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ニート令嬢は断罪拒否、ただし自宅(領地)から出ない。世界は「引きこもりコマンド」で統治する  作者: かげるい


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第24話:最終防衛システム「愛と忠誠の要塞」

ローゼは、「愛の波動」が使用人の忠誠心を異常に高めたという副作用と、王子アランの軍事力による襲来という、二重の事態を前に、最後の防衛コードの設計を完了させた。


(王子の執着、使用人の暴走、ヒロインの調律能力……どれもこれも面倒くさい!ならば、すべてを私の防衛システムの一部として強制的に再定義してやる!)


ローゼは、乙女ゲーム知識の中でも「攻略対象者の感情を操作するチートアイテム」の非公式な裏設定を応用した。


CODE:FORTRESS_OF_AFFECTION

実行準備!


目的:別邸全体を、ローゼを守るための生きたバリアとして機能させる。


ローゼは、愛の波動によって狂気的な忠誠心を持つようになった執事アルフレッドと、無意識にシステムを調律するヒロイン・リリアを、非接触かつリモートで利用する。


ローゼは、まずアルフレッドへ指示を送った。


「アルフレッド、国王陛下の勅命により、この別邸全体に『聖なる愛の結界』を張ります。決して破ってはならない、ローゼ様への愛の証です!」


アルフレッドは、ローゼの愛の波動コードの影響下で、狂信的な献身を示した。


LOG:ALFRED_001

状態:『ローゼ様への愛』を物理的な結界として認識。


アルフレッドは、ローゼへの忠誠心という「感情エネルギー」を、別邸の魔力炉に過剰に注ぎ込み始めた。このエネルギーは、ローゼのコードによって「絶対的な物理防御結界」へと変換される。


次に、ローゼはリリアを「無意識の防衛装置」として利用した。


(愛の波動によって安定したと錯覚しているリリアを、魔力結界の中枢に誘導する。結界が王子の攻撃で揺らぎ始めると、リリアは無意識にそれを修正しようとする。ヒロインの能力は、結界の耐久性を無限に回復させるための自動修復機能となる!)


ローゼは、リリアを客室から動かさずに、彼女の周囲の魔力を徐々に結界の中枢と連動させた。


空の彼方から、王子の魔導飛行艇が轟音を立てて別邸へ接近してきた。王子の狂気の執着は、国家の軍事力という形でローゼの引きこもり要塞を脅かした。


ローゼ(中身はニート男)は、通信魔導具を通じて、最終防衛結界を起動させた。


CODE:FORTRESS_OF_AFFECTION

起動!


魔導飛行艇から放たれた最初の攻撃魔法が、別邸を直撃した。しかし、それは、アルフレッドの狂信的な忠誠心がエネルギーとなった強固な結界によって、完全に弾き返された。


(くそっ、これだからアクティブな人間の感情は面倒くさい! 人の忠誠心を防衛エネルギーに使うなんて、ニートの私にとっては最高の効率だが、人間としては最低の行為だ!)


ローゼは、この「愛と忠誠の要塞」を運用することに、男性の魂を持つが故の強い嫌悪感を覚えた。


王子の魔導飛行艇から、さらに強力な殲滅魔法が放たれた。結界が大きく揺らぎ、ローゼの座椅子もガタついた。


その瞬間、地上のリリアの無意識の調律能力が発動した。


LOG:RIRIA_001

状態:結界のノイズを検知。


無意識の調律: 結界の魔力流を修正。耐久力、瞬時に全回復!


王子の軍事力は、ヒロインの無垢な能力によって無限に回復する結界を前に、無力化された。


魔導飛行艇から外の様子を見ていた王子アランは、自身の全力の攻撃が何でもない壁に阻まれ、別邸が光を放ちながら修復される光景を見て、狂気の絶叫を上げた。


「なぜだ! なぜ、私の力がローゼの要塞に届かない!? ローゼ! 私から逃れることなど、絶対に許さない!」


ローゼは、最強の自宅防衛を達成した。彼女は、「愛」という最も面倒な概念を、ニートの安寧を守る究極の盾に変えることに成功した。

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