目指す未来は何ですか?
「あ~ぁ、今日のテスト、最悪な感じがするよ~」
「気にしない、気にしない」
「どうせクラスの2/3が赤点でしょ。気にしても無駄、無駄、無駄」
春色スワン学園一年生、神楽ヒロリは16歳の可愛い女の子♪
今日は、学校で楽しい体育祭前の中間テストの日。
良い点数取るために、必死で猛勉強してきたヒロリだったけど、結局大して問題が解けなかったみたい。
学校の帰りは必ず、なかよし三人組で帰るのが当たり前になっていた。
テストの話しを最初にしたヒロリ。
気遣かってくれたのは、なかよしのフランス人の杉野ローラに生粋の日本人の神殿麗子。
二人は、ナイスバディの学園以外でも超有名モテモテ金持ち美女♪
ローラは、おっとりだけどしっかり美女♪
麗子は、ちょっとツンデレだけど、何でもできる才色兼備♪
帰りはいつも、この三人。
真ん中に、二人には負けるけど、元気いっぱいの可愛いヒロリ、そのヒロリの右側に麗子、左側にローラの定位置で、三人でいつもなかよく色んな話しをしながら、春色スワン学園の超リッチな女子寮に帰宅するのが日課になっていた。
「そんな事より、ねぇローラ、いつになったら三人で旅行するのよ!」
突然、話しを変えたのは麗子。
「前々から頼んでるでしょ、三人て超癒され旅行したいって!」
「ローラのパパ、フランス航空の社長だし、他にも色んな国の超有名な航空会社経営してるでしょ。三人だけだし、簡単でしょ、チケットからホテルから、色んなの」
「もぅ、ホント、麗子ちゃんは焦りすぎ!こうしたのは、しっかりプランを練らなくちゃいけないの!はぁ~、癒される旅行ってステキだよね~♪」
「もう、アンタの航空会社が用意しないなら、アタシんとこで用意しちゃおっか?」
「また~、麗子ちゃんに任せたら、自分だけ癒される様にしちゃうじゃないの。だから、ヒロリちゃんに、麗子ちゃんだって、私に全部任せるって言ったんだから」
「はいはい、そ~でした、そ~でした。じゃ、早めにプランたててね」
会話からしても良くあるパターン?ってな感じで、超お嬢様、お坊ちゃましか通うことのできない春色スワン学園でも、1、2を争う超超超大金持ちの杉野ローラに神殿麗子は、金銭感覚が一般的な金持ちから見ても、ずば抜けて常識はずれだった。
そんな二人の会話を黙って聞いていた神楽ヒロリも、二人には及ばないけど、一般的な金持ちよりは、上の金持ちの家に生まれた女の子だった。
ローラのパパは、フランス人、母親は、フランス人に日本人のハーフ、ローラは、春色スワン学園に入学するまではイギリスで母親のアンと暮らしていた。
本当は、イギリスのハイスクールに通う予定だったが、父親が、日本好きで無理矢理、春色スワン学園に入学させたのだった。
では、麗子は?そんな疑問に応えるが、神殿麗子の家は、日本では、貴族にあたる由緒正しい公家の家系。
実際には、公家というより、それはそれは昔の天皇の家系なんだそうだ。
ただ、余り公言できないのは当たり前で、公家の家系で通しているようで、金持ち以上の権力も持っているって噂が、学園でもまことしやかに飛びかってるらしい。
麗子本人は、単なる金持ちなだけって弁明をして、うまく噂をかしているみたい。
財力、権力、申し分無し+才色兼備の杉野ローラに神殿麗子は、春色スワン学園以外でも、超目立ち、たまに海外雑誌のモデルなんかしている。
二人は、同じクラスになった時に、周りだけじゃなく、本人同士も、ライバル心なのか、同類の香りがしたからか、意識し合っていたが、周りからの注目でライバル心が目立ち始め、派閥までできそうな雲行きになり始めた頃に、それなりに金持ちな神楽ヒロリが、アメリカから転校し、二人のクラスに入ったのだった。
ローラに麗子は、ヒロリなんて眼中にはなかったが、二人がライバル心でいがみ合い始めそうな時に、必ずヒロリが近くでやらかし始めたのだった。
有名なブランドの限定バックをお互いが一早く入手し、見せ合い派閥も含め、バトルが起こりそうな時に、二人の側で、転校してきたヒロリが、男子トイレに入って行くのが二人の目に入り、二人が止めに走る。
別な日に、今度は、海外のスターのパーティに出席した話しでバトルを展開し始めようとしていたら、今度は、ヒロリがミニスカートの学生服で、空調がしっかりしてる教室なのに、机に片足おいてパンツまる見えでウチワを扇ぎ始めたら、ローラに麗子が走ってパンツまる見えを体で隠し、二人一緒にSPに電話し、扇風機でも冷風機でも空調服でもかき氷でも何でも良いから持ってこさせ様とする。
何故か、ローラに麗子が、派閥に担がれバトルを繰り広げ様としたら、必ずヒロリがやらかし始め、これまた何故かローラに麗子の二人は、バトルどころの心境ではなくなり始めたのだった。
それが、毎回毎回続く内に、三人には奇妙な関係が出来はじめ、ヒロリが何かをやらかさない様に、ローラに麗子が見張る、そんな学園生活が始まったのだった♪
ヒロリには、自覚症状がないらしく、何故、ローラに麗子が、自分に構うのか意味が解らなかったらしいが、今でも解ってないらしい・・・ローラに麗子は、アメリカで住んでたから、ちょっと感覚が違うから、私達二人が教えてあげなくっちゃいけないねで、解決した事にした。
そのお陰で、ローラに麗子は、ヒロリを見張るために、話しをしたりお互い協力している内に、ライバル心も派閥もバカバカしいって気づき、ライバル心よりも、お互い、何だか似てる何かを感じ始め親友、いやヒロリをまともにする同士になっていたのだった。