その恋は星空のように #1
12月25日
大学4年のこの時期に、また一通、お祈りメールが届いた。
テレビ・ムーンに落ちた。
落ちた。
落ちた。
マイナス思考が。
渦を巻く。
ゼミが終わり。
大学を出た。
青い空が広がっていて。
とっても綺麗。
緑は生い茂り。
大学の校舎は太陽の光を受けて少し光っているようで。
俺は。
大学から。
帰る。
そんな時。
また。
スマホが。
鳴った。
「テレビ・マーガレット選考結果のお知らせ」
俺は、恐る恐るメールを開いた。
「厳正なる審査の結果、貴方にはぜひ一次選考に進んでいただきたく、連絡差し上げました。つきましては、面接の日時を次からお選びください」
やった!
受かった!
書類、通った!
テレビ、マーガレット!
しかも、テレビマーガレットは、おれが大好きなアニメ・「ペルセウス座の流星」を放送しているテレビ局!
やった!
受かった!
あ……。
愛衣ちゃんだ。
「愛衣ちゃん」
「わ! 立花先輩!」
「一緒に駅まで帰ろ!」
「いいですよー」
「愛衣ちゃん、今日はねー、少しいいことがあったんだー」
「えー、何ですかー?」
「それはね、テレビ・マーガレットの書類が通ったの!」
愛衣ちゃんは、手を合わせた!
「すごいじゃないですか! おめでとうございます! 私もテレビ・マーガレットの番組、好きですよ!」
細い道を潜ると、そのまま正門に着く。
そこを出て、電車の駅に向かう。
「俺、頑張ったんだよー!」
「先輩、すごいですね! 私も、頑張らなくちゃ」
今日は、クリスマス。
愛衣ちゃんを、ご飯に誘いたい。
けど……。
今すぐにでも、テレビ・マーガレットの面接対策をしたい。
日程を選択したい。
そうこうしているうちに、駅の改札口まで来てしまった。
「それでは、私はこれで……」
「……うん、じゃあね」
言えなかった。
この後、お昼ご飯いこって。
言えなかった。
何だろう。
この、悔しさは。
テレビ・マーガレットの書類が通って嬉しいはずなのに。
でも。
『すごいじゃないですか! おめでとうございます! 私もテレビ・マーガレットの番組、好きですよ!』
この一言が、とっても嬉しくて。
おれは。
電車の中で、少し幸せに。
窓の外を、眺めた。
♢
大学時代に戻りたいっつって振り返っても、そんなにいいもんじゃねえな。というかクソつらかったんだろうな。
まあ、そんなもんか。人生なんて。
こんなピュアな恋愛どこか落ちてねえかなぁ。
落ちてたら、それを拾ってポケットにしまって、
「ポケットから、キュンです♡」
なんつって
おえええええ
パソコンと液タブをカバンの隠しポケットにしまって、スタバを出た。
今日はおしゃれに決め込んでやったぜ!
キュンですっ!!!!




