第0章「バンドマン『転生』」
どうも加和伊。です。僕は今18歳でこの小説が初めてのストーリーになります。生暖かい目で見てあげてください。
俺は19歳、大学に行っているわけでも大手企業で働いているわけでもないいわゆる、
「フリーター」 だ。
だがこの生活にもいつか終わりがくるだろうなんて考えていた矢先に友達から声をかけられた。
「おーい、聞いてんのか?お前スタジオ行くか?」そうだ俺はバンドをしていたんだ。
「うん、行くよ。」
スタジオに着いて、チューニングやドラムのセットなどなかなかに時間のかかる作業をしていると、突然アンプから大音量のハウリングの音がしてみんなは目を閉じた。
「ん?ここは。」
手には少し練習しようとして持っていたアコースティックギターを持っていた、わかることはそれだけだった。
そもそもなぜ路地裏なんかにいるのか、バンドのメンバーはどこに行ったのか、そんなことを考えていると
「いました!待ってください王様!」
そんなことが聞こえてきた。日本に王様?なんて思って路地裏を出た。
そこには見たことのないイタリアのような町が広がっていた。
いかにも秘書のような見た目のやつがこっちに話しかけてきた。
「王様。ひっかかりましたね。自分から出るなんてやっぱりアホでs・・・」
俺はすぐに返事をした。
「王様ってどんなやつなんだよ。」
食い気味に秘書風の女が言う。「こんなんですよ!」目の前に鏡を突き出した。
「は?俺まだ19歳なのに・・・」
顔はシワだらけ、鼻は高くなっていて、目の堀が深くなっていた。
「いきますよ!」
強引に引っ張られた時に気がついた。
「なんでギターを持ったままなんだ?」
秘書のようなやつは不思議そうな顔をして聞いてきた。
「ぎ、たー?」
言い慣れていないのかカタコトで聞いてきた。
「そうだよ、ギター!」
何か不安になった。「ギターって?」そうか、やっぱりか。返事はせずに秘書っぽいお姉さんに着いていくことにした。
「着きました。」
日本には無いはずの大きな城に到着した。城の門が開くと、数えきれない人数が俺に頭を下げてきた。
「あ、どうも・・・」
こう言う時は何を言えばいいのかわからなくなる。会場のような場所に着いた時に驚くことを告げられた。
「開会式!?俺が?一般人ですけど!そういうのって王様とか偉い人がやるんじゃ・・・」
食い気味に秘書のような人が言ってくる。
「はい、ですからこうやって王様にお願いさせていただいているんです。」
どうやら自分が王様だと認めざるをえないようだった。「絶対俺じゃなきゃダメ?」悪あがきに聞いてみた。
数分後
「えーこの度は、お集まりいただきありがとうございます。もしよろしければ僕の演奏を聞いていただきたい。」
何かおかしかったのか?どうしてか異様にざわざわしていた。少し間を置いてから小柄な男が聞いてきた。
「王様。演奏というのは?」
どういうことかがわからず、少し悩んでいると、色々な人たちが聞いてきた。うるさくなったのでとりあえず大きな声を出して黙らした。
「おいー!」
みんなの視線を無視してチューニングを始めると、再びざわざわし始めてうるさかったので、ギターで演奏を始めた。ある人は演奏に感動し涙を、ある人は大盛り上がりで大きな歓声を。みんなが演奏を喜んで聴いてくれた。
開会式を終えて、部屋に戻り、秘書に聞いてみた。
「俺は少し記憶を無くしたみたいなんだ」秘書は信じていない様子だった。
「俺の情報があっているか知りたいからここがどこか教えてくれ。」秘書はにやけ顔で言う。
「王様が言ってくれれば合っているか間違っているか教えます。」
この秘書はドSだ。一切検討がつかない。もごもごしながら答えた。
「にほん。いやにっぽん。いやじゃぱん」
秘書の顔は元に戻って答えた。
「どこですかそれ。そういうところありますよね。」
そういうところがあるらしい。そんなことはどうでもよかった。
「だから記憶がないんだよ。地図を見せてくれ。」
秘書は気に食わないような顔で地図を見せてきた。俺はなかなかに頭が悪い。そんな俺でもわかるデタラメな地図を見せてきた。
「仕返しか?」
そう言ってみると、
「何がですか!」
そう言ってきた話を聞くとどうやらこれで合っているらしい。地図の右端を見ると
『Enorm』
と書かれていた。「これでエノーンっていうのか?」
机にあった紙に「日本」と書いて秘書に見せた。「こうじゃないのか?」秘書が笑って言った。
「王様は頭でも打ってきたんですか?そもそもどこの字ですか?」
やっぱり転生したらしい。あと絶対ドSだ。
どうもこんにちは投稿者の加和伊。です。
この小説は剣が出てきて相手を倒す。だったり、ラスボスをボコボコにしたりなど胸がドキドキするような話ではなく、バンドによくある対バンやバンドを組むところや主人公のポンコツを楽しんでもらう小説です。