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ぬいぐるみたちのメンタルヘルス  作者: 三森れと
Break1『消えたポップコーンの行方』
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Break1『消えたポップコーンの行方』2

「え?ゆくえふめい?えーと…ゆくえふめいっていうのは、ポップコーンがなくなっちゃったってこと?」


「はい…あやさんがおっしゃったように、ワタクシはあのひ、ポップコーンと、いつでもおかわりできるようにあたらしいジュースををよういしようとていあんしたのですが…ストックおきばからポップコーンがなくなっていたのです!あのひのすうじつまえに、みっつもかったのにですよ!?」


羊のぬいぐるみであるメリーさんには人間のような指がないので、指で三という数字を表すことが出来ない代わりに、可愛いもふもふの手を三回振って、三つ買ったことを強調している。


そんなメリーさんの強調も虚しく、テディはポップコーンが三つあったことよりも、この家に自分の知らないポップコーンがあったことの方に反応を示し、


「ぼくとあやちゃんはポップコーンかったのしらないよね?ぼく、おうちにポップコーンあったの、いまおしえてもらうまでしらなかったよ!」


と拗ねるように頬を膨らませた。


テディの言う通り私とテディはポップコーンの存在を私は“あの日”まで、テディは今日まで知らなかったが、そもそも家にある全お菓子を常に把握しているわけではないので、誰かから頂いたものや自分で買ったものでもない限りポップコーンに限らずお菓子のストック事情は分からない。


「それにかんしてはもうしわけありません…けっしてふかいいみはなく、たんじゅんにおつたえすることをわすれていたのです。ふたりにかくれてポップコーンをたべようとしていたわけではありません!」


「それは分かってるから安心して!現に、あの時私の為にポップコーンを用意してくれようとしてたし、テディが元気になったら改めてポップコーンを用意してゲームしようって言ってくれてたもんね」


「はい!とうぜんです!」


「ふーん…それならいいよ」


テディは膨らませていた頬をもとに戻し、メリーさんと一緒に考え始めた。


「みっつもあったポップコーンがないって、だれかがもってっちゃったか、だれかがたべちゃったってことだよね…メリーさんじゃないなら、ゆめのさんかまひろくんのどっちかがもってっちゃったりたべちゃったりしたってことじゃない?」


「はい!それはまちがいないのですが、ふたりともじぶんじゃないっていいはってるんですよねぇ…」


「えー!?でも、ポップコーンがかってにいなくなるわけないんだし、どっちかがうそついてるにきまってるよー!」


「えぇ、テディさんのおっしゃるとおりです…ですので、どっちがうそをついているのか、ワタクシはしんけんにかんがえていたというわけなのです!」


「なるほど…それで、容疑者である夢野さんと真宙くんには部屋から出ていってもらったのか…」


メリーさんは私の言葉に頷くと、両手を腰に当て溜め息を吐いた。


「じつはですねぇ…こういうことははじめてではなく、あやさんとテディさんがくるまえはしょっちゅうあったのですよ…」


「え、そうなの?」


私とテディが同時に発したことが面白かったのかメリーさんは「フフッ」と小さく笑ったあと、腰に当てていた両手を私たちが帰ってきた時と同じように前で組み、再び溜め息を吐いた。


「あやさんもテディさんももうごぞんじだとおもいますが、プライベートのケイイチとまひろさんはしょうしょう…いや、かなりこどもっぽいのです。それがわるいとはいわないのですが、みんなでたべるためにかったものをかってにたべたり、ましてやたべたことをだまっていたり、たべていないとウソをつくのはゆるされないことです!」


「それはそうだよー!ちゃんといわなきゃダメだし、いうのわすれちゃったんだとしても、あとからたべましたってあやまらないと!」


自分と同じ熱量のテディにメリーさんは感激したのか「テディさんならわかってくださるとおもってました…!」とテディの両手を取り握手をした。


「テディさんのいうとおり、たべたことをほうこくさえしてくれればそれでいいのですがねぇ…ケイイチもまひろさんも、なぜかそれができないんですよねぇ…」


「夢野さんも真宙くんも報告を怠るタイプだから、逆にどっちが犯人か分からなくてメリーさんは悩んでいたんだね…」

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