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ひとつ
プルルルル
携帯電話が震えた。
「ちょっと大山!!今どこにいるの!?デートの予定忘れてんじゃないでしょうね!!」
ああ、そうだ。今日は彼女とデートの予定だったんだ。
日記を見つけてつい時間を忘れてしまった。
「ごめんごめん。ちょっと準備に時間かかっちゃって」
……嘘は付いていない。日記を読んだのもある意味準備の一環だ。大柄のナタを鞄に詰め込んで僕は準備を終える。
「すぐ行くから、もう少しだけ待ってて。」
「急いでよね!!もうお腹ペコペコよ!!」
「ああ、僕もだよ。」
今日僕は彼女と一つになる。
耳元で蝉が鳴いている