表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/56

第7話「人喰いゴブリンの大群を倒せ!」

新連載です!

何卒宜しくお願い致します。


しばらく1日複数回の更新を行います。

どうぞ、お楽しみください。

「はあっ! はあっ! はあっ!」


凶悪なゴブリンの大群……

追われて来た美しい少女は完全に息を切らしていた。


俺の目の前で膝を突いてしまう。

 

もう……体力の限界らしい。

10代半ばと(おぼ)しき少女は、これ以上、走れそうもない。


しかし、端麗な顔立ちたる少女の表情には、ほんの少しだけ安堵の表情が見えた。


見ず知らずの俺でも、『人間』が来た事で彼女はホッとしたに違いなかった。

 

膝を突いたまま、はあ、はあ、はあと、まだ息が荒い少女。


この子! 絶対に守ってあげないと!


気合いが入り、ふん!と息を吐いた俺は、両手を広げ、(かば)い、

彼女の前面に立つ。


少女を追って来たゴブリンどもの動きは、意外なほど素早い。

獲物の退路を断つというのか、あっという間に囲まれた。


改めて見ても……目の前に居るゴブリンどもは大群だ。

100体は、軽~く超えていよう。


多分、奴等は、『狩りのやり方』を知っているのだ。

  

俺は改めて、四方を見た。


前にもゴブリン。

後ろにもゴブリン。

右にも左にもゴブリン。


やはり完全に……囲まれた。


これでは、簡単には逃げられない。

数は2対100以上……


普通に考えれば、完全に詰んでいる。

すなわち絶体絶命なのだ。

 

何とか間に合ったという感じで、新手の俺が加わったが、

ゴブリンどもは『餌』がひとつ増えたぐらいにしか思っていない。


たかが、人間の餓鬼2匹。

さくっと殺して、ぺろっと喰ってやる。


俺のすっごく良くなった視力で見える、

奴等の血走って真っ赤な眼が、俺達を見据え……そう言っていた。

 

逃げて来た少女が、ふらつきながらも、ようやく立ち上がる。

俺の背中に必死にしがみついて、恐怖でガタガタ震えている。


ゲームではコマンド入力が自動のオートでも、倒せるゴブリンなど、

単なる『ザコキャラ』だと思い舐めていたのが大間違い。


……はっきり言って、怖い。


気力だけで持ってはいるが、助けに来た俺だって、意識を失ってしまいそうだ。


本音は、この子と同じ様に凄く怖い。

 

実際に見たリアルなゴブリンは、予想以上に凶暴だから。


乱ぐい歯をむき出し、凄い声で次々に吠え、俺達を喰おうとしている。

だらだらヨダレも垂らしている。


某映画に出て来る作り物の縫ぐるみを、

一万倍くらい、凶悪にした面構えなのである。

 

俺は果たして、こいつらに勝てるのだろうか?


とても後悔したが、今更もう後戻りは出来ない。


だが、唯一の希望、地獄に仏。


俺は、ここでクッカ様を呼ぶ。

念話でも大声を張り上げて。


相手のスペックを、一応は知りたいと思ったからだ。


『クッカ様あ!! ちょっと宜しいですかあ!!』


『はいっ! こちら、クッカ! 何でしょう? ケン様!』 


『クッカ様ぁ!! 緊急事態ですっ!! 大至急でお願いしますう!! こいつらの事を教えてくださいっ!! 特に弱点をっ!!』


『はいっ! 了解です! ゴブリン。小型の人型魔物(ヒューマノイド)。体長50cmから最大1m前後。現在、半径100m以内に103体存在』


おお、凄い! それから?


『性格は残忍で陰険。食性は雑食。群れて人間や家畜も襲う。普段は地下に棲み、身体耐久力は弱し。物理攻撃に弱く、魔法耐性も一切無し。火属性の魔法が特に有効』


おおっ、すげぇ! ずらずらずらっと、詳しい情報、ありがとうございまっす。

相変わらず、早口且つ試験勉強の参考書みたいな模範解答だ。


俺は、思わず肉声が出た。


「おっし!! クッカ様!! ナイスフォローですよお!!」


『当然です! 私! ゴブリンなんて……大大大嫌い!!!』


はぁ? 何、それ?

え? 私はゴブリンが大大大嫌い?

 

これって、クッカ様の個人的な嗜好、個人情報って事?


まあ、良い! とりあえず、もう一度お礼を言おう。


好き嫌いの感想を含めたベストナビ、ありがとうございます、ってね。


『クッカ様ああ!! 重ね重ねありがとうございますうう!!』


『いいえ、どういたしましてっ!』


『とりあえずう!! 目の前のゴブリンどもを倒しますう!! どうしたら良いでしょうかああ!!』


『はい! 先ほどもお伝えしましたが、奴らは火が弱点です。火属性の魔法が有効ですから、ケン様の放つ炎で一気に燃やしちゃいましょう!』


『わ、分かりましたあ!! だけど!! 俺はどうやって!! 火の魔法を使うのでしょうおお!!』


勢い込んで尋ねる俺だが、クッカ様。


何を言っているの?って感じで言葉を戻して来る。


『……あの、緊急事態とおっしゃっていますが、全然そうではないですよ』


『え!? 緊急事態じゃない? ……のですか?』


『はい、その通り、ケン様は人間族ならば、究極のレベル99なのですよ』


『きゅ、究極のですかあ!!』


『はい! 普通の魔法使い、術者とは、全く! 全く違います』


『違いますか!!』


『ですから! 言霊が必要な一部例外を除き、大抵の魔法は当たり前のように、無詠唱、予備動作無しで使う事が出来ます』


『ですか!!』


『はい! ゴブリンの群れなどは、いくら居ても、問題はナッシング。指先を使わないでも抹殺可能です。今回は燃え盛る炎をイメージし、心で念じるだけ! 心で念じるだけでOK、それで終わり、です!』


最後は、きっぱり言い放つクッカ様。


『そ、そうですか!!』


う~ん。

俺がめちゃ強いし、ゴブリンの群れなど問題では無い事も分かりました。


でもなぁ……イメージして、念じるだけでOKと言っても、

具体的には、どうすれば発動出来るのでしょうか?

 

燃え盛る炎のイメージかあ、どうしようかあ。


炎って、マッチ? ライター? ガスコンロ? いや、ガスバーナー?


いやいや近いと言えば火炎放射器か? 思い切って、溶岩が噴き出る火山? 


むむむ、俺の心の内なる声が、違うよ! ジャストじゃない!


それでは魔法は発動しないよ!と言っている気がする。


ああ、そうだよ、どれも何か、ぴったりと、はまらねえ!


……少し戸惑い、俺が口ごもってしまったその時。

 

がああああああっ! 一斉にゴブリンが吠え立てた。

 

来る! もう、猶予(ゆうよ)はない。


そうだ! 既に土壇場だ! 背水の陣だ!


……俺には分かる。

奴らが発する、おぞましい気配で分かるのだ。


そして俺の心には、何故か、気合いがどんどん、

そう! 反骨心がみなぎって来る。


くっそおお!!! このヤロおおーー!!!

負けてたまるかあああ!!!


転生したばかりなのに、喰われてたまるかよおお!!!


この子とふたり!!! 絶対に助かる!!!

必ず!!! 生き抜いてやるううう!!!


「おおおおおおおおおおおおおおお~~~~~!!!!!」


俺は、ゴブリンどもに気合負けしないよう、大声で咆哮した。

 

大声で吠えたら、更に更に落ち着いた。

 

勇気と力も、どんどん湧いて来る。


男として、いや一匹の雄として雌を絶対に守る!

そんな、強い気持ちになって来た。


よっし! イメージならば!


ああ、灯台下暗し!


ラノベで読んだ、カッコ良い炎の魔法剣士をイメージしてやれ!


持つ剣の刀身に、燃え盛る炎をまとわせ、戦うんだ!


レベル99の俺はそれだけじゃなく! 巨大な紅蓮の猛炎を放射出来る!!


魔法発動可能を確信した俺は、

震え怯える少女を片手に抱き、クッカ様の銅剣を抜き放つ。


その瞬間、ゴブリンが四方から突っ込んで来た。


ああ、またも分かる。


あっという間に、自分の体内魔力が高まって行く事が。


「燃え盛る炎よお! 剣に(まと)えっ! 放射~っ!!!」


ごおおおおおおおおおおおっつ!!!!!

 

す、すげぇぇ!!!

叫びながらイメージした通りに、激しい炎が噴き出しやがったぁ!!!


銅の剣から放射される熱が、俺の頬を打つ。


まさに火炎放射器、いやそれ以上だ。


こんな魔法を使うと、授かった銅の剣は溶けるんじゃないかと思ったが、

どうやら大丈夫みたい。


少し冷静になった俺。

余裕が出て来たぞ。


「くおらぁっ! 大量の汚物(ゴブリン)なんか塵も残さず焼却だ~っ!」


俺の剣から放たれた紅蓮の炎が30m近くも伸び、

巨大な竜の息(ドラゴンブレス)のようにゴブリン達へ襲いかかる。


炎に包まれたゴブリンが、あっと言う間に炭化し、ちりぢりになって消失した。

 

よっしゃ! どんどん、ガンガン、やっつけろ~! 焼き払えええ!


ぎゃっぴ~~!!!

ぎゃあああああ!!!


俺はまず前面のゴブリン達を一気に焼き払うと、

少女をしっかり抱いたまま身体を回転させた。


思い掛けない反撃に躊躇したせいで、

俺と少女と、ゴブリンどもとの距離はまだ充分あった。


落ち着きを取り戻した俺は、正面に続いて側面、

背面の攻撃も存分に行う事が出来たのだ。


一方、俺にしがみついた少女は驚いて目を大きく見開き、呆然としている。


周囲を見た俺は、囲んだゴブリンがまだ唸り声をあげているのを見て、

彼女を抱いた腕に力を込めた。


「おいっ! まだ戦いは終わっていない、しっかり掴まっていろっ」


「は、はいっ!」


あれ? 言葉が通じるぞ?

 

俺は日本語を喋っているはずなのに……まあ、良いか。


戦闘中の今は、そんな細かい事を考えている暇は無い。


「ちらっ」と改めて少女の顔を見れば、肩までのさらさらな髪は綺麗な栗色。


鼻筋が通っていて、瞳が綺麗な鳶色(とびいろ)

抜けるような白い肌、おお! とびきり美しい少女である。


こういう凄く可愛い外人の女子って、

ネットサーフィンの際、動画で何度も何度も見ていたっけ。


彼女の年齢は……俺と同じくらいだろうか?

 

でも、やった! テンプレ通り、

可憐で美しいヒロインとの素敵な出会いが決定!?


これが、ヒーローの『お約束』って事だ。


俺は心の中でガッツポーズをし、持つ銅の剣から、

猛炎をどんどん放射させたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説書籍版既刊第1巻~8巻大好評発売中!

《紙版、電子版、ご注意!第8巻のみ電子書籍専売です》

(ホビージャパン様HJノベルス)

※第1巻から8巻の一気読みはいかがでしょうか。


◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

既刊第1巻~5巻大好評発売中!

《紙版、電子版》

何卒宜しくお願い致します。

コミックスの第1巻、第3巻、第4巻は重版しました!

皆様のおかげです。ありがとうございます。

今後とも宜しくお願い致します。


また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。

コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。


WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が購読可能です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、


⛤『外れスキルの屑と言われ追放された最底辺の俺が大逆襲のリスタート! 最強賢者への道を歩み出す!「頼む、戻ってくれ」と言われても、もう遅い!』《連載中》


⛤『冒険者クラン新人選択希望会議でドラフト1位指名された無名最底辺の俺が、最強への道を歩みだす話!』《完結済み》


⛤『頑張ったら報われなきゃ!好条件提示!超ダークサイドな地獄パワハラ商会から、やりがいのあ

る王国職員へスカウトされた、いずれ最強となる賢者のお話』《完結》

⛤『異世界ゲームへモブ転生! 俺の中身が、育てあげた主人公の初期設定だった件!』《完結》

も何卒宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ