004
仙志荘は、リビング一つと四つの個室、風呂トイレ、キッチンの間取りだ。
シェアハウスで、俺にも専用の部屋が一つ用意されていた。
四畳半の狭い部屋で、俺は戻ってきた。
置かれているのは、小さなパソコンデスクとパソコン。
後は本棚に、漫画がびっしり置かれていて、ベッドが隅に置かれていた。
家具がギチギチに置かれた部屋だけど、几帳面に片づけていた。
パソコンには、やりっぱなしのゲーム画面が見えた。
「さて、ゲームを……」
パソコンのデスクに座ろうとしたとき、突然足元が光った。
黒い光が、狭いカーペットに浮かび上がっていた。
それは、真っ黒い不気味な円だ。
円を見た瞬間、俺は戸惑っていた。
(な、なんだ?)
首を傾げて、黒い円を見ている俺。
黒く光る円から、俺は足を外すと円から黒い柱が下から生えるように現れた。
俺は身構えて、黒い柱を見ていた。
ガラスのような、黒い結晶の柱。
間もなくして、ガラスの黒い柱の中に一人の女が見えた。
中身は、幼い子供の顔にも見えた。
(子供?)俺が首を捻った瞬間、黒い柱が割れた。
バリンと音がして、女の子が柱の外に出てきた。
倒れた女の子は、すぐさま意識を取り戻して両手をついていた。
「なんだ、この場所は?」
「お、お前……」
見慣れない女の子だ。小学生低学年の容姿で、童顔の女の子。
茶髪のミニツインテールが、より幼く見えた。
黒い服に、フリルのワンピース。
かわいらしいゴスロリ風の女の子だ。
俺に気づいたのか、赤い瞳を俺に向けてきた。
「うわ、目も赤い」
「なんだ、文句あるのか?」
「そういうわけじゃ無いけど……」
大きな赤い目で、俺を睨む女の子。
幼い顔だけど、雰囲気にはどこか威厳が感じられた。
「それより、俺は伊伝居 男駆。ここは俺の部屋だ。君は?」
「おぬしのような輩に名を、名乗るのか?」
「まあ、状況が分からないし」
「そうだな、私の名前を教えてやろう。
私の名は……はっ!」
女の子は俺の顔を見るなり、驚いた顔を見せた。
「お前は……神か?」
「神?だから伊伝居 男駆だって。神じゃないし」
「そうじゃない、なんかこう神々しい……ような気がする」
「?」首を傾げる俺。だけど女の子は、しっかりと俺の顔を見ていた。
「私はエフネ、エフネ・エトロール。魔王バロルの娘だ」
「魔王バロル?もしかして……」
俺が口に出そうとした瞬間、再び足元が光り出した。
真っ黒な円の光が見え、さっきと同じような黒い柱が見えた。
「なんだ、これは?」
俺の隣にいるエフネも、困惑の顔を見せていた。
突然、部屋主の俺もよく分からずにただ戸惑っていた。
間もなくして、黒い円の中から一つの黒い柱が再び円の名から姿を見せた。
それから数秒後、大きな黒い柱が部屋に現れた。
さっき出てきた女の子エフネの時と、同じ現象だ。
だが俺の隣には、柱から出てきたエフネがいた。
彼女は、不安そうな顔で黒い円を見つめていた。
黒いガラスの柱が出た後、再びガラスが割れた。
そして、そこからもう一人の人間が出てきた。
それは、金髪の髪が短い女が出てきたのだった。
目を開いた女は、手に一本の剣を持っていた。