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しばらくするとお祖父様が誰かを引きずってきた。

あれ……大丈夫かな?

エリのところ持っているから首が……。


近づいてきて見えた人の髪の色は、黒だった。

でも…………ダレ?

黒ってことは東の国の人だよね。

顔は一言で言うとイケメンだ。

ある意味いろいろなタイプのイケメンを見てきた私が言うのだから間違いない。


でもそのイケメンさんは今不貞腐れた顔をしている。

まあ、引きづられちゃったからね〜。



「ほら、一緒に連れて行ってやるから馬車に乗れ。」


お祖父様がそう言ってその黒髪イケメンさんを馬車の中に放り込んだ。

お祖父様、説明、説明。

…………って説明なしかい!


お祖父様は黒髪イケメンさんを馬車に放り込むとすぐに馬車を走らせ始めた。

馬車内は微妙な空気が流れている。

駄目だ、この空気には耐えられない。

ここは私が動かねば。


「あ、あの、私の名前はリリーナと申します。あなたは……」


私が声をかけるとその黒髪イケメンさんは不思議そうな顔をした。

え?何でそんな可哀想な子を見るような目で見るの?


「知っている、俺、前名前教えたぞ。」


「あっ、その声と話し方は………サスケさん?」


独特の話し方は紛れもなく以前会ったシノビのサスケさんだ。

思えば覆面の下の顔は見たことがなかったが、まさかこんな顔だったとは。

でもこの顔誰かに似ているような。



…………よし!思い出せないからいいや。


黒髪イケメン改めサスケさんは相変わらず不機嫌そうな顔をしている。

お祖父様に引きづられたのがそんなに嫌だったかな?


「えーっと、どうしてサスケさんはこちらにいらっしゃったんですか?」


「……本当に、何でだ?俺が、聞きたい。あんたの、ジイさん、何なんだ?」


お祖父様が何者かと聞かれると困るね。

だって私だってお祖父様がいろいろな場所でいろいろやっていることの全貌を知らないし。

するとお祖母様がサスケさんに話しかけた。


「あなた、サスケさんと言いましたか?ハンゾウさんがあなたに私達の後をつけるように命じたのですか?」


「別に。ハンゾウは、言ってない。俺の、勝手だ。」


ふーん、サスケさんの独断でくっついてきたんだ。

でも、ハンゾウさんは知ってて放置したんだろうね。

あれで一応元頭だったんだから。

そして今度はアレン君がサスケさんに問いかけた。


「んじゃ、何で後をつけて来たんだよ。」


「…………。」


「おい、俺は無視か?!」


「…………。」


何故かアレン君の質問には全く反応しない。

というか目すら合わそうとしない。

あ〜〜、馬車内の雰囲気は最悪だ。


その後もサスケさんは自分から話すことはなく、じっと目を閉じたままだった。

眠っているわけではなさそうだけど、話しかけるなオーラが出ていた。



外はだいぶ日が傾いてきた。

今日はこの辺りで休むようだ。

普通貴族なら野宿などせずにもっと前の村などで宿を取るのだろうけど、私達は別に気にしない。


世界各地を放浪する2人(お祖父様&お祖母様)、小さい頃から領地の魔物を狩りまくる2人(私&サナ)、逞しく平民を生活を送っていた2人(アレン君&アンジュ様)、そしてシノビのサスケさん、宿屋に泊まる必要など何処にもない。


私達は慣れたものでも野営の準備を始めた。

お祖父様とアレン君が鳥をゲットしてきた。かなり大きめだ。

お祖母様とサナがスープを準備している。

私とアンジュ様は周りに警戒しつつ、テントの設営。

ちなみに馬車内に女性陣が休んで、男性陣がテントだ。

そしてサスケさんは何もしないのかと思えばそんなことはなく、枯れ木を大量に集めたり、何処から採ってきたのか果物を沢山持ってきてくれた。

やるね〜、シノビ。


あっという間に準備が出来て、ご飯を食べながらお祖父様が話し出した。


「さっきは突然馬車内に放り込んですまなかったな。とりあえず説明は後でもいいかと思って……。あ、いや、本当にすまん、リーフィア睨むのはやめてくれ。」


お祖父様がお祖母様の視線に怯えている。

どれだけお祖母様が怖いんだ?


「こほん。このシノビ、サスケはハンゾウの弟子でな。ハンゾウからはもしもこいつが自分からついて行こうとした時は連れて行ってやってくれと頼まれていたんだ。だいぶ離れたところから後をつけていたようだったが、ついてくる気はあったようだったので無理矢理馬車内に放り込んだんだ。」


結局何でサスケさんは私達について来たのかな?

ハンゾウさんの命令なわけでもないんだよね。


「みんなが気にしているのは何故サスケがついて来たかだろう?ほら、自分で理由を説明しろ。」


お祖父様がサスケさんに話すように促した。


「…………面白い、から。」



え?

面白いから?何が?

その後の言葉を待ったがそれ以上サスケさんが話すことはなかった。




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