表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/88

悩めるロージアン卿

第2部


 ロージアン卿は頭を抱えていた。


 あれからもう10年だ。呪いに関する調査は行き詰っていた。10年の間、様々な方法で呪いを解こうと尽力した。わずかな望みがあれば何でも試してみた。


 だが全て失敗に終わった今、もう他から力を借りるしかない。


 しかし先立つものは・・・そう金だ。残念ながらロージアン家には金がない。


 ロージアン家の領地は広大だが痩せた土地がほとんどで領民からの税収は期待できない。

 長男がウイシュケという酒の蒸留所を経営しているが、経営状態はかんばしくない。


 ロージアン家はこの国でも有数の歴史ある家柄だが現在は没落の一途を辿っている。


 アラン・ロージアン2世は金庫から細長い箱を取り出した。金庫とは言っても何も入っていない、名ばかりの飾り物。この箱の中身と少々の証券。後は価値のないガラクタばかりだ。


 箱の中にはサファイアがはめ込まれた美しい短剣が入っていた。柄の装飾も見事で、500年ほど前の当主が特注で作らせた物らしい。


 その当主はロージアン卿と同じ名の、アラン・ロージアン。同じ名前のご先祖様が大事にされていた家宝を自分も特別に大切にしてきた。だからこそどんなに苦しい時もこれだけは手放さずにおいたのだ。


 だがとうとうこれに別れを告げる時が来たのかもしれない。

 家の大事には変えられないのだから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ