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ニート令嬢は断罪拒否、ただし自宅(領地)から出ない。世界は「引きこもりコマンド」で統治する  作者: かげるい


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第21話:要塞内の潜入者と、ローゼの「乙女ゲー」迎撃

ローゼは、完成したばかりの最高の座椅子から跳ね上がり、通信魔導具を通じてカイルの急接近ログを睨みつけた。


LOG:KYLE_001

状態:別邸敷地内へ侵入。


認識:ローゼ・クリスタル・アストライアは「隠された賢者」であり、『伝説の裏技』の秘密を握っている。


「馬鹿な! 存在を消したはずのこの別邸に、なぜ奴は辿り着けた! ゲーム知識なんていう非公式なルールを、システムの駒が勝手に使うな!」


ローゼの危機感は最高潮に達した。


(奴がこの地下室に辿り着けば、私が必死に隠してきた、小森拓海としての個人的な過去が、この騎士に知られる可能性がある。なぜ奴が裏技を知っているのか、その理由を深く追求されること自体が最大の面倒事だ。絶対阻止する!)


ローゼは、リリアとの非接触を維持しつつ、カイルの侵入を食い止めるという二重の課題に直面した。


ローゼは、地下室の通信魔導具を通じて、別邸の魔導防衛システムを遠隔操作した。カイルの「追跡者」としての心理と、乙女ゲームの知識を応用したトラップを仕掛ける。


(奴は私を「謎を解くべき隠しキャラクター」と見ている。ならば、攻略ルートのように『選択肢で迎撃する!)


① 『迷いの回廊』トラップ


カイルが別邸の廊下に足を踏み入れた瞬間、魔導照明が点滅し始めた。ローゼは【CODE: HALLUCINATION_LIGHT】を実行し、カイルに「この廊下はバグで無限ループしている」というゲーム的な錯覚を起こさせる。


LOG:KYLE_001

認識:ループ構造を確認。ここは「迷いの森エリア」だ! 正しい選択肢(魔力紋章)を探す必要がある!


カイルは、本来一本道である廊下で立ち止まり、壁の魔力紋章を「正しいルートの選択肢」だと誤認し、熱心に解析を始めた。


② 『ヒロインとのニアミス』トラップ


カイルが廊下の解析に夢中な隙に、ローゼは地上階の執事アルフレッドへ、リリアの誘導を指示した。


リリアがカイルの隣の部屋へ移動すると、カイルはヒロインの微細な魔力を感知した。


LOG:KYLE_001

認識:「ヒロイン」の気配を確認。裏技の鍵は、ヒロインの持つアイテムにある! 彼女との接触は、攻略失敗のフラグになる!(ゲーム知識)


カイルは、ゲームのセオリーに基づき、ヒロインとの接触を回避するために、慌てて廊下の陰に身を隠した。ローゼは、リリアをカイルの「攻略失敗の恐怖」で遠ざけることに成功した。


3. 潜入者の最終目標、地下へ


ローゼのトラップにより時間を稼いだカイルだったが、彼の「裏技の真実」への執着は衰えない。


カイルは、騎士としての勘と、裏技データの誘導に従い、屋敷の最も魔力の根源が集中する場所、地下室へ向かい始めた。


ローゼのデバッグルームの防音壁の外で、カイルの足音が止まった。


LOG:KYLE_001

認識:「魔力の中心」に到達。ここが「隠された賢者の居場所」だ!


ローゼは、防音壁一枚隔てた向こうにいるカイルの存在に、心臓が高鳴るのを感じた。


4. ローゼの最後の「選択肢」


ローゼは、カイルが扉を叩く前に、地下室の最終防衛コードを起動させた。


ローゼは、乙女ゲームの知識がカイルの思考回路を支配していることを知っている。


ローゼは、通信魔導具を通じて、カイルの視界へ視覚的な魔力信号を送り込んだ。


その信号は、カイルの持つ「ゲームの裏技データ」と連動し、彼の視界に、巨大なゲームのメッセージウィンドウとして投影された。


警告!

『隠された賢者ローゼ』に会うには、特定のアイテムが必要です。


【アイテム未所持】


この扉を開ける

→ BAD END(ゲームの強制終了)


アイテムを探しに戻る

→ TRUE END


ローゼは、「ゲームの強制終了(BAD END)」を恐れるカイルの心理を突いた、誰だってゲームの終わりは恐れるはず。究極の心理トラップを仕掛けたのだ。ローゼの引きこもりと、カイルのゲームへの執着が、激しく衝突する。

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