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王子再び⑤

さてこの状況はどういうこと?

今私は絡まれているらしい。

うーん、一応パーティー会場だし投げたらダメだよね?



冷静になる為に今までの出来事をまとめてみようか。



➀家にパーティーの招待状が届く


➁王家主催の為出ないわけにはいかない。(しかし父はあんなの出なくてもいいって言っちゃったけど)


➂アレン君とアンジュ様も出席出来るようなのでみんなで出席する。(サナは留守番)


➃会場に着くとアレン君がお姉様方にさらわれる。


➄アンジュ様がいつの間にか増殖していた『アンジュ様のロッドに打たれ隊』のみなさんに囲まれる。


➅レオン様目当ての婚活女子に絡まれる。


今この➅の状態。

女の子を投げるわけにもいかないし、どうしたものか……。


「………ねえ!ちょっと聞いてらっしゃるの!」


うん?

何やら騒がしい。

思考の海から浮かび上がってみると、何やら絡んできていた御令嬢方が御立腹の御様子。

あ、なんか今いっぱい「御」がついた。


「………いい加減話しを聞きなさいよ!」


あれ?

また怒っているよ。

しかもちょっと涙目だし。

私何もしてないよ。


「貴方ねえ、婚約破棄されたくせによくのこのことこの場に来られるわね!」


「そうよ!レオン様はもう新しい婚約者を探してらっしゃるのよ。貴方の出番はないわ!」


「何よ、ちょっと頭が良くて、王妃様の覚えが良くて、可愛いからっていい気にならないでよね!」


よくこんなにポンポン出てくるね〜。

しかも最後の方は褒めてくれているのかな?

みんなレオン様のこと狙っているんだね〜。

いいよ、いいよ、頑張って射止めて下さいな。

私応援するよ!


私が何も言い返さないことに腹を立てた1人の令嬢が私のことを押して、バランスを崩させて倒れさせようとしてきた。


ドンッ


押してきた令嬢がビックリしている。

何故ならたぶん令嬢的にかなり強い力で押したのに私がビクともしなかった為だ。

懲りずにもう一度押してきた。

体格的には相手の方が上だから信じられないようだ。


もちろん2回目も不発に終わった。

こんな力じゃ私のことを動かすことなんて無理だよ。

しかしこのご令嬢、鋼の精神をお持ちのようでなんと体当たりをかましてきた。

いや、それはもう貴族のご令嬢としていかがなものなんでしょう?


別に避けてもいいんだけどそれだとこの人怪我するしな〜。

しょうがない受け止めますか。


私は勢いよく体当たりしてきたご令嬢の体を優しく受け止めた。

出来るだけ勢いは殺したと思う。

さすがにこの体当たりを受け止められて固まったようだ。

私は出来るだけ優しくこの人に話しかけてみることにした。



「あの、大丈夫ですか?その諦めない精神は素晴らしいと思うのですが、そんなに勢いよく体当たりをしたら怪我をしてしまいますよ。せっかくお綺麗なんだから怪我などしたら大変ですわ。」


私が体を支えながらそんなことを言ったらそのご令嬢は顔を真っ赤にして、首を縦に勢いよく何度も振っている。

そんなにしたら痛くなるよ〜。

なんかこのご令嬢憎めない人だなぁと思っていたら、また勢いよく私の近くからいなくなってしまった。

あれ〜、嫌われちゃったかなぁ?



「リリーナ!」


うん?こ、この声は……。

恐る恐る振り返ってみると………やっぱりレオン様だった。

レオン様は満面の笑みで私の方へと近づいて来る。

うっ、アレン君もアンジュ様もいない今誰があの人を止めてくれるというんだ。

私が非常に困っていると意外な援護があった。


「「「レオン様!!」」」


先ほどのご令嬢方だ。

私に近づことしたレオン様をガッチリ抑え込んだのだ。

ナイスプレー!

ありがとうございます!

私はこの隙にこの場を逃げ出した。

みなさんの助力忘れません!



私は何とかレオン様から逃げることに成功した。

この会場に来た時から会うことは予想していたが、まさかアレン君とアンジュ様があんなに早くいなくなってしまうとは思わなかった。

さて2人は大丈夫かなぁ。

私は2人を探しながら会場を歩き回った。


「リリーナ様」


誰かに名前を呼ばれた。

振り返ると見覚えのない男性がいた。

はて?誰かな?


「ああ、やっとお会いできた。私はずっとあなたにお会いしたかったんですよ。」


私のことを知っているようだけど本当に誰なの?

何とか貴族年鑑の記録を思い出す。

うーーーーん?

あ!そうだ!確かどっかの伯爵の次男だ。


「何度手紙を出しても、お見合いの話を持っていってもお返事をいただけないようで……こうして直接お会いする機会に恵まれ感謝です。」


そういえば、以前母から見せられた見合いの絵姿の中にいたような……。

でも確か婚約者が別にいたはず。

だから速攻コレはないわ〜、の中に入れられたはずだ。


「レオン王子の婚約者時代からとてもお美しいと思っていましたが、実際近くでお会いしてみて余計にそう感じました。是非私と1曲踊っていただけませんか?」


……うん、イヤだ。

何だろうすごく嫌な感じがする。

だいたい婚約者がいたはずなのに私に見合い話を持ってくる時点でアウトでしょ。

はて、どうやってこの場を後にしようか。


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