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王子再び➅

どうやってこの場を切り抜けようか。

一緒に踊るのは生理的にイヤだ。

この人、割と顔立ちが整っているようだけど日頃レオン様や兄、アレン君を見ている身としては全く惹かれる部分がない。

そして何やらこの、人を見下してくる感じがまたイヤな雰囲気を醸し出す。


「………リリーナ様!」


どうやら私が返事をしないことに対してしびれを切らしたようだ。

確かに無視はダメだよね。


「申し訳ございません。久しぶりのパーティーだったので人に酔ってしまったようですわ。本当に申し訳ないのですがダンスはまたの機会にお願いいたします。」


私の言葉を聞き彼の顔が変わった。

何だろうこの獲物を狙う目つきは……。

コレはアレだね、実力差がわからない魔物がしてくる目つきだね。


「そうでしたか。それは気付かず申し訳ございませんでした。良かったら空いているお部屋にご案内しますよ。少し休まれた方がよろしいでしょう?」


そう言うと私を部屋へ誘導しようとした。

………やっぱりアウトだ。

顔も残念になっている。


「ご心配おかけして申し訳ありません、でも大丈夫ですわ。それに友人を探さなければいけませんので失礼いたします。」


これ以上顔も見ていたくなかったので私は手早く挨拶をしてその場をあとにしようとした。

すると今までの辛うじて紳士的な態度が一変した。



「……こっちが下手に出てたらその態度か。王子に婚約破棄されて相手がいないようだから見合いを申し込んでやったのに無視するし、今もその態度……。ああ!もう面倒だ!いいからこっちに来い!特別に俺が相手してやるからよ。」


……本当に貴族ですか?あなた?

いきなりの豹変にさすがにビックリしてしまった。

そんな私の態度も気に入らないのか私を無理やり部屋に連れて行こうと手を出そうとしてきた。

よし!正当防衛のチャンス!



……が手が止まった。

いや、止まったというか止められている。

いつの間にかバカの後ろに人が立っている……2人も。



「「リリーナ様大丈夫ですか!」」とアレン君とアレク様。


2人も今お互いに気付いたようでちょっと驚いている。

ちなみに両手を2人に抑えられているバカは悶え苦しんでいる。

だって確実にひねっているもんね、どっちも。


「2人ともありがとうございます。ただ、お2人のお力でそのひねり具合ですともうそろそろまずいと思うので……離した方がよろしいのでは?」


「ははっ、リリーナ様は優しいなぁ。こんな奴どうなってもいいのに……。」


「そうだな、リリーナ様はやっぱりお優し過ぎますよ。心配しなくてもこの場からいなくなるので大丈夫ですよ。このまま騎士団のある部隊に渡しますからね。きっとやさしく指導してくれますよ。」


そう言うとアレク様は近くにいた人に目配せをした。

するとわらわらと5人くらい人が集まって来た。

よく見るとこの間領地に来ていた騎士団の人達だ。

5人はバカを取り囲むと素早く連行して行ってしまった。

うーん、あの5人って確か私が潰した幻の『リリーナ様に〜隊』の人達では?



「リリーナ様、お側についておれず申し訳ありませんでした!」


「アレンが悪いわけではないですよ。アレンだって大変だったでしょう?着いて早々令嬢方に連れ去られちゃいましたからね。」


「はあ〜、本当に何であんなにパワフルなんでしょうね?俺なんて構ったってしょうがないのに……。」


アレン君はそう言うけど今日のアレン君はとっても素敵なんだよね。

普段着飾ることが嫌いだからシンプルな洋服を着ているけど、今日はパーティー仕様。

どこかの王子様のような風貌だ。

綺麗なものに目がないご令嬢方には垂涎ものだ。


「リリーナ様、どこもお怪我はありませんか?助けるのが遅くなってあんな暴言までお耳に入れることになってしまい申し訳ありませんでした。騎士団の方で責任を持って処分しておきますのでご安心を。」


何やら最後の方はイイ笑顔で言ってたけどアレク様ってやっぱりイイ性格だよね?

今日のアレク様は騎士団の制服ではなくパーティー仕様だ。


「アレク様は今日は公爵として参加されているんですか?」


「そうですね、公にはそうです。ただ、今も見た通り部下達が何人か騎士団の制服ではなく紛れ込んでいます。何かあった時に動けるようにね。私も半分以上は仕事ですよ。」


「そういえばお兄様を見ないのですが……どこにいるのかしら?」


アレク様は苦笑いを浮かべながらこう言った。


「隊長でしたら……ほら、あそこにいますよ。」


アレク様が指差す方を見ると……いた。

しかも、あれ?私の目がおかしくなったのかな?

ちょっと目をこすってからもう一度見てみた。

やっぱり目はおかしくなってない、現実がおかしい。

な、なんと兄が3人の女性に囲まれている!!


「え?お兄様が……令嬢と談笑デスカ?」


「ふふっ、信じられない顔をしていますね。普段隊長はあまりこういうパーティーで参加者側には回らず制服で警備につくんですが、今日はほら、制服じゃあないでしょう?そうすると意外とオモテになるんですよ。」


ガーーン!

初めて知った。

そうだよね、いつも制服だったから令嬢方も声をかけなかったんだ。

えーー、兄がモテるだとぉ〜〜。


…………サナに言いつけてやろうか。

サナが留守番しているのに他の令嬢と談笑なんて許せん。




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