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時間にして2、3分だが、私にすれば数時間にも感じる時を過ごした。

クリス様の腕の中で。

うっ、うう、恥ずかしかったよ〜〜。

せめてもの救いは家族だけの空間だったことだ。

あの場にサナ達がいたら…………恥ずかしさのあまり屋敷を飛び出して何処かへ逃走したくなったと思う。

いや、絶対に実行したはずだ。


ちなみに今クリス様は私の隣に腰掛けている。

距離が近過ぎないかな?

私がそんなことを考えてクリス様の方を見ていたらそれに気づいたクリス様がとびっきりの笑顔を繰り出してきた。

くぅ、眩しすぎだ。



「それにしてもクリス王子、到着が早過ぎではありませんか?」


お祖父様が呆れたように問いかけた。


「それはそうですよ、リリーナの一大事ですからね。リリーナが強いのはわかりますがそれとこれとは話が別です。戦争を仕掛けてきた南の国にはきっちりわからせてきましたから……西の国に戦争を仕掛けることがどれだけ馬鹿なことかを。」


こ、恐い!

なんかクリス様から出てる、黒いオーラが……。


「して、お供も連れずにこちらに来たのですか?」


「いや、供はいたのですが……私のスピードについて来れず、まあ、あと数時間もすれば来ると思いますよ。」


クリス様、お供置いてきちゃったんだね。

今頃きっと焦っていると思うよ。


ひとまずみんな魔物狩りだったり、南の国退治だったりで疲れているだろうということになり解散の運びになった。

私は待っていてくれるであろうサナ達のところへと向かおうとした。

そこへクリス様が話しかけてきた。


「リリーナ、私も一緒に行ってもいいかな?」


む、こんな笑顔で言われたら断れやしない。

とりあえずいきなり抱きついて来ないのであれば良いですよ〜と心の中で思いながら了承した。

そうしたら何故か兄もついてきた。

アレか?サナ目当てか?

私達は揃ってみんなが待つ部屋へと向かった。



「「「リリーナ様!」」」


3人はホッとしたように近づいてきた。

私の側にクリス様がいることにちょっとびっくりしているようだ。


私は心配しているであろうみんなに魔物の脅威は去ったことを伝えた。

ただ、魔物の発生原因についてはお祖父様の許可もないのに話せないと思い黙ったままだった。

だけどそんな私の考えを吹っ飛ばすように兄がやってくれた。



「しかし、魔物が人々の不安が高まった時に現れるとは思わなかったな〜。」


あ〜〜に〜〜!

人が悩んだ結果言わなかったことを何のためらいもなく喋ったよ。


「お、お兄様……たぶんその話かなりの機密事項だと思いますよ。お祖父様の許可なくお話するのはとってもまずいのではないでしょうか?」


しかし兄は全然気にする風もなくこう言い放った。


「リリーナ、サナ達は家族みたいなもんだろ?なら大丈夫さ。それにたぶんサナも双子もリリーナに意地でもついてくるだろうしな。理由、わかってた方がいいだろう?」


兄は笑顔でそんなことを言った。

もしかしたら言い出せない私の代わりに言ってくれたのかな?

ちょっと兄を見直したと思っている時に兄が続けてこう言った。


「それに、理由知ってるってわかったらサナのことだってどこにも嫁に出したりしないだろうしな。」


…………コワっ!

何それ、兄が頭使ってる?!

外堀必死で埋めてんの?

ほら、サナだって固まっているよ!

突然の兄の言葉にみんな凍りついている。

ところで兄はサナへの気持ちは自覚したのかな?


何とかこの凍結から1番初めに回復したのはクリス様だった。


「り、リカルドもそんなことを考えるようになったんだね。まあ、気持ちはわからなくもないが……。でも、自分の言葉がどのくらい相手に影響を与えるか考えた方が良いと思うよ。……ほら。」


クリス様がそう言っている間にサナが復活して、そして……逃げた。

なんか顔を真っ赤にして、今までに見たことのないくらいの早さで部屋を出て行った。


「あ、あれ?何でサナ行っちゃったんだ?」


兄が不思議そうにサナが出て行ったドアを見つめている。

考えて言った言葉じゃないの?

もしかしてまた無意識発言ですか?!


こんなんじゃいつまでたっても兄に嫁は来ないかもしれない。

そうしたら私が婿をもらうしかないんじゃないのかい?

そしてゆくゆくは全国行脚の旅に出るとか…………良いかもしれない。

その為にはまず結婚相手を見繕わないとね〜。

私がそんなことを考えているとクリス様が私に話しかけてきた。


「リリーナ、お願いがあるんだけどいいかな?」


「お願い、ですか?私に出来ることなら良いですよ。」


「ああ、ありがとう。リリーナにしか出来ないことだからね。」


うん?

私にしか出来ないこと?

何かな、魔物狩りのお手伝いとか?


「私の国に来て、私のお嫁さんになってくれないかな?やっとイロイロ落ち着いてきたんだ。私と結婚してほしい。」


…………ええええ〜ーー!!

け、結婚って。

以前もそれらしいことを言われたけど、もう一度デスか?


バキバキ!!


な、何の音?

音のする方を見ると…………あ、アレン君。

アレン君が目が笑っていない冷たい笑顔でクリス様の方を見ながら近くにあった木製の椅子を破壊している。

どういう状況?

ついでにアンジュ様も顔を強張らせて手に持っているカップを握っている。

ま、待って!ちょっとヒビが〜〜!


ど、どうしたらイイの?

だ、誰か助けて!




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