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Prologue

あなたは私が辛い時、いつもそばにいてくれた。


ふわふわでやわらかい毛を撫でれば、どうしようもない不安感が少しずつ薄れていった。


何も言わずにただ私の話を聞いてくれることも、ぐるぐるとした思考を整理することが出来て助けられた。


ーーじゃあ、あなたが辛い時は?


あなたが辛い時、私に出来ることは何だろう。


そもそもあなたは、辛いと感じているのだろうか。


私にとってあなたがどれほど大切な存在だとしても、他者から見たあなたは"物"でしかない。


悲しい、苦しい、辛い、そういった負の感情どころか、楽しい、嬉しい、幸せ、そういった前向きで明るい感情すらないのかもしれない。


それでも考えずにはいられない。


もしあなたに感情があったとして、私があなたを思うように私を思ってくれていたとして。


私は、物言えぬあなたに何をしてあげられるのだろうか。

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