目を開けるとそこは雲の上
この作品では「」←1人が喋ってる
「「「」」」←不特定多数が喋ってる
『』←天の声的なもの
という表現で書いてます
キーンコーンカーンコーン
「起立、気をつけ、ありがとうございました」
「「「ありがとうございました」」」
憂鬱な4時間目の授業が終わった、昼休みの始まりだ。
学食を食べに行ったり、教室で机をくっつけて弁当を食べたり、友人達と集まり他愛もない話をしたりと、各々好きなように過ごしていた。
そんな中俺は教室の隅で1人、スマホ片手に弁当を食べていた。
1人でそそくさと弁当を平らげると、教室を出て図書室に向かう。
教室では常に孤立しているため、とても居心地が悪いのだ。
別にいじめや嫌がらせを受けている訳ではない、単にコミュ障で周りに上手く馴染むことが出来なかったのだ。
だがいじめは無くても孤立している環境というのはそれだけで精神的にダメージがある。
このままこうして、つまらない日常を続けながら卒業していくのか、それを考えるだけでため息が出る。
キーンコーンカーン
あ、予鈴がなった
まずいな、図書室から教室まではそれなりに距離がある
俺は足早で教室に戻りドアを開けた、もうクラスメイトは俺を除いた全員が着席を完了していた。
早く席につかなくては、そんなことを考えながらドアを跨ぐと
ピカッ
突然教室が光に包まれた
――――――――――――――――――――――――
なんだったんだあの光は…
俺は反射で閉じていた眼を開けるとそこには、辺り一面雲が広がっていた
「なんだこれ、どうなってるんだ」
軽い放心状態になった、状況が呑み込めない
すると、後ろから突然
「すみません、家久 高志様でお間違いないでしょうか?」
俺の名前を呼ぶ声が聞こえた、振り返るとそこには全身を白い衣装で纏った美しい女性が佇んでいた。
俺は突然雲の上に居た事の衝撃と同等の衝撃を受けた。
そしてなんとか言葉を絞り出した。
「貴方は女神様でしょうか?」
すると彼女は少し驚いた顔をした後に笑顔で
「その通り、私が女神です。貴方にはこれから特別なスキルを授けます」
あ、本当に女神様なんだ
「まだ状況が理解出来ていないでしょう、私からは詳しく説明出来ませんが、今回スキル付与は貴方への補填と考えて頂ければ良いです」
「詳しく説明できないって…何故ですか?」
「もう会話できる時間が残っていないのです」
女神様がそう言った途端に視界が霞み、意識が朦朧としてきた。
「では、また今度お会いしましょう」
『スキル〜魔法属性強制変更〜が付与されました』
――――――――――――――――――――――――
意識が落ちる寸前に聞こえた機械音(?)は一体なんだったのか、魔法属性強制変更と聞こえたけど
「どこだここは!」
「え、なに、どういうこと!?」
「これは何かのドッキリか?」
聞いた事のある声だ、目を開けると今度は周りは雲などではなく、石造りの広間のような場所だった。騎士のような姿をした人達に囲まれている
自分の近くにはクラスメイトの姿がある、人数を数えると、どうやらクラスの全員がこの場に揃っているようだった。
ゴンッゴンッ
杖で床を叩く音がした。音のなった方を見ると冠を被り、黄金の装飾を身にまとっている見るからに王様の老人が派手な装飾のなされた椅子に座っていた。
「良くぞ召喚に応じてくれた、勇敢なる勇者たちよ、私は代11代目アゼー王国国王クル・フォン・アゼーだ」
そう突然告げた
読んで頂きありがとうございました。
小説投稿をしたことがなかったので手探りでやっています。何か注意点や改善点がございましたらご指摘頂けると嬉しいです。
これからもどんどん投稿して行きたいと思ってます、よろしくお願いします。