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13 各動作試験、開始

【地球重力圏離脱 航行中 数日後 試験練習船J―NAS 搭載AI  ボギー 館内放送】


「>_ご案内します。座標目標ポイント到着まで、あと24時間_」




【J―NASメインデッキ奥 人型支援機トゥラン コックピット】


 その頃、ミケアはトゥランのコクピットにいた。

 こんなものに乗る義理も無いが、いや、社員だからあるが、

 ハムスターを救ってくれた負い目もあって、おとなしく乗るフリをしていた。

 何度かシュミレーションもこなし、元々がゲーマーということもあって、慣れてしまえばなんてことはなかった。


 彼女は、タブレットにダウンロードしたマニュアルを眺めていた。専門用語がたくさん出てくる。

 読んで、三ページで気を失った。




【一時間後 J―NAS居住区域 ミケアの部屋】


「恐ろしいテクノロジーだ。いきなり催眠攻撃とは⋯」

 ミケアは眠気が解消され、スッキリしていた。


 結論として、トゥランの操作方法は「なるようになる。なるようにしか、ならん」ということになった。

 ゲームと同じようにやれば、ボギーが適当にやってくれるということのようだ。

 ただ、行動を決定するのは乗り手らしいので、シチュエーションごとに頭に整理しておく。



人型支援機 トゥラン (探査機 はやぶさ3号)


全高 - 16.8m

通常完装時重量 - 25.3t

動力 小型低温融合炉

メインスラスター DREエンジン

制御スラスター DREエンジン改

最大出力 非公開

武装 非公開

搭乗部、脱出ポッドとして離脱可



 オリジナルは単独で大気圏突入離脱可能。

 原住民仕様は、突入能力は有するが、自力離脱はダウングレードにより推力不足。


 大人の都合上探査機登録だが、結局は日本人デザイン設計の、人型の支援機である。

 マスコミには、はやぶさ3号の名前で公開している。

 開発コンセプトやデザインは、親会社がイケブクロのお店で入手した資料から、日本のアニメ制作会社に外注。


 製造は地球衛星軌道上にいる、ファンド系投資顧問星系探査艦隊の無人ドッグ。

 装甲素材や重力制御や艤装は、地球外文明のオーバーテクノロジーによる。


 この機体に関しては、基本的な所有権は、みんなの地球連邦株式会社にある。

 但し、この会社の筆頭株主は、衛星軌道上のファンド系投資顧問星系探査艦隊 母艦オウムアムアになっており、事実上の支配権を持っており、機体のリース料を徴収している。


 みんなの地球連邦株式会社は、リース料と運営費を賄うため、親会社オウムアムアからの出動依頼を契約したストック収入と、地球の研究機関からの実験を請け負う。


 また、日本政府からの予算や補助金、J―NASの便宜上の母港が、愛知県日間賀島であるため、ふるさと納税も募集される。


 日本国籍者の搭乗を義務付けているため、パナマ船籍にする必要は無い。

 また、上場会社のため、ファンドからの出資も受けている。




【J―NAS 居住区域 ミケアの部屋 就寝時間】


 ミケアは思うように寝付けなかった。

 部屋の角で、回し車をカタカタと回すハムスターが煩かったのだ。




【翌日 J―NAS 第一船体、及び第二船体、レーザー射出口】


 J―NASは一週間ほどかけて、目標のポイント付近まで到着する。

 装甲に隠されている各種の武装を展開した。レーザー発射口のレンズが出てきた。




【J―NAS ブリッジ】


「実弾は勿体無いから、光学系だけテストする。全砲門チェック。

 デッキ、適当にゴミ袋投げてくれ」




【J―NAS 整備格納デッキ 入口付近】


 ハッチをオープン状態のデッキでは、宇宙空間でも作業可能な宇宙服を着た複数の作業者が、たまったゴミ袋を持ってクルっと回り、遠心力を得たところで、それぞれがゴミ袋を放り投げた。


 重力制御の効いたデッキから、外への無重力空間へ。空気抵抗の無いゴミ袋は、いろんな方向への放り投げた勢いで外へ飛んでいく。




【J―NAS ブリッジ 船長】


「そろそろいいかな。よし、ボギー、照準ロック!」


 ボギーが飛んでいくゴミ袋に、レーザー発射口のレンズを動かして照準を合わせる。

 リミッター制限下とはいえ、最大出力である。   

 ちなみに当人達は、どれほどの制限がかけられているかは、知らされていない。


「発射」


 レーザー口が光った瞬間、遠くでポワンと光って、ゴミ袋は蒸発した。


 ただ⋯。

「⋯ゴミ袋じゃ、威力はよくわからんね」




「さて、次は主役登場だな」

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