父親カッコよ
短っ
夕方にもう1話投稿予定!
ボロボロの狭い家だ。平屋の。
「うわぁ。懐かしいなぁ。何年ぶりだろう」
ラビールが大きく深呼吸しながらいった。
家の中は、人が生活できる最低限の物しか置いてなく、奥に部屋が2つあるだけ。奥の部屋は両親の部屋とラビールと弟の部屋だ。と、物語に書いてあった気がする。
「今ご飯作っちゃうから、エバエルはお風呂の準備してちょうだい」
「はーい」
母親に言われ、無意識にそう返してしまった。
「…風呂ってどこだよ」
物語には、家での入浴シーンなんてなかったから分からない。だからといって家中を漁るのも気が引ける。
(母親に聞くか?)
いいや、やめておこう。
(でも父親はまだ怖いイメージあるし…)
チラリと父親の方を見ると、ラビールと一緒に食器棚から食器を取り出していた。
「父さん。僕が新しい家買ってあげようか?もっと町に近くて、便利なとこに住もうよ」
「いいんだ、ラビール。ここは誇るべき英雄が生まれ育った大切な家なんだ。それに、思い出もたくさん詰まってる。これ以上最高な家はないさ」
(おおぉ。父親カッコよ)
「ん?エバエル、どうしたんだい?」
(あっ。バレた。しかも、ラビールの方に)
「い、いや。何でもない」
俺は慌てて首を振って、回れ右をした。
声がして、ラビールの方を見た。
「ちなみにお風呂は外にあるよ」
ニコリと、まるで見透かしているような笑顔でラビールは言った。
(………。怖いんですけど?)
心の声は()です!
エバエルたちの容姿は次話で話します!