261.バレンタインデー3
2/14更新分2/2です。
「店長、さすがにそろそろコート着ません? 冬ですよ、夜ですよ、寒いですよー。むしろ中で販売をー」
お日様が沈んでからしばらくして、そんな弱音をはいていると、これからがかきこみ時ですと店長はしれっといい放った。
「まー予約組はだいたいはけて終わったけど、ここからくるんじゃないかな? 今日のバレンタインを手ぶらで帰りたくない人が」
ふふふと、暖かそうなコート姿の女性店員さんが、少し嗜虐的な微笑を浮かべる。
ええと、それ、女同士でやるならいいんですけれどね。いちおう木戸さん男子ですから、そういう男子に見せちゃいけない顔は出さないでいただきたいものです。
「そうよー。そういうかわいそうな男性のために、かわいい格好してせめて夢を見せてあげる。そしていまだかつてない売り上げを期待です」
っていうか、売り残りがあると、どうなるかわかってるよね? と笑顔で言われて、かくんと肩を落とした。
ええ、知ってますよ。季節商品はその日を過ぎたら売れなくなる。今回で言えばバレンタインデーっていうその日があるからこそ、そのための商材が売れるのだ。ま、値引きしちゃいけない高級チョコブランドは返品可能みたいだけど。それはブランドの分だけ料金を上乗せしてるのだから、やっていただかないと困るところだ。
普段だったらチョコはもうちょっと安いのではないだろうか。普段使いだったらパッケージももっと簡単でいいし、それこそお徳用のチョコでことが足りてしまう。
「でも、お手洗いにはいかせてもらいますよ。それとカイロの補充を要求します」
「はいはい。店にあるカイロおごってあげるから、それ使いなさいな」
昼間から販売をしている関係もあって、そろそろカイロの熱も落ちてきている頃合い。
それの補充をさせてもらって第二ラウンドに向かう感じである。
一旦、離席をしてコンビニのトイレを借りる。
今回は男女兼用の方を使った。まあこの格好なら女性用を使おうと問題はないとも思うけど念のため。
とりあえず用を足してから、肌着につけているカイロをめりめりと剥がした。
店長からカイロをカンパしてもらうことになったので、店頭で購入したものを貼り直しておく。
暖まるまで少し時間がかかるけれど、こればかりは仕方がない。ちょっともみもみして、はやく温かくなーれと魔法をかけておく。まあ酸化を促進するだけだけど。
「しかしここからどんな人がくるのかねぇ。バレンタインとかチョコもらえなくてそこまでダメージが強いってのがよくわからない」
なんだってそんなに男の人は焦るのだろうか。
たしかにバレンタインチョコがあるかないか、というのは世間的に勝ち負けみたいな感じになってしまっている現実はあると思う。
実際、高校の頃はめちゃくちゃもらってるやつとか、本命からもらっていると勝ち組みたいな感じが強かった。
そしてもらえないやつらは、くそーと恨めしそうな声をあげていたものだった。
もちろん木戸馨という男子生徒は、それを見て、自分で買えばいいじゃんとか、どうしてそこまで悔しがる必要が? と思っていたのはいうまでもない。
……ええ、あげる側になる方がむしろ多かったですよ。
でも、その時だって、あれほど涙目になるほど「義理チョコ欲しい」の男子の心理はわからなかった。
ねぇ。どうして「もて」ないとダメなの? 今日この日だから、みんなに問いたい。
友達が欲しいとかはわかるんだ。伴侶もまあ、友達の強化版。異性愛はもちろん同性もOKだと思ってるし、一緒に居たい気持ちっていうがわからないわけじゃない。
それに「バレンタイン的」な好意というのは、「なくても実生活でさほど問題は無い」ものじゃないかな?
普通に友達が居ないのは、味方が居ないのは大変なことだ。
体育の二人一組であぶれるとか、そういうのは、本当に嫌だ。経験談。っていっても、世の中のあぶれ組とは事情が違うのはわかってるんだけれどね。中学の頃の初年度は、ほわほわ体育をやっていたらなんか撃沈してた。
今思えば、「ちょ、なに、良い匂いしたけど」とか、そういう会話してたのかもね。
その匂いに関して言えば、家の方針で毎日身体と頭を洗っていたからだとは思うけど。それも年頃のねーさまが居たおかげで、ボディーソープとかシャンプーとかも、いわゆる女子用というか気を遣ってる人用だったからなおさら。
中三にもなれば、いちおう普通には接してくれた。ま、目の前に居るのは眼鏡男子ですからね。
友達ができたかーとかいうと、まあ、うん。みなさんちょっと距離を取ってましたが。クラスが違ったやつとか、あんまり人に興味がないっていうような人としか普通の会話もできなかったですが。
そんなこともあったので、高校で男子の友達ができたのはすっごくありがたいことだったし、今でも大切ではあるんだけど。
この大切はバレンタイン関係のそれではない。もちろんたんなる友達欲しさというやつだ。
うん。ここで結論。「普通の友達が居れば、恋愛とかしなくってもそこまで気落ちしなくてもねぇ」。
なんて思ってしまうわけで。
だからこそ、本当にそんなにチョコ一つ貰えないだけで人生真っ暗というほどに気落ちするのかどうかがいまいちわからない。
おまけに。
仮に、世間一般男子が「もてないとやばい」と思っているとして、残念ながら今その話題ができる相手があんまりいない。
うん。この仕事が終わったら赤城には連絡しようと思ってる。
あいつならちゃんとした答えが……でる、はず。うん。きっと。
高校時代の連中は、いろいろやらかしているので、「男同士のざっくばらんなお話」はできない気がする。
青木くらいならいろいろ口をすべらせそうだけど、今は千歳たんとのラブラブ時間だし、それをこっちから破るのはなんかいろいろ遠慮してしまうのだよね。ま、まあ、木戸馨として、男子として? 会う分にはなんもないのですよ?
だって、あいなさんの弟さんだよ!? しかも千歳たんの彼氏。
色恋沙汰に発展する可能性はないし、男友達としての友好を深めればいいんじゃないかな。
今は卒業してから連絡を取ってない。ときどき千歳から動向を聞くくらいだ。
まあ、アホはアホらしく、普通に大学生してるんだってさ。
普通の大学生がなんなのかはわかんないけど。
思えば八瀬とも卒業してから連絡取り合ってないし、高校関係の男子でつながりがちょっとあるのはこの前の木村氏の件くらいなものかもしれない。女子とはほどほどに交流もあるのだけど。
それはそれでいいか、と思いつつ店頭に戻ると、そこには見慣れた人影がいた。
「あ、しのさん、やほー」
その人影は、いえーいと、のりのりな感じでこちらに声をかけてくる。
しのさんという名前を知っているだけで、ある程度相手は絞られるわけだけれど。
「さ、さくらさん。どうして彼氏持ちのあなたがこんなところに?」
うん。どっからどう見てもさくらさんでした。
首もとにはカメラをつっていて、いつでも撮影はできますよというような状態だ。なんて羨ましい。
口調が丁寧になっているのは、しのさんが彼女にふれあう時のフェイクのようなものだと思っていただきたい。つい素でしゃべるとルイとしての地がでてしまうからね。
「あー、彼甘いものあんまりな感じなんでチョコはね。このイベント自体はお互いやらないって約束してんの。それよりもイベントそのものの写真を撮っていた方が楽しそうだし」
はい、一枚いただきまーす、とカメラを向けられたところで、むぅと頬を膨らませておく。
「はい、写真の撮影はご遠慮いただいています」
「2500円のセットを買ってくれれば一枚撮っていいですよ」
店長がすっとわりこんでひどい提案をしてきた。
これでは健全な商売ではなくなってしまうではないですか。
「じゃ、ください」
フードを目深にかぶった女性が、財布から五千円札を取り出した。
はて。聞き覚えのある声ではあるのだけど、さくらのご友人の方でしょうか。
ええ、まあ。まさかあの大忙しの女優様がこのようなところに来るとは思っていないのですよ。
「ありがとうございます。じゃ、しのさん、一枚撮られてみよう」
「カメラ、貸して?」
「ああ? うん。設定だけはこっちでやるから、そのあとでね」
一瞬、その提案をされてさくらが嫌そうなそぶりをしたけれど、どうやら諦めたようでこちらをまず狙って設定をいじってから、カメラをフードの女性、崎ちゃんに手渡した。
「視線、こっち」
「はいはい。仕方ないなぁ、もう」
売り場からいったん離れて全身が写って、お店に入る人達の邪魔にならない場所に移動する。
もちろん、光の加減で、顔があまり綺麗に写らないところを選ぶ。
はあ。これでは撮る側と撮られる側が反対ではないですか。
でも、前にゴスロリ服を撮られた時よりも崎ちゃんのテンションが低めだ。少しばかり震えているような気もする。
それじゃ手ブレしてしまうよ?
「一枚だけとは言わない。どうせそれでうん百枚撮れるんだろうから、ぶれない写真を一枚だけあげる」
苦笑混じりにそんな提案をしてあげると、崎ちゃんははぁとカメラから手をはなすと盛大にため息をついた。
「ああぁ、もう。いろいろ予定たてて極秘でこようと思ったけど、なんかもう、いろいろメチャクチャよ。どうしてこんなことになってんの! 普通にアルバイトだと思ってたのにっ」
ていうか、仕事してるって返事だったじゃないと言われたものの、こちらとしては間違ったことは言っていない。なにをそんなにいらいらしているのかさっぱり意味不明だ。
にしても、フード姿の謎な女性に絡まれているのを見て、店長達はどう思っただろうか。
ちらりと視線をやると、なんか生暖かい視線をこちらに向けてきていた。
これ、木戸馨の知り合いっていう風に見られているのではないかな。なんかバレンタインに押しかけちゃった女子みたいな。
いやいやいや、崎ちゃんが押しかけてくるとかないから。
さくらがどうせ、この衣装のことでも知って、見世物にでもしようと連れてきたに違いない。
「ちょっ」
「ほわっ」
そんな風に思っていたのだけど、崎ちゃんは何をとち狂ったのか、さっきまで目深に被っていたはずのフードまで取っ払って勝ち気そうな瞳を覗かせた。そのアクションは割と目を引くわけで、店長達は現れた顔におかしな声を上げていた。
まあ、そりゃそうか。テレビにかなり映ってる人がいきなり目の前にいるのだものな。
なんて思いつつ、こっちもその暴露には思い切り変な声を上げたよ。
「って、いいの? 珠理さん」
さくらもその所行に困惑した声をあげる。
こっちもまったくもって同じ言葉、っていうかそれ以上の言葉を言ってやりたい。
騒ぎは起こさないでよ! と全力で。
「別にいいんじゃない? ここには女性しかいない。あたしは寒空にも関わらずちょっと可愛い服を着込んだ女の子の売り子に目をつけて写真を撮りたいとチョコを買った」
それ以上の言い分はどこかにある? と言われて、さくらは、あーもぅと首を振った。
わかるよ。ええ、わかりますとも。今までの付き合いがあるからこそ、それなんて無茶ぶりなのって感じにも聞こえる。
でも、店長たちはそうではなく、ああ、なるほどとなぜか頷いていた。
やー、さすがにこの衣装だと目を引きますからねー、みたいなことを言っている。
そうはいっても視線はこちらにしっかり向いていたので、あとで事情を話してもらいましょうかと言うところだろう。ああ、あとが恐ろしい。
「にしても、どうしてこんなところを?」
滅多に有名人なんてこない田舎町という認識の女性店員さんが好奇心に負けたようだった。
「以前、このそばでロケをしたことがあって、その後、友人ができてときどき遊びにきているんです。まあ、目立つとなんなので普段はフード被ったり眼鏡かけたりとかいろいろしてますが」
あの。珠理奈サン? 眼鏡のところでこちらにちらりと視線を寄こすのやめてくれませんかね。
でも、そんなそぶりに気付くのはこちらだけ。店長さんたちは、あーあのドラマよかったよねーなんてほのぼの会話タイムである。
ふむ。設定としては偶然、こちらの服装が目についたので絡みましたという感じにしようということか。
まー、店長達には思いっきりばれてますけどねー。二人ともこれが木戸さんの女装だっていうの知ってますしねー。まあ、でもさくらの友達っていう比重を大きくしておいたほうがこっちへの追求は少なく済むかな。
「ところで、どうしてこんな格好を?」
改めてカメラを向けつつ、彼女は呆れ混じりの質問をしてくる。
どーしてこうなってんの? さっさと教えるといいよ? という無言の圧力が感じられる。
普通に崎ちゃん笑顔なのに怖いんですけれど? 仕事だと言っておいたしネットにもこのことは書いているのですけれどね。
「時給がちょぴっと増えるので……」
でも、そんな弁解なんて一切できないわけで。
こそりと本当の理由を伝えておく。別に今日の衣装に関して言えば、報酬のために仕方なく着ているだけのことだ。少しでもお金が欲しい理由はすでにお正月あたりで彼女にはメール済み。これだけで察していただきたい。
「そして、クマ。見慣れたクマ。とってもクマ」
「あ、珠理さんもたしか、ここのクマを持ってるんでしたよね」
しれっと名前呼びをしつつ、彼女が興味をひかれた理由を同僚二人にもわかるように伝えておく。
「ええ、悔しいことに作り手があんな綺麗なお嬢さんだなんて、初めて知ったわよ」
「ですよねー。私もあの写真見たときは、うわぁって思いましたから」
さくらまで悩ましい顔をして、うんうんと頷いていた。
ええっと。さくらさん。あの記事チェックしてらっしゃるのですか? ネットの方にはExif情報もしっかりと入っていて、あの店の座標と撮影者の情報が書き込まれていたりしたのだけど、そこには気付いたかな。
あれを入れるかどうかは木村氏とも話はしてある。販売店のバックヤードなら問題はないだろうってことで、撮影者とともに入れさせてもらった。ルイとしての名前を売るためということもあるけれど、いちおうルイさんは早い段階でクマファンだし、名前を出しても違和感はないだろうというようなこともあった。
「ほんと、この子を作ってる人があんな人だなんて、やっぱりらしいですよね」
ふふっと服の脇にくっついてるクマのキーホルダーをちょいとなでつつ臆面もなく言ってやると、さくらは苦笑混じり、崎ちゃんは混じりっけなしの笑顔で同意をしてくれた。
なるほど。やっぱりさくらはあいつの正体が誰なのか把握しているのね。
一方崎ちゃんの方は純粋にアレを女子だという認識なのだろう。ずいぶんこちら側に毒されてはいるけれど、あそこまでは見抜けないらしい。いろいろ手を尽くしたから、簡単に見破られてはさすがに傷つく。
「ええ。本当に。でも貴女もそうとう着こなしてるんじゃない?」
カシャリと一枚。
背面のパネルに映し出された表情を見て、よしと崎ちゃんは頷いた。満足いくものが撮れたらしい。
「まー、サイズは合わせてもらってますしね。それとクリスマスの時のサンタコスでほどほど慣れましたし」
「お給料には負けちゃいますか」
「はい、負けちゃいます」
さくらの突っ込みに、しょぼんと答えておく。
ルイのカメラを新機種に買い換えたいという話はさくらにもしてあるから、ここらへんはしっかりとわかってくれていることだろう。
「あのー、予約をしているのですがー」
そんなやりとりをしていると、店頭の売り場のほうから男性客の声が聞こえた。
どうやら予約のお客さんのようだ。たしかサンタコスの子希望って書いてたような記憶がある。
「おっと。これ以上は仕事の邪魔になっちゃうかな?」
「あ、うん。ごめんねゆっくりできなくて」
来月の話はあとで連絡するので、とさくらにちらりと伝えつつ、売り場に戻る。
崎ちゃんに声をかけないのは、あくまでも彼女は木戸馨の知り合いではないからだ。ちょっと不満そうな顔をしていたけれど、彼女もあれで女優様である。そこらへんの表情のコントロールはしっかりできている。
本当に良かったの? とか離れ際にさくらが問いかけていたようだけれど。次のお客さんが来てしまったので声をかけることもできなかった。
仕事が終わって家に帰るとポストにチョコが入っていたのだけど、いったん溶けかかったような跡があったのは不思議だった。うっかり暖房の目の前に放置なんてしてしまったのだろうか。
というか、どうせ義理チョコをくれるのなら、さっき会った時にこっそり渡してくれれば良かったのに。
ううむ。まあ確かに崎ちゃんと木戸馨の関係性はあまり表沙汰にできないので、遠慮したというところだろうか。
それなら少しだけ悪いことをしたかもしれない。
ちょっと反省したので、ホワイトデーには手作りさくさくなクッキーでも作って持っていってあげようかと思う。友チョコならぬ友クッキーである。
今年もチョコを渡せなかった。
今年こそはと思って頑張ったというのに、まったくもってままならない。
そもそも、馨が仕事中なのにあんな格好をしているだなんて誰が想像できるというのだろうか。
日曜日はたいていルイとしてあいつは外をまわっている。それは知っている。
それならそれで仕方ないかと、友チョコ扱いで渡そうかとも思っていた。
でも、メールをしてみたら仕事なのだと言うし、さくらからもスケジュールを教えてもらった。
これなら、馨に直接会ってチョコを渡せるっ、そんなことを思っていた時が私にもありました。
え、スキャンダル? もうそんなのどうでもいい。すっぱ抜くなら堂々と記者会見でも開いてやる。
一般男性とお付き合いをーとか言っても、私のファンはきっと納得してくれる。
でもこれは……ねえ。
まさか、覚悟してくるといいという一言が、女装姿を意味するとは思ってなかった。
というか、馨のやつ。ルイ状態なのはもう仕方ないにしても、私生活でも女装しすぎ。
なんだってこの女子イベントに、ぽんと駆り出されてあんな格好してるのだろうか。
そりゃ、目立ってたし、売り上げもあがったと思う。
ネットでもちょっと話題にはなってたみたいだし、まあ、なんだ。
手元にある画像データも確かに可愛いのだけど。
どうして男子のあんたが、男性相手ににこやかにチョコを配っているのか。
普通に見てて頭痛がしそうだった。ルイならいい。うん。
割り切った。そこはもう割り切った。あいつはルイなしでは生きていけないし写真がないとひからびる。
それを許すのも女の甲斐性というもので、いいとしよう。
でも、私生活までどんどん女子としての比率が増えていくのはまずい。
ただでさえほとんど生活の比率を占めてない木戸馨が、さらに目減りしてしまう。
「きっと、渡しても義理だとしか思われないんだろうな……」
しょぼんとそんなつぶやきを漏らしながら、木戸家のポストに持ってきていたチョコを入れておいた。
いちおうメッセージカードもつけておいたので、不審物として廃棄されたりはしないだろう。
「最悪だ……バレンタインとか無くなればいいのに……」
バレンタインデーは女の子の背中を押してくれる日だという。
それに間違いはないのだろう。
でも、押された先に待っているのが理不尽なのだとしたら、どうすればいいのだろうか。
「ほんと、バレンタインなんて……」
しょぼんとしながら家路につく珠理奈さんに、追い打ちのように一月後にさっくさくのクッキーが贈られることになるのだけれど、それはまた別のお話。
バレンタインデー3です。
さすがに長くなったので二分割。
そして時間帯的にちょうどいい感じなところでアップを。
作者もバレンタインデーはろくな思い出が無いほうですが(あ、いちおーあげた経験くらいは、アリマスヨー? フフフー)、三倍返しを狙うほど美人さんでもイケイケでもないので、まー20円チョコとか、麦チョコとか美味しくいただく感じです。
そして今回は珠理奈さんが、悲惨な目に……う、うん。さすがの私もこの経験はない。不憫な子です。
それでも木村くん関係のことをしれっと流すところはさすがは女優さんかなーと。
バレンタインデーはもらう側だけではなく、あげる側も大変なんじゃないかなーと。ま、まあ上手く行ったみなさん、おめでとうございます!
さて。次話なのですがー、受験前に千歳さんがちょっと相談に来ます。
まだあらすじくらいしかできてないんで、どういう相談なのかは謎ですが。
まー、ちょっとそっち系の話題を入れていこうかなと。
あとは三月に発売される乙女シリーズの最新作の体験版をDLしてしまい……やってる時間なんてないよね……とか思う昨今。でも今回の女装主人公はお菓子職人なのです。個人的には本編より女装主人公達の女子会のほうが本命だったりして。
乙女シリーズは本編は18禁なのでご注意を。




