結婚したくなくて、泣きそう
「レイチャミ、東の国のお姫様に、なってください」
知ってるよ。
私は、アランが支配欲が強い男だってことを。
多分、アランは私のことが好きじゃなくて。
でも、私はアランのことが大好きで。
それで、アランは、私と結婚をすれば、私がアランのことが好きだから、離婚を盾に、何でも言うこと聞いてくれるって、酷いことたくさん言ってもいいって、思ってるんでしょ。
なのに、私は何で、こんなにも、アランと結婚がしたいの……?
嫌だ、私、アランと結婚したいけど、結婚したくなくて、泣きそう……。
つらい、本当は私、アランに、私のことが好きになってほしい、ただそれだけ、ただそれだけ、だったのに。
「……はい、よろこんで」
そうしてアランはニヤッと笑みを浮かべる。
それでも私は、アランと結婚したいから、だから、仕方ないから……。
♢
液タブからペンを離し、投げつける。
なんだこの話。
なんだこの未来。
クソが。クソが、クソが、クソが……。
なんで、こんな物語しか浮かばねえんだよ!
ドン! と壁を殴る。
隣のブースから、ドンドンドンドン! と壁ドンが聞こえる。
クソ、クソが、クソが!
嫌だ、結婚したくない!
俺は、結婚したくないよ……!
投稿は、家に帰ってからにしよう。
PCと液タブとケーブルを鞄に入れて、ブースを出て、タッチパネルで、削られる残高に悲しみながらカードで決済をして今日も、ネカフェを出た。




