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コード・ゼロ  作者: 黒雪
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悪魔狩り

 休日にパソコンが使えなくて投稿遅れてしまいました・・・

 中型の悪魔が数体、剱の方を睨んでいる。

 悪魔の中には、知能が発達したものも存在する。

 そのため、自身より身体が小さいからといって躊躇なく襲い掛かる、などといったことはしない。

 だが、それは一部の悪魔の事に過ぎない。

 「ウ・・・ウオオオ!!!」

 野太い奇声を発しながら悪魔が剱に鉤爪を向ける。

 剱は回避を選ばずに逆に悪魔の方へ走り、振り下ろされた爪と悪魔との間に出来た空間へ潜り込む。

 「先ず一体」

 一瞬の迷いなく、ブレードで悪魔の首を刈る。

 賢い悪魔というのは、獲物の隙を伺って奇襲をかける。

 剱が一体目の悪魔を鎮めたのと同時に、人型の悪魔が剱の背後を狙う。

 ブレードを引き抜き、その勢いで体をひねり、ブレードで悪魔の手を弾く。

 「はいお疲れ」

 弾かれた反動で、隙を見せた悪魔に、ハンドガンを向け、トリガーを引く。

 ハンドガンから紫電を纏った弾丸が放たれ、悪魔の眉間を貫いた。

 二体の悪魔を排除し、武器を一度下ろそうとしたが、自分ではない他の気配に剱は振り返り、再び武器を構える。

 「・・・まだいるのか」

 次は、群れを成して行動するタイプの悪魔だ。

 だが、タイプの違う悪魔が一部に集まっていることに違和感を覚えながらも、剱は余裕そうに肩の力を抜いて、小さく息を吐いた。

 「そうだね、同じものばかりじゃつまらない」

 剱がブレードとハンドガンを軽く上へ投げる。

 「色々試させてもらおうかな。・・・換装」

 剱がそう言うと、投げたブレードとハンドガンが消え、それと入れ替わるように大型の機関銃が二門出現する。

 軽量化が施されているとはいえ、かなりの重量の機関銃を、剱は容易く腕に装着した。

 間髪入れずに射撃体勢に入り、群がっているところへ二門同時に射撃を始める。

 散弾の嵐が悪魔を蹂躙する。

 「ん。これの調子も良さそうだ」

 悪魔を一掃した後、剱は満足そうに銃を下ろす。

 「換装」

 剱は武器を元に戻し、辺りを見る。

 ここ周辺は剱がよく来ている場所で、街からはかなり離れており、多少大きな音を出そうと街には届かない。

 そのため、先の銃撃の音を他の「人間」に聞かれる心配はない。

 だが、また悪魔が集ってくる恐れはあった。

 暫くしてとりあえず落ち着いた事を確認すると、転がっている屍を気にする素振りも見せずもと来た道を戻る。

 歩きながら剱は端末を取り出し、何処かに電話をかけ始める。

 「・・・あ、繋がった。俺だけどー」

 あくまでも「外」に居るというのに、全く緊張感の無い声で端末の向こうにいる人物と話している。

 「ぅん?名前を言えって?はは、相変わらず妙な所で細かいなぁじょーさんは。

 ・・・ん、武装の調子は上々だよ。またそっちに・・・ああ。よろし頼むよ」

 何やら二言三言言った後、剱は端末を閉まった。

 「さて、どうするかな。ま、いつも通り紫苑の所にでも行くか・・・」

 そう呟くと、剱は急に立ち止まった。

 「ま、ここからなら近郊辺りまでは行けるかな」

 剱がブレードとハンドガンから手を離す。

 そして二つが消えた後に、剱もその場から姿を消した。


 所変わって、街にあるファミレスの、隅の方の席に紫苑と雪那が座っている。

 「あの・・・本当に良いんですか?」

 「その言葉聞くの何回目だろうな・・・」

 もう既に入っているのに、雪那はまだ申し訳なさそうに言う。

 「俺は全然大丈夫だよ。

 ・・・というか、流れで押し切った感じになっちまったが、雪那こそ迷惑じゃなかったか?」

 それこそ今更、といった感じだが、紫苑は渋い顔で尋ねた。

 「い、いえ、そんな事は全く!むしろ・・・その、気を遣ってくださったのは、とても嬉しいです」

 雪那は紫苑の言葉を手を振りながら必死に否定する。

 ちなみに紫苑が「雪那」と呼んでいるのは、雪那が自分だけ名前で呼ぶのは・・・という事で、紫苑も名前で呼ぶ事にしたからだ。

 「やー・・・雪那って結構声かけられる事とかって多そうだし、こういうのってあまり良く思ってなさそうだからさ」

 「えっと・・・ええ、まあ・・・」

 紫苑に配慮する場合、どう答えればいいのか悩んだのか、それとも声をかけられる事が多い、の方に反応したのか。雪那は曖昧な返事をした。

 「ですがこうしてみると悪い気はしませんし、それに・・・」

 雪那は気の重そうな紫苑の顔を少しの間直に見た後、

 「他人ひとをお茶に誘った事をそんなに気にかけている先輩に、他意は感じませんしね」

 そう言って優しく微笑みを浮かべた。

 「・・・おー、そうか?」

 雪那の天使の様な純粋で可憐な笑顔に見とれる、という事は紫苑には無かったが、雪那が気にしていないという事が分かって紫苑は安心したように口元を緩めた。

 そうこう話していると料理が運ばれてきた。紫苑はもう済んでいるので、ドリンクバーのコーヒーをちまちまと飲んでいるだけだ。

 あまり人の食事中を見る行為は良くないと思ったのか、紫苑はなるべく見ないように外を眺めていた。


 「そういえば・・・雪那は攻魔科に入ってるのか?」

 雪那が大半食べ終えたところで、紫苑が何気なく話を持ちかける。

 「え?は、はいそうですが・・・」

 「なるほど。なら戦闘の心得があるのも納得だな」

 コードセブンだから、などという理由は間違っても口にはしない。

 「・・・っ」

 紫苑がそう言うと、雪那は怯んだように動きを鈍らせた。

 雪那がそういう反応をするのは紫苑の予想通りだ。

 紫苑は、話術に長けているとは言い難い。

 露骨に話を逸らしても逆効果だという事は大体察しがついた。

 「今時悪魔の出没例も少なくねぇし、護身用の武器を持ってても別にそんなに負い目に感じる事ない気がするんだが」

 「・・・そう、でしょうか」

 雪那は俯いていた顔を少し上げた。

 「あまり詮索するつもりはないが、雪那はなんでそんなに負い目を感じてるんだ?」

 「・・・私は、あまり「戦っている自分」が好きではありません」

 紫苑が問うと、雪那は手を膝に置いて、控えめながら話し始めた。

 「能力は確かに強力です。この島が普通の街より遥かに上の発展を遂げているのも、能力の恩恵が大きく関わっています」

 「まあ、そう・・・だな」

 「その中でも人が能力を持ったことにより、急激な発展を遂げたのは「軍事力」です。

 能力はある程度法で規制がかかっていますが、その抑制力には限界があります。使い方によっては簡単に凶器に変わる・・・私の能力も、そういうものです」

 「ふむ」

 紫苑は前半は考える事を放棄していたが、そこからは雪那の言いたいことは良く分かった。

 「・・・時折、感じる事があるんです。剣を握っていると、私の心が、黒く染まっていくような・・・私ではない何かに蝕まれるような感覚に襲われて・・・」

 雪那は自分の胸元に手を当て、その手に僅かに力を込めた。

 「それでも、私の力は、戦いに役に立ちますから・・・それが何かを傷つけるものでも、誰かを、何かを助けられるのなら、私はこの能力を持つものとして、戦おうと思っています」

 「ふぅん・・・」

 そこまで話すと、雪那ははっとして紫苑の方を向いた。

 紫苑は興味深そうに雪那を見ていた。

 二人の視線が合った瞬間、雪那の顔が一気に紅潮する。

 「あ・・・す、すいません、こんな話を長々と・・・」

 言っていることが最早学生のものでは無くなっている。

 おそらくはコードセブンとしての考えなのだろう。

 「いや、いい。俺も攻魔科だから、なんとなく分かるしな。

 ま、深く考えすぎるのは良くない。・・・それに、雪那なら大丈夫だと思うぜ」

 「え・・・?」

 「雪那は強い人間だよ。まあ個人的な意見だが、それだけ己を持っているなら狂う事はないさ。下手に力に対して負の意識を持つより、自信を持っていた方がずっといい」

 「・・・」

 雪那は紫苑の話を聞きながら、さっきまでとは違って、自然と紫苑の顔を見つめていた。

 「ん?どーした?」

 「いえ・・・紫苑先輩は、不思議な方ですね」

 柔らかい表情で、雪那はそう言った。

 「そうか?」

 「あ・・・悪い意味では無くて・・・」

 雪那は「不思議」の意味を訂正しようとする。

 「や、それは分かってるけどさ」

 

 「あれは、どういう状況・・・?」

 ミカヅキは外から、ファミレスの中の様子を見ていた。

 偶々通っただけなのだが、普段ならあり得ない光景に、呆然と立ちすくんでいた。

 「どういう状況だあれ・・・」

 その丁度横で、剱もその様子を見ていた。

 「「(雪那の)(紫苑の)横にいる人は誰・・・?」」

 流石に剱でも、目の前の状況を理解する事は無理が過ぎた。

 だが少し理解が遅れたものの、剱はすぐさま状況を整理し、一つの結論を出した。

 「なるほど、そういう事か・・・あ、出てきた」

 紫苑と雪那が、ファミレスから出てくる。

 剱は紫苑が雪那と別れた所を見計らって、紫苑の方に歩み寄る。

 「あ、剱じゃん。偶然・・・」

 紫苑も剱に気づいて、軽く手を挙げた。

 が、剱は呆れたような、げんなりとしたような顔で溜息を吐いた。

 「新春の朝早々からナンパか・・・」

 「ちげぇよ?」

 「誰あの娘、見た目に新入生?まあかなり可憐な容姿はしてるけどさ」

 「話聞けよ。ちなみにあの娘が真白 雪那なんだとさ」

 完全に聞く耳を持っていない剱に怠そうに紫苑が答える。

 「・・・へぇ?」

 その情報を聞いた瞬間、剱は言葉を止めた。

 「なら何でその真白さんと紫苑が一緒にいたんだ?」

 「それがさー、かくかくしかじかで」

 「あーうん。ごめんかくかくしかじかじゃ分からない」

 「そこは理解しろよ。親友だろ?」

 「無理言うな」

 いつも繰り広げている日常茶飯事に、やれやれ、と剱が微笑をうかべて首を振る。

 紫苑もそれにつられて笑った。

 「あ、そーだ外行ってたんだろ?パンでも食うか?」

 「ナチュラルに残飯処理をさせようとするな」

 「何故ばれたっ!?」

 「今までファミレスにいた奴が何言ってんだ・・・」

 剱は呆れ半分で紫苑の取り出したパンを半分取りそれを口にしながら、紫苑は残りをしまいながら、二人は同じ方向へ歩いて行った。

 最近夜行性になりつつある黒雪です。基本休日にしか作業が出来ないので、休日にパソコンが使えなくなると遅れてしまうんですよね・・・。

 そんなこともあって次の投稿は少し遅れるかもしれません・・・。

 ですがなるべく早く出せるようにはしたいと思っていますので、これからもよろしくお願いします。

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