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026.姉の家でプレゼントを考える

 今回は少し短めです。

「さて。むしろこれからどうするか、か」

 ベッドに姉を寝かしつつ、ウィッグを軽く撫でつけながら時計を見る。

 もう十一時を回ってしまっている。これから家に帰ることもできないではないけれど、この状態の姉を置いていくのも忍びない。そもそも深夜に高校生が外を歩いていると、下手をすると補導されてしまう。

 始発で帰って撮影にいくか、それとも昨日できなかった撮影スポットのピックアップをするか。


「とりあえず寝顔でも撮っておきますか」

 今日持ってきているコンデジでぴぴっと姉のだらしない寝姿を撮影する。

 わが姉ながら本当にだらしない。つくづくだらしない。けれどもその寝顔はやっぱりかわいらしくて女の子って感じがする。無防備な女子の顔など身内でなければなかなか撮れないものだろう。


「あとは……シャワーはともかく洗面台だけでも借りますか」

 いちおう、それなりに軽いとはいえメイクもしているので、そこらへんをすっきりと落とす。

 明日の朝のことを考えると少し悩ましいけれど、まあ朝ならばすっぴんであっても、ウィッグさえかぶってしまえば問題はないだろう。出かけるにしても家に戻って装備を調えないといけないのだし、そのときメイクもすればいい。


 そして隣に置いてある化粧水を拝借して軽くスキンケアだけはやっておいた。

 あとはもう寝るだけ。押し入れから取り出した布団をソファの上に乗せてくるまる。まだ五月だ。冬よりはましだけれどこれくらいでないとさすがに寒い。


「眠れない……」

 つぶやいてみるものの、とはいえ、やることもない。

 せめてタブレットでもあればエレナの写真のピックアップなんていうのもできたのに、と思いつつ。


 目をつむりながら、今日できなかったエレナの写真のことを思う。あの子にとってどういう風に撮られるのがベストなのか、というのを考えてみる。

 エレナの代名詞といえば「二次元を三次元に降臨させる姫君」である。となると。


「なるほどな。ちょこっと視点を変えないといけないわけか」

 とっかかりがあれば、そこからは早かった。


 ぱっと発想がつながるというか、方向性だけは決まったわけだ。

 いままではエレナとコラボして幻想的な写真が撮れたら面白そうという発想だったけれど、すでに二次元は存在しているのである。それらの作品を知った上でそれを三次元に持って来ようというたくらみは面白いかもしれない。


「ってなると、エレナを知らないといけないというところか……」

 それが大変だなぁと思いながらもしかたない。できるだけの資料は集めよう。

 もちろんそこに、お金はあまりかけられないのだけれど。


「とりあえずは八瀬に資料提供してもらうしかない、かな」

 まったく、こまったクリエイターもいたものだ。

 次元を超える手伝いをさせようというのだから。けれどもそこらへんも込めて、願いを叶えることは誕生日たりうるだろう。

 彼女を知って、そして。

 そのとっかかりとして「こうじゃないのか?」という風景を用意してやろう。


「こういうの、わくわくするよね」

 少しうとうとしながら、エレナの姿を想像すると、これからの作業に胸が高鳴るのだった。

 重いといわれようとかまわない。楽しいことはどんどんとやらなければ損なのである。

 次回はついにエレナの誕生日ですが、セレブリティの誕生会とかの知識がアレな庶民なので、無難なまとめになっております。

 でも、男の娘のドレス姿は書きたかったんですよ……

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