておきたいのに、正確な居所がわからないだなんて」

「たしか、恋愛は解禁したって言ってませんでしたっけ? だったら別に翅さんに彼女ができようとかまわないと思うんですがね。恋は人を成長させるのでしょう?」

「二人から求愛されるなんて、うらや……人として駄目にきまってるじゃない」

 残念。二人からではなく、実は蚕くんもだから三人です。虹さんも男の娘はぁはぁっていってたから、HAOTOのメンバーで普通に友人関係なのは、ほうさんくらいなものなのではないだろうか。


「でも、おたくの会社の社長は愛人を囲ってるっていう噂ですよね」

 しれっと、一般人がしらない話をたたき込む。二人から言い寄られるのがダメなら、社長さんだってダメだということになってしまわないだろうか。反応が楽しみである。


「男の二股は甲斐性よ。経済力がなくて彼女の一人もできない人間より懐が広くて素敵じゃないの」

 うわぁ。うっとりしながら自己肯定とか、ちょっとこれどうよと呆然と翅さん達の表情を見てみたら、しかたねぇのだぜというがっかり顔だった。


「なんにせよ、蠢の意思をねじ曲げるようなことは今後やめてくださいね」

 社長の意思はこの際ここでは関係ない。この女の意思が蠢を死地においやったのなら、全力でその鼻っぱしらをへし折る。

 今回はこっちの勝利だ。

「それは……今回は約束です。しかたありません」

 ただ、と彼女はそれでも、言葉をつなげる。

 とことん不服そうな顔だ。

「今回は今回の話です。今後どうなるかはマネジメントを担当している私が決めます」

「……ふぅん」

 ちらりと蠢たちを見ると、こういうやつなんだわーと肩をすくめていた。

 なんなのさ。ここまでやればもう解決と思ったのに、まだ蠢に魔の手を伸ばそうというのだろうか。


 だったらこっちも、続けて言ってやる。

「今後なめたマネしたら、ファンがだまっちゃいませんから」

 誰も、望まない方向にアイドルを向けたら、おまえは終わりだと言い切る。

 背中には日本に居る多くの彼らのファンがいる。

 ルイのファンは千人から二千人。それくらいいると自負はできるくらいになった。

 けれどHAOTOのファンはそれこそ数十万だ。

 その人達が全部敵になるとしたらこの人はどうするというのだろう。


「あたしがマネージャーなのよっ! 年長者としてこの子達を輝かせるのがあたしの仕事」

 次はないわ、と彼女は言い切ると肩を怒らせながらきびすを返して駐車場のほうに歩いて行った。


「なんか……同情する。うん」

「ありがとな、今回はマジでおまえに救われた」

 ぽふりと翅さんに頭をなでられる。自然にでた行為なのだろうが、ウィッグの上からなでられてもなぁ。


「そう軽々と異性の体に触るのは、芸能人としてはどうなの?」

 ちょっとだけ不満げに胸前で腕を組んで、一歩だけ片足を下げる。

「んあっ、す、すまん。その……あんまりにも嬉しかったんで、つい」


「まったく、翅は。今日はスタジオで撮影じゃなかったっけ?」

 そんなやりとりをほっとした顔で蠢が見つめていた。

「そうだっ! くぅ。もっとプールで遊びたかったけど仕方ない。また今度なっ!」

 ウィッグとかは直接師匠に返してくれるってのでいいんだよな!? それと、上半身さらすのはゆるさんと言い置いて、翅は慌ただしく帰って行った。


「んで。蠢はどうする? 私は着替えるけど……」

「せっかくきたプールだし、遊んでくかなぁ。正直いままでこういうところこれなかったし」

 このなりなら泳げるから、ある意味ありがたい。彼はそういいながら合流してもいい? と聞いてくる。

 まあみんなと引き合わせても今ならもう問題ないかと思う。

 木戸がHAOTOのメンバーと仲良しなのは知ってるしね。


「とりあえず着替えてからってことで。それと今日の分は貸し一つだからね」

「あはは。高い貸しになりそうだ」

 ちゃんと取り立てますからね、というと、うぅと渋い顔をされてしまった。

 ほんともう、最初にあったときからもういくつも貸しを作ってきた気がする。

 適度に取り立てないとなぁと思いつつ、そこでふと思ったことがあった。


「着替えとか翅さんの車の中じゃん! ちょっととってくるよ」

 そのままいかれてしまったら、女性用水着で過ごすことになる。もちろん眼鏡はプールサイドはダメだから、田辺さんたちに見つかったら大変なことになってしまうのだ。


「急ぎなよ。いちおうこっちから電話かけとくから」

 むしろ逆効果かもしれないけど、と蠢がなぜかため息をついていたりもしたのだけど。

 ぱたぱた先ほども着替えを行った彼の車へと向かうしのさんだった。

 散々、男ものの服はやめてくれー、とかなんとか言われたので、じゃあ、絆創膏でも貼っておく? と言ったら、それはそれでやばいからやめろーー! と車中で言われてしまったのだけど、最終的には蠢と普通に遊びたいのでお願いと説き伏せた。


 さぁ、これで一人追加でのプール体験である。

 キラキラした蠢が一緒にいれば視線は全部そちらにむいて、きっとモブたるこちらには向かないで済む。

 そんなことを思いながら、その日は夕方までプールを楽しんだのだった。

 磯辺さんたちが、ちょ、あんたなんて相手を……と固まっていたけれど、最終的には打ち解けてくれたようでなによりだった。

 おっぱいを連日ナベシャツとかさらしでつぶしてると垂れるものです。参考写真を学会で見たときは……すげぇな人間の体……って思ったものです。

 それはともかく、ようやっとステージに立ったしのさんですが。

 あいかわらず大人気でした。

 マネージャーさんに一撃は加えましたが……まだこれでも足りない、というのが正直なところで。

 自分を持ってる強烈な人の意見が世間では通りやすいというのもあるので、次話ではさらに後日談を居れる予定です。


 そして最後にちょろっといれた木戸くんの「上半身さらすのがダメならばんそーこー」は、まあ、逆にいかん装いでありますとも。ニップルパッチもどうなのかなぁと思います。服をきるならOKだと思うのだけど。

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