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誘拐④

ヒゲが土下座した後は警備隊らしき人達も手を出してこなくなった。

そりゃそうだよね、頼りにした人が本気の土下座だもん。


私達は土下座しているヒゲを尻目に王城へと向かった。

門番の人はお祖父様を見たらすぐに門を開けてくれ、どうやら伝令を走らせてくれたようだ。

たぶん王様に知らせに行ったのかな?



城に入ると私達はある部屋へと案内された。

さすが西の国の王城、この部屋も華やかな雰囲気だ。

待つように言われたのでひとまず出されたお茶を飲んで、ひと息ついてみた。


すると5分もしないうちに部屋をノックする音が響き、入って来たのは……



「リリーナ!よく来てくれたね !」


勢いよく登場したのはもちろんクリス様だ。

その後ろには息を切らしたライアンさんとソールさんがいる。

もしかして全力疾走でここまで来たんですか?


「クリス様お久しぶりです、でいいのかしら?あまり別れてから時間は経っていないような気もしますが。」


「私にとっては長かったよ。是非ゆっくり滞在していってほしい。出来ればこのままずっとここにいてほしいけどね。」


クリス様ったら。

でも笑って言っているけど、目は結構本気だ。

何かを感じ取ったのかアレン君とアンジュさんは警戒しているし。


私達が挨拶をしているとユーリさんがサナに何か小声で語りかけている。

うん?なになに?


『え?え?え?あ、あのみなさんクリストファー様とお知り合いなんですか?』


……あ、そうか。

ユーリさんにクリス様と知り合いと言うの忘れてた。

ユーリさん的には私達はお城に行く途中ということしか情報なかったんだね、ごめんよ〜。

私はクリス様にユーリさんを紹介することにした。



「クリス様、こちらの方ユーリさんとおっしゃるんですが……クリス様に渡したい大事なモノがあるそうなんです。お話し聞いていただけますか?」


「うん?私にかい?えっと君は……初めましてだね。」


突然私にクリス様へ紹介されたユーリさんは、ちょっと焦っているようだ。


「あ、はい!初めましてでしゅ……いえ初めまして。私はバルト伯爵家のウエンディ様にお仕えしているユーリと申します。不躾ながらこの紙をご覧になっていただきたいのです。」


そう言うとユーリさんは震える手で紙をクリス様へと差し出した。

いきなりクリス様との対面だったから緊張しちゃったんだね。

クリス様はユーリさんを安心させるように笑顔を見せて、ユーリさんから紙を受け取った。


「じゃあ、ちょっと見させてもらうね。」



クリス様が紙を読み進めるうちにその表情が変わっていった。

最初は何も表情を浮かべていなかったが、途中で難しい顔になり、最後はすごくイイ笑顔になっている。

読み終わったクリス様はユーリさんの方を向くとこう言った。


「ありがとう。これで問題は解決出来るかもしれない。それに君の大事なウエンディ嬢も助けられる。」


クリス様の言葉にユーリさんは安堵からかその場に跪き、両手で顔を覆って泣き出した。

その口からは感謝の言葉が重ねられている。

ただ私達はちょっとよくわからない。

これってどうなっているのかな?



「ああ、すまない。リリーナ達を忘れていたわけではないんだが、思いがけず良い情報が入ってね。しかし、リリーナ達がユーリ嬢を助けてくれて助かったよ。おそらくリリーナ達が助けに入ってくれなければまた犠牲が増えるところだったよ。」


犠牲って……そんなに大変な状況になっていたの?

まあ、アレだけ執拗に狙ってきてたんだから敵さんも必死だったんだろうね。

ところで敵って誰なんだろう?


「あのクリス様、ユーリさんを狙ってきた人について聞いてもよろしいですか?」


「ああ、リリーナ達には聞く資格があるだろう。この国の恥を晒すようで恥ずかしいんだけど、ある公爵家が絡んでいるんだ。ずっとグレーというか、絶対クロだと思っていたんだがなかなか尻尾をつかませてくれなくてね。だけどユーリ嬢が持ってきてくれたこの証拠でなんとか戦えそうだよ。」


ほほう、西の国でもそんなことがあるんだね〜。

でも……今までクリス様達王家の方々からの疑いの目すら避けていたその公爵家がこのまま大人しく引き下がるのかしら?



「どれ、そろそろ王に挨拶にでも行ってこようか。とりあえずリーフィアとリリーナついて来てくれ。他のみんなは悪いがもう少しここで待っててくれないか。」


お、お祖父様、何でそんな簡単に王様に会いに行こうとしているの?

しかも王様からの呼び出しではなく、お祖父様のタイミングで行くの?

大丈夫なのかな〜と心配してみたが、お祖父様とお祖母様は勝手知ったる何とやらでスタスタと城の中を歩いて行く。

もちろんクリス様も近くにいるから出来るワザなんだと思いたい。



歩いて行くうちにひと際豪奢な扉の前に辿り着いた。

ここに西の国の王様、クリス様のお父様がいらっしゃるのね。


扉をノックし、ライアンさんとソールさんが扉を開いてくれた。

その先に見えた光景は…………あ、アレ?

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