日記
七月十七日
転校生がやってきた。イケすかない女だった。クラスのヤツらはみんなそいつを「かわいい」と言ってほめてたけど、あんな女のどこがいいんだ。みんなバカだ。
七月十八日
今日は音楽のじゅぎょうがあった。あの女、どうやらかしゅにでもなりたいらしい。ヤケにキザっぽい歌い方をしていやがった。あんなのよりだったらセミの声の方がまだマシだ。
前言てっかい。今日、ポチオのさんぽに行ったらセミがやけにうるさかった。あれにくらべたらアイツの歌のが何倍もいい。
七月十九日
みんなどうかしてる。みんなアイツの歌が好きらしい。だから夏休みがはじまる前の日に、アイツの歌の発表会をすることになった。バカバカしい。何がいいんだ、あんな歌。
今日もセミがうるさかった。
七月二十日
体育のすいえいの時間。アイツの水着がすこしづれていた。思い出すとやたらと汗がでる。なんでだ。
ポチオがさんぽに行きたがらくなった。夏ばてかな?
七月二十一日
明日から夏休みだ。今日はアイツの発表会があった。アイツの顔をみるとなぜかむねがドキドキする。歌は前よりうまく聞こえた。
セミがうるさくてねむれない!!
七月二十二日
ポチオとさんぽをしてたらアイツがいた。夜なのにかせんじきでなにをしていたのだろう。アイツが歌を聞かせてくれた。アイツのせ……えた。きのせいか?
セミがうるさい。
七月二十三日
アイツが死んでた。
セミの声はもう聞こえない。