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初恋は夕焼け色に染めてやった #2
文化祭が近づいてきた。
♢
今日は残業して疲れたからかな。
それとも前、出版社から連絡が来たからかな。
カフェの窓際のカウンター席で、星空を眺めながら。
スタンドを使って斜めに置いた液タブをぼーっと見つめる。
なにも、浮かばない。
頭には浮かんではいるんだけど、ネームが、前の段階から、進まないし、だから下書きもできないし、というかセリフも、状況も。
というか、進めたくないのかな、この物語を。だってこの後の結末って……。俺が、あんまり見たくないような、結末だから、かな。
パソコンと液タブの電源を切り、ケーブルもペンもみんなカバンにしまってカフェを出た。
会社から乗り換える駅は都会な感じ。
なんか、音楽が聴こえてくる。
高い声。とっても綺麗な声。路上ライブ。
周りにはアイドルオタクみたいなおじさんたちがサイリウムを振りながら彼女を応援していた。




