06 君の願い事はなあに?
他の人たちの願い事は何じゃろな?
というお話
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狭間「・・・・・・・・・・・」
セテラ「・・・・・・・・・・・」
狭間とセテラは巻きこまれた人間の対応に、心底ウンザリしていた。
このまま、何も無かった事にして帰って休みたいと思うぐらいには疲れ果てていた。
いま彼らの前には中学2年生ぐらいの女子がキャピキャピとまくし立てている。
中2「あたしは世界一の美少女になるのぉ~。
もちろん、お金持ちでぇ~。
年を取るのは嫌だから不老不死でぇ~。あ、でも永遠に生きるのは嫌だからぁ~死なないのは無しねぇ。
それでねぇ~、男はみんなあたしの虜になるのぉ。あたしってばもてもて?きゃ~!!!」
今までの人間はこんな調子で言いたい事を言いまくっているのだ。
中には地球に・・・家に帰りたいと泣いて喚いた者もいるにはいたが・・・彼らは事故にあったのだ。
この狭間にいる者のその身体は、無残なもので。帰ったところで・・・まぁ、あれだ。
狭間が叶える願い事も、セテラに行く事を前提とした代償なので。
地球の、自分の怪我を無かった事にしろ・時間を戻せ。といった願いは聞けない。
その事も説明したのだが、聞く耳持たず。
まぁそこまで言うならと、地球に戻してやった。
結果、無事に済んだものはいなく散々たるものとだけ言っておこう。
それはおいといて。
地球に戻りたいと言わない彼らは、願い事を叶えてくれると聞くと嬉々として語りだしたのだ。
曰く「異世界トリップ来たーwww」や「チート乙」だの「やっぱり最強?」等。
まぁ、願いはすべてきちんと叶えたが。
とにかく疲れた。
あと2人を残し、げっそりといかさかやつれた面持ちで、いま目の前の少女の願いを聞いていた。
中2「それからねぇ~、それからぁ~」
狭間「願い事は5つだ。もうそれ以上は叶えられない」
中2「え?うっそ。これじゃぁ~たんないよぉ~?」
狭間「起きたら、別の世界だ。寝ろ」
中2「あれぇ?ちょっとまってぇ~1つ無くなi・・・」
コテンとその場に倒れこんだ少女をなるべく目に入れぬように、とっととセテラへ飛ばした。
彼の表情は言葉に出来ぬ悲惨たるものだったと後にセテラは地球に語った。
ちなみにその話を聞いた地球は、遠い目をして(やっぱりそうなったか)と思ったそうな。
狭間「はぁ~。終わりだな」
セテラ「いやまて、もう一人いただろう?眠り姫の。」
狭間「あ~そうだったな。起きてるのか?いや寝てても良い。夢うつつでも言わせれば良い」
セテラ「(汗)いいのか・・・」
狭間「いくぞ」
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『・・』
『・・』
『・オ』
・・・・よんでる
『・・!!どうして!?あぁぁぁ』
・・・・ないてる?
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中2の少女は不老不死を願って不死を消すという、頭の悪い使い方をして2つ消費しました。
主人公ではないとだけ言っておきます。
他の人は特に考えていませんが、機会と妄想が出会えば書くかもしれません。
なあなあで生きていけるものも、現実に負けて逝くものもいますか?(聞くな!?)