さようならアゼー王国
この話から()←は主人公以外の人物の思考という表現を使いますよろしくお願いします
その他は前回と同じ表現です
広間から連れ出されて門のようなところの前に来た。
どうやら勇者召喚は城の中で行われていたようだった。
「これを持っていけ」
そう言われロブ・ブラウンからリュックサック程度の大きさの袋を渡された
「袋には約一か月分の宿代と革製の装備が入っている」
これで一か月は食住には困らないというわけか、いや、安定した収入を一か月以内に見つけないといけないと考えると絶望的に短い時間だ。
「これからこの王都から最も遠い位置にあるメタナ村に君を送る、先ほども言ったが今後一切王国の事は口にせず、関わらないでくれ」
あえて最も遠い位置にあるなんて教えてくれなくても、二度とこんな場所に好き好んで来るもんか
「分かりました、俺は今後一切この国には関わりません。ですが質問したいことがあります、スキルとは一体何ですか?」
「スキルか、それは神から与えられる祝福だな、そのどれもが強力無比な能力を持つという」
「そうですか…教えていただきありがとうございます」
なるほど、つまりあの女性は本当に女神様だったということか、このスキルの使い方は分からないが補填というのは俺が基礎能力値が他のクラスメイトより劣っていることに対してのものだったということかな?
「なにか勇者達に伝えたい言葉などはあるか?」
「ありません」
「そうか」
俺は兵士に促されるまま馬車の荷台に乗ったその後、ロブ・ブラウンと兵士が何か会話を交わしてのちに馬車が出発した。
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ロブ・ブラウンは家久と交わした会話に違和感を覚えていた
(なぜ彼がスキルの存在をしている?)
先ほど質問されたときはこの世界の常識を淡々と答えただけだったが、冷静に考えると家久は異世界から来ており、スキルの存在を知っているのはあり得ないことなのだ
(まさか彼がスキルを授かっている?)
彼は焦っていた、スキルを授ったものを追放してしまったら、神からの贈り物を無下にしたも同義として国は大きく非難されてしまうだろう。
(いやまさか、基礎能力値表示の際に追加記述などは何もなかった!)
そう、スキルを授かったものには基礎能力値表示の際にスキル名との能力の説明が神によって記述されているはずなのだ
(そうだ、彼がスキルを授かっているわけがない、俺の考えすぎか…)
なぜ家久がスキルという単語を知っていたのかという疑問は残るものの事実スキル名・能力について記述がなされていない
疑問は残るもののロブ・ブラウンは家久がスキルを持っていないと結論を出した
(仮に彼がスキルを授かっていたとしても人に知られなければ関係はないか)
(明日には死体となって見つかっているのだからな)
読んでいただきありがとうございました。
今回から新しく表現を追加しましたが、今後スキルや魔法を描く際にこう言った追加の表現があるかもしれないですが何卒ご容赦を…