なんだこれ?・・・2
登校は、俺含め男4人で登校していたが、部活がない日の下校は不思議と決まった女子(鳴海綺咲)と一緒だった。
久しぶりの鳴海と一緒の下校中のことだった。
「最近倉ちゃんと仲いいね」
「うん。なんかね。仲良くなったね。」
「あのさぁ―――」
「ん?なに?」
「あたし倉ちゃんのこと好きなんだよね。」
「えっ?!いいじゃん!俺応援するよ!」
―――チクッ
ん?
「好きな人いるか聞いてみようか?」
―――チクッ
え?
「3人で遊ぶ約束取り付けてみる?」
―――チクッ
は?
何だこれは。
この気持ちは。
心臓なのか心なのかどっかが痛痒い。
鳴海に倉ちゃんの話をすると今まで味わったことのない気持ちになった。
これぞ正にカタカナで書くキモチだ。
しかし、下校中終始倉ちゃんの話題でもりあがり、そのキモチのまま帰ることになった。
*
「はぁ…。」
次の日学校のHR前。
倉ちゃん好きな人がいるかどうかを聞いてほしいとのことだったが、何故か気分が乗らない。
意味がわからないブルーな気分。
とりあえず、頬杖ついとけみたいなブルーな気分。
好きな人を聞くくらいなんてことないことなのに。
そもそも「好き」ってなんやねん。
小学校から付き合ってるとか、もうヤッたとかヤラないとかムダにませやがって。
なんだかブルーな気分が怒りにかわってきた。
んがぁぁぁぁあっ!!!と自分の世界に籠もっていると、「おはよう。どうした矢嶋?」と倉ちゃんが登校してきた。
「ぁん?あぁ。倉ちゃんおはよう。」
お前に好きな人聞かないといけないのが、なんとなくブルーなんだよ…と思う反面、目の前に倉ちゃんがいることでなんとなく気持ちが軽くなった気もした。
「倉ちゃん。好きな人とかいないの?」
「え。どうした急に。」
「いやぁ。いないのかなって思っただけ。」
困ったような、俺をバカにしたようなそんな笑みを浮かべながら席につく倉ちゃん。
「矢嶋が誰かおるってこと?」
「いや。そういうわけじゃなくて。ただなんとなくよ。聞いてみたかったの。」
「んー。いるよ。好きな人。」
「えっ!?誰っ!?」
「福田。」
「えっ!福田美沙!?」
福田はクラスの二軍のトップ的な存在だ。
小柄で勉強ができて、ちょっとだけキツめの目に、鼻は小さく、唇はちょっと大きめそんな子だ。
「どこがいいのっ?!」
「なんとなくだよ。なんとなく。」
「へぇ~。」
鳴海ドンマイと思いつつも、また昨日のキモチになった。
なんだこれ。
でもまぁ友達に好きな人がいるということは、良いことではないか。
「でさ。矢嶋女子となかいいじゃん?話してみたいんだよね。」
確かに、「男女別け隔てなく仲良くしてる」的なことが通知表によく書かれるくらい女子と仲がよかった。
「んー。別に普通にしゃべればいいじゃん。」
「矢嶋みたいしゃべれんのよ。緊張して。」
「だったら、昼休み大体女子俺のところに話しにくるから、一緒にいたらいいじゃん。そしたら、なんとなく二人で喋れる話題がありそうなら振るよ。」
「わかった。」
といった感じで話はまとまった。