表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/54

第31話「サヨナラは嫌! パート2」

俺を洗ってくれた後、当然、俺も同じく手でレベッカを丁寧に洗ってあげた。

たっぷりと愛を込めて……

 

レベッカは、とっても恥ずかしがったが……最後は俺に任せてくれる。


正直、女子に素っ裸を見られるのは、俺も恥ずかしかったが……腹をくくった。


更に覚悟を決めた俺達は遂に遂に!

『前』も洗いっこする。


これ、うおおおお!!! と叫びたくなるシーン。


素っ裸同士でのプロポーズ、

そしてプロポーズした美少女と前を洗いっこ、なんて、超衝撃体験だよ!!


俺は、この中世西洋風異世界へ、流れ着き……

いろいろ体験して来たけれど、凄い!という体験のひとつだ。


でも、こうなると……

お互いに、自分を全て、さらけ出した気がして、

俺とレベッカは、心と心の距離がぐっ!と近くなった。


さすがに、野外エッチこそしていないが、もう夫婦同然だ。


そういえばと、以前読んだ本を思い出す。


日本の戦国時代の某武将は、結婚した奥さんと一緒にお風呂に入り、

その日あった事を報告し合い、更に仲良くなって行ったと。


それも裸の付き合いの、ひとつなのだろうか?


今回の俺とレベッカのケースも近いものかもしれない。


さてさて!


『洗いっこ』終了後……

俺とレベッカは、着ていた革鎧と肌着も丹念に洗うと、すぐ乾かす事にした。


時間も無いので、当然、俺の風属性の魔法でね。

本当は、ゆっくりお日様に乾かしておきたかったけど。


風は風でも、俺が行使する風属性魔法の風は、シルフの吐息たる聖なる風。


普通に乾かすだけではなく、

染みついた、ひどい臭いさえも、きれいに消してくれた。


レベッカは、次から次へと異なる魔法を行使する俺を見て、呆れつつも、

絶賛し、大いに感動していた。


そして、そこで、ひとつサプライズが!

何と! レベッカのはいていたパンツが、小さな黒のスケスケパンツ。


で、すっごく「えっちい」ものだったのだ。


当然ながら、俺はとても興奮し、鼻息が荒くなる。


「おおお、おい! レ、レベッカ!? そ、それって!?」


「きょ、今日はさ……気合が入っていたから……勝負肌着なの、これ……万が一、な、何か、あった時のね」


「勝負……肌着!? ま、万が一、な、何か、あった時のぉ!?」


「う、うん、ええっと、あった時の肌着よ……あ、ああ……は、恥ずかしい!」


「えへへ、じゃあいずれさ……俺と一緒に寝る時、はいてくれる?」


「……うん」


スケベ心全開な俺に対して、恥らうレベッカはやはり乙女チックで可愛い。


こうなったら、バッチリだ。

俺に対しては、もはや完全に『デレ』なのだから。


鎧と服も魔法のお陰で即座に乾いたので、俺達はさっさと身支度をした。


既に太陽が西に向かい、早く帰らないと日が暮れてしまう。


犬のヴェガ達も良く洗っておいたから、綺麗な毛並み復活だ。

こちらも勿論、元気一杯である。


「さあ帰ろう」


「うん!」


俺が手を差し出すと、レベッカは素直に(つな)いでくれた。


少し歩くと……レベッカが、オーガに襲われた場所に着く。

俺達が、構わずに行こうとすると……


いきなり幻影のクッカが、俺達の目の前に現れて『とおせんぼ』をする。


当然の事ながら、クッカの姿は俺だけにしか見えない。


『ケン様……お楽しみの最中(・・・・・・・)、申し訳ありませんが、こいつらを、ちゃんと始末した方が良いですよ』


『ええっと、始末ってもしかしてオーガどもの死骸? あ、ああ! そうか!』


『はい! リゼットちゃんを助けたゴブの時は、ケン様の聖なる炎で燃やしたから「あとくされ」はありませんでした』


『だな!』


『ですが、今回は素手や剣で殺しています。このまま放置すると99%、不死者(アンデッド)になりますから、この前の人狼みたいにちゃんと始末しましょう』


そうだ! このままだと、こいつら不死者(アンデッド)になるな。


念の為、補足すると、不死者(アンデッド)とは、

かつて生命体であったものが、死後も活動する超自然的な存在。

巷で有名なアンデッドだと、ゾンビや吸血鬼などなど。


……俺は記憶をたぐった。

そうだ、変態人狼ライカンをやっつけた時に、クッカの指示で葬送魔法をかけた。


この世界では、魔物の死骸を一定時間放置すると、

ほぼ不死者(アンデッド)になるらしい。


そもそも魔物は、「死者の国たる冥界の瘴気をまといやすい」

のだとクッカは言うのだ。

 

『それと……今夜、私も話があります。……大事な話です』

 

大事な話? 何だろう? 


そう言えば、後で聞くと約束していた。


ちゃんと聞いてあげないとな!


そして愚図愚図していると日が暮れる。

とりあえずは、葬送魔法発動だ。 


一方、レベッカは俺が立ち止まったので、不安そうにじっと見つめている。


無理もない。自分が、魔物に襲われて命を落としかけた現場なのだ。


一刻も早く、この場を立ち去りたいに違いない。

加えて、俺が瞬殺したオーガの死体が散乱している。

血と腐臭の、吐きそうな臭いも立ち昇っていた。


遂には、「ぽつり」と呟いた。


「ねぇ……ケン。こんな所、早く行こう。オーガの死骸目当てに狼や熊どころか、ゴブまで来るよ」


レベッカの心配は、(もっと)もだ。


俺は、ちょっと気になっている事を聞く。

あのゴブの死骸が売って金になるのなら、オーガはどうなんだろう。


「レベッカ、ひとつ聞いて良いか? こいつらオーガの死骸って金になるの?」


「うん……たま~に村へ来る商隊の商人さんは、あったらぜひ買うと言ってくれるし、エモシオンとか遠くの町まで持って行けば、結構なお金になるって聞いているよ。私は当然、オーガと戦った事は無いし、死骸なんて簡単には手に入らないからね」


「そうか」


「うん、だけど今は、全然そんな気にならない」


ああ、そうだな。

当然だろう、喰われかけたんだから。


「そうか……いや、こいつらをこのままにしたら、不死者(アンデッド)になるかもしれないと思ってさ」


万国共通である、不吉な呼び名を俺が言うと、

レベッカは「ぶるり」と身体を震わせる。


「ア、アンデッド!? いい、嫌だっ! ここ、怖いっ! 気持ち悪いっっ!!」


「だろう? だから、こいつらをさっさと塵にしちまおう」


「え、えええ!? ち、塵!? 塵にって? 何?」


「ああ、俺が葬送魔法を使う、傍に居ろよ」


「え、えええ!? 葬送魔法!? ケン、あ、貴方って!!」


レベッカは、葬送魔法発動開始スタンバイな俺の姿を見て驚く。


全身が、まぶしく発光していたからである。


魔力が高まるにつれて、俺の発する光はますます強くなった。


その姿が、神々しく見えたに違いない。

 

レベッカはひどく驚いて、俺から「ぱっ」と離れて、(ひざまず)く。


そして何と何と! 俺に向かい、目をつぶり、熱心に祈りを捧げ始めたのだ。


おいおい、まるで俺は……神様扱いだな。


傍らに居た、ヴェガ達までもが吠えもせず、怯えたように無言で座り込んでいる。


まあ良いや。時間も無いし、さっさと、やってしまおう。


鎮魂歌(レクイエム)!』


無詠唱だが、俺の心の中では、『決めの言霊』を詠唱。


俺の手から、まばゆい白光が放たれると、

(たお)れたオーガどもの死骸が、その同じ光に包まれる。


おおっ! 何度見ても凄いっ!

俺は、感嘆する。


奴等、本当に、速攻で塵になって行きやがるぜっ!


数分後……俺が倒したオーガどもの死骸は、全て塵となっていた。


改めて見やれば、葬送魔法の威力は凄まじく、死骸どころか、

そこらに大量に流れていた血まで消し去っていたのである。


もうこの場に、先ほど行われた激闘の痕跡は一切無い……


「よし! こんなもんかな?」


満足げに頷いた俺へ立ち上がったレベッカが驚嘆。


「す、す、凄いよおっ!! ケンったら、悪魔退治の司祭様みたい!!」


「悪魔退治の司祭様ねぇ……まあ良いや。それより、もう行こう」


「う、うん!」


俺達はしっかり手をつなぐと、また歩き出したのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


それから、歩きに歩いて、東の森を出た俺達は、

やっと兎狩りをしていた草原に着いた。


ここから村までは、少し歩けばすぐである。

油断は禁物だが、いわゆる安全圏内だ。


ここまで歩きながら、俺達は色々な話をした。


中でも、レベッカが反応したのは俺の能力だ。


「ケンったら、とんでもなく強いよね! ……いろいろな魔法だけじゃなく、格闘も剣も、もの凄いよね! 弓もすぐ上手くなったし!」


「ああ、まあ、そこそこだな」


「いやいや! ケンは全然、そこそこなんかじゃないよ! いや! もうケン様って呼ぶよ!」


「おいおい、レベッカ」


「だって! ケン様! まるで貴方は、(いにしえ)より語り継がれる、伝説の勇者様みたいだから!」


「おいおい、勇者様だって? 頼むから、それだけはやめてくれ……そして絶対に内緒だぞ。リゼットとも約束したんだから」


「え? リゼットとも約束? リゼットも知っているの、ケン様の力を?」


「ああ、知っているよ。でもさ、俺の力が広く誰にでも知られてしまえば、いずれ領主様から、お使いが来る」


「そうなるよね」


「ああ、そうなれば俺は結局、このプリムヴェール王国の王様から呼ばれ、王都へ行くだろう。そうしたらお前達とも永久にお別れとなるぞ」


「え!? えええ!? ケン様と永久にお、お別れ!? いいい、嫌っ!」


レベッカは、子供みたいに嫌々をした。


このリアクションは、先日のリゼットと全く同じ。

「サヨナラは嫌! パート2」ってところだ。


但し、ツンデレ美少女レベッカの場合は、ツンとデレの落差がたまらない。


ここで俺は、一応、念を押す事にする。


「だったら絶対に絶対に内緒だぞ! 俺の力はさ、お前達とボヌール村を守る為に、こっそり使うよ」


「え? 私達とボヌール村の為に……」


「ああ、もし俺が勇者ならな……」


そう言って、俺は実感した。


この中世西洋風異世界へ転生した俺は、

愛する想い人達と仲間達が居る、ボヌール村の為の勇者なのだと。 


なので、自分の決意を確かめる為にも、口に出して言おう。


「かっこつけるみたいで嫌だが、改めて言おう。俺はお前達と、第二の故郷と決めたボヌール村を守る為、(つか)わされた勇者、いわば『ふるさと勇者』かもしれないな」


俺の言葉を聞いたレベッカが、美しい灰色の瞳を潤ませる。


彼女は何か穏やかで、「ホッ」としたような表情だ。


「そっかあ、ふるさと勇者かあ……何か、ほのぼのして好き。強くてカッコいい、そして優しいケン様だから、私は大好き♡」


沈む夕陽が、俺達を照らしている。

もう村は、すぐ目の前だ。


俺達はつないだ手を「きゅっ」と強く握ると、

寄り添うように、ひとつの影となって歩いて行ったのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説書籍版既刊第1巻~8巻大好評発売中!

《紙版、電子版、ご注意!第8巻のみ電子書籍専売です》

(ホビージャパン様HJノベルス)

※第1巻から8巻の一気読みはいかがでしょうか。


◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

既刊第1巻~5巻大好評発売中!

《紙版、電子版》

何卒宜しくお願い致します。

コミックスの第1巻、第3巻、第4巻は重版しました!

皆様のおかげです。ありがとうございます。

今後とも宜しくお願い致します。


また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。

コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。


WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が購読可能です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、


⛤『外れスキルの屑と言われ追放された最底辺の俺が大逆襲のリスタート! 最強賢者への道を歩み出す!「頼む、戻ってくれ」と言われても、もう遅い!』《連載中》


⛤『冒険者クラン新人選択希望会議でドラフト1位指名された無名最底辺の俺が、最強への道を歩みだす話!』《完結済み》


⛤『頑張ったら報われなきゃ!好条件提示!超ダークサイドな地獄パワハラ商会から、やりがいのあ

る王国職員へスカウトされた、いずれ最強となる賢者のお話』《完結》

⛤『異世界ゲームへモブ転生! 俺の中身が、育てあげた主人公の初期設定だった件!』《完結》

も何卒宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ