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さて、自分の屋敷に戻ってきた。

とりあえず部屋に戻り執事のセバスチャンと私の専属メイドのサナを呼ぶ。


「リリーナお嬢様、お呼びのとの事でしたが何かございましたか?」


セバスチャンが心配そうに話しかけてきた。

その斜め後ろにサナも控えている。

その目は心配そうにこちらを見つめている。


「実はね今日レオン様に婚約破棄されたの」


「⁉︎」

「ふえ!?」


セバスチャンは流石に声に出さなかったが表情が物語っている。

サナは不思議な言葉をもらしている。


「それで、直ぐに王様とお父様に伝えたのだけど…」


「!!⁉︎」

「ひょえ⁉︎」


何でそんな反応?

普通、婚約破棄されたら直ぐに報告するでしょ。


「私ね、領地に戻ってしばらくゆっくり過ごします。勿論お父様の許可はいただいたわ」


私の言葉にセバスチャンが質問してきた。


「コホン、え、えー、お、王様は許可されたのですか?」


いつも冷静なセバスチャンには珍しく歯切れの悪い話し方だ。


「王様は……そうね、お父様が王様の会話に見事にかぶせてきてあまりお話が出来なかったわね。でも、お父様が領地に帰ることを認めてくれたことは確かよ。あっ、そうだわ。お父様にお伝えする事がまだありましたわ。サナ、急いで紙とペンを用意してちょうだい。」


「かしこまりました!」


サナが紙とペンを準備する間にセバスチャンがまた話しかけてきた。


「リリーナお嬢様。領地にはいつ行かれるのですか?」


「そうね…、今日はもう無理だから明日にしようかしら。」


セバスチャンが目を見開いて驚いている。

何かおかしいかしら?

王都にいてはろくでもない噂の的になりそうだし……。

何より久しぶりの自由を満喫したい!

むしろこっちが本音。


「リリーナお嬢様、いくら何でも明日は早過ぎるのでは……。」


セバスチャンが困った顔で言ってきた。

あれ?準備とか時間かかるかな?

別に領地に戻っても必要な物とか揃っているし、特に持って帰りたい物もない。

あー、そっか護衛の手配や馬車の準備もあるか。

でも、もう王子の婚約者じゃないしそんなにビッチリ警護は要らない。

いっそ邪魔だよ。

それに馬車だとやたらと時間がかかるんだよね。

1人で馬に乗って行った方が明らかに面倒もなく時間もかからない。

そんな事を考えていたらサナが準備を終えていた。


「ありがとう、サナ。」


私はサナが準備してくれた紙にスラスラと文字を記していく。

3分もしないうちに出来上がった。

封をしてセバスチャンへ渡す。


「セバスチャン、これをお父様へ直ぐに届けてちょうだい。まだ間に合うと思うんだけど……。」


私の手紙を受け取るとセバスチャンは一礼をして部屋を後にした。


セバスチャンがいなくなるとサナが話しかけてきた。


「リリーナ様、あ、あの本当に王子は婚約破棄を口にされたのですか?」


普通のメイドならばこんなこと聞かないが、サナとは小さい頃の付き合いだ。

かなり心配そうにしている。


「ええ、本当よ。報告する人みんなが間違いだって言うけど、間違いようがないのよ。だってレオン様の横にはそれは可愛らしい女性が居たのだもの。レオン様だって政略結婚よりは恋愛結婚を望まれているのよ。」


サナは遠くを見ながら「あちゃ〜」とレディらしからぬことを呟いている。

しかし決意したようにこちらに視線を戻し口を開いた。


「リリーナ様、あのですね、たぶん王子様は恋愛結婚はしたいとは思っていますよ。ただ、お相手は……」


バーーーン


サナが何かを話そうとした時部屋のドアが勢い良く開いた。

かなりの勢いだけどドア壊れてないかな。


「リ、リリーナァーーーーー!」


現れたのは、兄のリカルドだった。

急いで帰って来たのか騎士団の制服が乱れている。

ちなみに兄は若くして騎士団の隊長を任されている。


「あらあらお兄様、慌ただしいですわね。レディの部屋を訪ねる時は部屋のドアをノックしてくださいまし。親しき中にも礼儀ありですわよ。」


「そ、そんな悠長な話してる場合じゃないだろう!お、お前レオン様に婚約破棄されたって…」


あら?もしかして心配して帰って来てくれたのかしら。

流石お兄様。お耳が早い。

まあ、たぶん父が教えたんでしょうけど。


「あら、お父様にお聞きになったのかしら?なら話が早いですわね。おっしゃる通り婚約破棄されましたわ。なので明日には領地に行きますわよ。」


「あのな〜リリーナ。お前は仮にもレオン様の婚約者なんだぞ。そんな直ぐに領地に引っ込めるわけないだろう。」


「あら、お兄様。その仮の婚約自体が破棄になったのですから領地に行ったって問題ございませんよ。それにお父様には許可をいただいていますわ。」


お兄様は「誰か妹の暴走を止めてくれ」と呟いている。

失礼な。暴走なんてしてないよ。

とにかくこの話はもう終わりだ。


「お兄様。お話はそれだけでしたら私は少し休みたいのでお部屋から出て行ってくださいまし。サナ、貴方もお仕事がまだあるでしょう?私は少し横になるから後で声をかけてちょうだい。」


私はそう言うと2人を部屋から追い出した。

はあ〜、なんか疲れた。

せっかく王妃教育をしなくて良くなったのにな〜。

とりあえず横になって少し眠ろう。

私はベットに横になり、目を閉じた。

思っていたよりずっと反応があり、かなりビビってます。

感想もいただき非常に励みになっております。

なんとか捻り出していきたいと思いますのでよろしくお願い致します。

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